終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (角川スニーカー文庫)
- KADOKAWA (2014年10月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041022696
作品紹介・あらすじ
口コミからの大ブレイク! アニメは国内外でも話題騒然!!
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。
《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。
戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく。
「せめて、消えたくないじゃない。誰かに覚えててほしいじゃない。つながっててほしいじゃない」
死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。
感想・レビュー・書評
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Audibleで。
物語も素晴らしかったけど、矢尾幸子さんの朗読も素晴らしかったです!
死にゆく運命と向き合う妖精の少女と元勇者の人間の青年の絆を描いた物語ですが、死にゆく運命と向き合う少女たちを演じ分ける矢尾さんの朗読も本当にすごかった。
多くの人にもっともっとこの「すかすか」のAudible版を聴いてもらいたいです!
(アニメも見てみよっかな。。。)
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失礼ながらタイトルが長い作品は、なんとなく地雷臭を感じて読まないことが多かったのですが、この作品のアニメを見て良い意味でビックリしました。
めちゃくちゃシリアスで哀しい作品やん、これ……。ラノベやWEB小説特有のノリ満載の作品なら、すぐに切る気満々だったのですが(苦笑)
物語の舞台となるのは、突然現れた「獣」によって地上が蹂躙され、人類が絶滅した世界。獣人や妖精族といった人類以外の種族は地上を捨て、浮遊大陸で暮らしています。しかし、そんな浮遊大陸にも獣の脅威は健在で……。
そんな中で人類の唯一の生き残りヴィレムは、友人の小鬼族から、ある兵器の管理人の仕事の斡旋されます。しかし、兵器があるはずの倉庫にいたのは幼女や少女たちばかり。そしてヴィレムは、その少女たち自身が兵器として扱われていることを知ります。
少女たちの特徴として挙げられるのは、自分の危険についての感覚が鈍いところ。少女たちは大けがをしても、痛がるよりボール遊びを優先します。それは少女たちの種族の特徴でもあるのですが、それも少女たちの兵器の側面を表しているかもしれません。
そんな中で管理人になる前に偶然ヴィレムと出会った少女クトリ。ヴィレムが気になる一方で、彼女自身の出撃の日時は迫ってきます。そしてそれは、諦めていたはずの命に対する未練が蘇ってくることでもあり……。
一巻のハイライトは、クトリ自身が兵器としての自分から、年頃の少女の感性を戻していくところでしょうか。しかしクトリ自身の境遇を考えると、それはある意味残酷なことでもあります。
アニメで話の流れは分かっていても、改めて切なくなる作品です。次巻の話の流れも分かってはいるのですが、また心がぎゅっとつかまれてしまうんだろうなと思います。 -
前から気になってた小説ではあるものの、買うのが遅くなったせいでアニメ版を先に見てから読む形になったんですが、
ヴィレムって18なのかよ!
20代だと思ってた。
まあ戦時の18歳だから妙に達観してる事もあるだろうけど。
それにしても、養育院のアルマリア、本来の保護責任者がいい加減だからって、自分とさほど歳の変らない男に"お父さん"というあだ名を付けるセンスは…
アルマリアが付けたわけじゃなくてもっと小さい子が付けたのかな? -
ふざけたタイトルとは裏腹なシリアスなファンタジー。いいところで1巻が終わるため続きが非常に気になる。これは2巻も続けて出すべき。気になって仕方がない。
バターケーキはそんなに美味しいものなのだろうか。 -
長文タイトルでしかもLINEネタと、どんなイロモノかと思いきや、意外にも硬派というか、しっとりとしたラノベだった。バトルしないバトル物。いわゆる鬱展開というのは既に終わっていて、その後の話というのがしっかり描かれていた。登場人物が基本みんないい奴で、彼ら彼女らがいい具合に相互作用を起こしている。特に終わり方が好き。
続刊は既に決まっているようなのでそちらも期待。 -
アニメを視聴した当時、あまりにも心の全てを揺さぶってくるような内容にいつか原作読もうと思っていたのだけど、随分遅くなってしまったな
世界観は人類が滅びそれ以外の種族が跋扈するようになった世の中。そして主人公のヴィレムは最後の人間。ヒロインのクトリや他の少女達は兵器として命を使い潰される存在
だからここからヴィレムやクトリがハッピーエンドを手にするなんてありえない。出来るのは限りある生命をどこまで楽しいものに出来るのか。そして最後の瞬間まで自分の生命を諦めないで居られるか
そういった部分が話の中心にあるために作品のノリはそこまで明るくない。
しかも現在のヴィレムは戦闘能力が皆無なものだからヴィレムがクトリ達の代わりに戦うことすら出来ない
ラストで描かれたようにヴィレムはクトリを戦場に送り出すことしか出来ないし、遺跡兵装の調節だって気休めにしかならない
ヴィレムは勇者の辛さもクトリ達の境遇も理解できるのに見ていることしか出来ない。
本作で描かれている多くの描写がとても辛いものばかり
また、現在のヴィレムや黄金妖精達の在り方も凄まじい
ヴィレムは準勇者として500年前に限界の限界まで戦った。その際に石化して一人だけ人類の滅亡から取り残された。だから今のヴィレムは死人のようなもの
黄金妖精は自分の死を認識できないほどの幼さで死んだ迷える魂を利用した存在。そして死も痛みも恐れない。こちらも死人のようなもの
死にかけた世界で死んだような少年と少女達。だから何もかも諦めようとしているのに、諦めきることが出来ずに藻掻いてしまう。
そういった彼等の有り様がとても美しく映ってしまう
終盤、様々な出会いや反発を繰り返したヴィレムとクトリはようやく背中合わせに座りながら穏やかな会話を行えるようになる。
そしてそこで交わされた約束がヴィレムがかつてした約束と被ってしまう流れは印象的。ヴィレムの境遇を思えば同じような約束なのだから不吉な印象を感じてしまうはず。だというのにそのシーンから不安感を覚えるようなことはない
それはきっとヴィレムがクトリを支えてくれているからで、クトリが帰ってくる気で居るからなのだろうね
ラストはクトリ達の戦いの様子も描かれないし、帰ってくるシーンも描かれない。それでも穏やかなものに感じられるほど明るい終わり方だと思えるのは、半分死んだような存在のヴィレムとクトリがようやく生者らしくなったからなのかもしれない
ただ、そんな多少の明るさを湛えたラストを吹き飛ばす本当のラスト
あれがそのままの意味であるならば、何から何まで救いなんて無いじゃないかと思えてしまう…… -
『イリヤの空』は14年前らしい
一周半というかライトノベルが中高生とするなら
6年一周期で2週半しているだけに懐かしの味わい
違うのは昨年の『絶深海のソラリス』もそうだったけれど
ヒロインたちに対し視点主人公が目上であるところか
ハインライン『大宇宙の少年』『宇宙に旅立つ時』そして『夏への扉』が許されるのだから
全然問題ないはずだが
ライトノベルであってジュブナイルでないのがよくわかる
そのぶんナイングラートさんがとてもおばさんぽくてつり合いとれてるのかも
ここまで奇形的にしなくても『サクラ大戦』でいいのよ
でもライトノベル作家には無理か -
1〜5巻まで読了。
最初は美少女ハーレムものかと思って期待していなかったけれど、読み終えてみるとかなり硬派なファンタジー。タイトルでかなり損してる気がしますが…(›´ω`‹ )
4巻、5巻であの設定がこうで、コレがこうでー!?って、最初から読み返したくなる本。