マツリカ・マジョルカ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.40
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本棚登録 : 112
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023044

作品紹介・あらすじ

高校1年の柴山祐希は、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで生活が一変する。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いながらも、学園の謎を解明することに。男子高生の心情を描きだす、学園ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • ミステリ。日常の謎。連作短編集。
    「原始人ランナウェイ」はアンソロジーで既読。
    作者の太ももフェチがハッキリ描かれていて面白い。
    内容はまずまず。続編が気になる感じ。

  • いかにもアニメかライトノベル的な非現実的なマツリカさんの設定だけど、文章のキレが良いからなのか、大人の自分でも抵抗なく読めました。
    ただ伏線は早くからミエミエだったので、マツリカさんの正体の明かし方に期待します。

  • 主人公の拗らせっぷりが等身大に描かれていて良い。最後にようやく自分と向き合えた、と思えるので、続編での成長に期待。作者が太腿をこよなく愛していることは、物凄く伝わってきた。

  • 〇 概要
     クラスに居場所を見つけられず,冴えない学生生活を送っている高校生,柴山祐希は,学校近くの廃墟ビルに住む上司構成「マツリカ」と出会う。「柴犬」と呼ばれ,いいように扱われるが,学校でおこるさまざまな「謎」を解明するために,他人と関わることになる。柴山の周囲の「何か」が変わり始める…青春ミステリ

    〇 総合評価 ★★★★☆
     この作品の評価は,主人公の柴山祐希の心理描写を是と見るか,非と見るかで大きく変わりそう。非常にネガティブな思想で,結構露骨にいやらしい描写がされており,嫌悪感を抱く人もいると思う。しかし,個人的には,自分の高校時代と非常にダブってしまい,とても感情移入をしてしまった。ここさえ気にならなければ,相沢沙呼の文章は雰囲気がある。この作品では,マツリカのキャラクターについては深い描写や説明がなく,謎の少女という位置付けで終わってしまっており,やや消化不良。とはいえ,写真部の小西さんという存在が非常に魅力的に描かれており,キャラクター小説としても十分楽しめた。ミステリとして見ると,個々の作品で描かれている謎と真相はとても小粒。しかし,総じてブラックな味付けがされていて,この点も非常に好み。全編を通じて描かれる謎,柴山の姉が自殺していたという部分も,きっちりとした伏線もあって秀逸。さすが,相沢沙呼と思えた。
     文体が非常に肌に合うし,作風も好み。相沢沙呼作品には,採点が甘くなってしまうが,★4を付けたい。

    〇 サプライズ ★★★☆☆
     なんてことがない日常の謎系のミステリと思って読むと,最後に出てくる柴山の姉の自殺というブラックな真相。さりげない伏線も用意されており,サプライズとしてはそこそこ。日常の謎系ミステリに仕込まれた全編を通じて描かれる謎としては十分なサプライズだろう。個々の短編の真相にそこまでのサプライズはないので,★3で。

    〇 熱中度 ★★★☆☆
     相沢沙呼作品は,リーダビリティの高い小説というよりは,独特の雰囲気を持った小説なので,そこまで熱中度は高くない。柴山の姉の自殺というサプライズは用意されているが,先を読み進めたたくなる謎というほどのものがなく,文体が肌に合わない人は,途中で読むのを辞めてしまうかも。個人的には文体が肌に合うので最後まですんなり読めたが。★3で。

    〇 インパクト ★★★★☆
     廃ビルに住む謎の女子高生,マツリカという女性の存在はインパクトがあるのだが,結局,マツリカが何者かという点は一切語られない。そのため,マツリカについてのインパクトは少し薄くなってしまう。その分,柴山の姉が自殺していたという全編を通じての謎はインパクトがある。トータルで見ると,結構,印象に残る作品だと評価できる。★4で。

    〇 読後感 ★★★★☆
     柴山の姉の自殺というブラックな真相はあるのだが,ラストは,柴山が再びマツリカのいる廃ビルを訪れるというもので,明るい印象。続編もあるので,これはこれでよいラストだろう。柴山をとりまく周囲の状況も好転しており,いいラストだと思える。★4で。

    〇 キャラクター ★★☆☆☆
     主人公の柴山は,感情移入できるキャラクターなので嫌いではないが,嫌悪感を感じる読者もいそう。正直といえば正直なのだろうが,なんか,こう,リアルにいやらしい。マツリカは超常的な存在として描かれていてリアリティなし。この作品で最も魅力的なキャラクターは写真部の小西さんだろう。トータルで見ると,そこまでキャラクター的な魅力にあふれる作品とはいい難いか。★2で。 

    〇 希少価値 ★★☆☆☆
     相沢沙呼という作家そのものがそんなに売れている印象がない。一応,シリーズになっているし,映像化とかしたら売れそうではあるが…。多量に生産されているラノベの大群に紛れて,消えていく可能性もある。現時点では,希少価値はないけど…。★2で。

    〇 トリックなどのノート
    〇 原始人ランナウェイ
     柴山祐希が,マツリカと出会う話。学校の校庭に原始人が現れるという怪談の謎を調査する。校舎裏に「カサブランカ」の花束が置かれていた。
     原始人の怪談が廃れず,広がっていた理由をマツリカが語る。原始人の怪談には真実が含まれている。全裸に近い恰好の生徒が,旧校舎の裏を逃げるというような「いじめ」がかつて存在していたのだという。花束は告発の意味があり,教育実習生の紺野が,鶴岡というもう一人の教育実習生に向けた告発をしたのではないか。自分達のせいで,辱められた子がいる。それにもかかわらず,自分達は教師を目指す。それでよいのか…と。

    〇 幽鬼的テレスコープ
     柴山は,小西という写真部の生徒(女子)に誘われ,生徒主催の肝試し企画,隻眼山探索オリエンテーションに参加する。肝試しでは不思議な出来事が起こった。驚かすためのポイントは10か所なのに,11か所だったという生徒が複数存在する。ゴールしたときに渡すはずのお札が1枚足りない。女の子の鳴き声を聞かせるという幽霊ポイントは存在しないのに,女の子の鳴き声を聞いた…。
     マツリカは,真相を推理する。秋和という女生徒に恋愛感情を持っていた根岸という男子生徒は,肝試しの場を利用し,無理矢理,二人きりになったのではないか。事前にお札を入手しておき,中継地点を通らずに,コースを外れる。告白を断られた根岸は,精神的にか,肉体的に彼女を傷つける行動をとった。柴山達が聞いた少女の鳴き声というのは,秋和の鳴き声だったのではないかと。主催者側の生徒は,騒ぎにならないように,この事実を隠蔽した。

    〇 いたずらディスガイズ
     文化際に現れるという「怪奇ゴキブリ男」を見張るために,自分のクラスで行っているメイド喫茶に客として訪れる柴山。そのメイド喫茶で,写真部の小西から,D組が劇で使うアリスの衣装がなくなったので探すのを手伝ってほしいと依頼を受ける。柴山は捜索の中で,偶然,アリスの恰好をした少女を見つけるが,その少女はアリスの衣装を残し消えてしまう。
     マツリカは真相を推理する。消えたのはアリスの衣装ではなくユーコという役者だったのだという。柴山が偶然見つけた少女がユーコだった。ユーコは,クラス全体が,さほど演劇を成功させたいと思っていなかったという事実に気付き,当日に逃げ出した。アリスの衣装の捜索を依頼した牧田は,演劇を成功させたいと思い,ユーコから衣装だけでも取り返そうと思っていたのだ。牧田は,ユーコを見つけた柴山の目をごまかすために,衣装だけが残るという不可解な結末を用意したのだった。

    〇 さよならメランコリア
     マツリカは3年生であり,卒業する…そう思った柴山はいつまでも今のような生活を続けることができないと,寂しい気持ちに浸る。ある日,柴山はマツリカから面白い話をするように言われる。謎を提示し,答えられなかったら,何でもいうことを聞いてやると。柴山は卒業アルバムの写真から写真を切り取られた姉の話をする。
     マツリカは,解答できないという。柴山は,マツリカに対し,「触っていいですか」と言い,「つらいことがあった言ってください」と言う。マツリカは最初の願いを聞くといって柴山の手を握り,語り始める。柴山の姉が既にこの世にいない。卒業アルバムの写真は遺影に使われたのではないかと。
     柴山の姉は自殺していた。…少なくとも自殺と判断された。柴山は納得できなかった。なぜ,姉が自殺をしたのか分からない。マツリカは「私に話してくれて,ありがとう」と伝えた。
     3年生の卒業式が終わったあと柴山は思う。マツリカはちゃんと学校に行っていたのか。本当は卒業できていないのでは。そう思ってもう一度廃ビルに向かう。

  • 学校に居場所を見つけられず、友だちもいない
    高校一年生の柴山。
    ある日、学校近くの廃墟に棲む美しい少女
    マツリカに出会うことで彼の毎日は一変した。
    「柴犬」と呼ばれパシリとして一見不可解な
    学園の謎を解明するために奔走するが…

    最近、クラスでも目立たず冴えない男子が
    ひょんなことから美少女と急接近して振り回されたり
    美少女が病気だったり、みたいな話が妙に多いような…

    ミステリ要素はかなり薄め。
    終始マツリカさんのクールで蠱惑的な魅力に
    翻弄され続ける感じです…
    柴犬君のお姉さんの件は逆にそうでなかったら
    引くな…という感じだったので
    驚くというよりほっとしたというか…

    文庫の表紙も綺麗ですが、個人的には
    文芸書の表紙の方が可愛らしくて好みです…

  • 学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとひょんなことから知り合った高1の柴山こと「柴犬」。
    その名のとおりマツリカにパシリにされながらも、柴山は学校周辺で起こる謎を彼女と解いていく。
    人と関わることを避けていた彼の高校生活はマツリカを手伝うことによって一変するが・・・。

    高校を舞台にした青春ミステリ。
    著者のほかの作品(マジシャンの酉乃シリーズ)に設定がちょっと似ています。
    女の子とオドオドした男の子の組み合わせが著者の好みなのでしょうか。

    毎回、学校周辺の怪奇現象などを安楽椅子探偵のマツリカが推理していくという流れになっています。
    4篇のどれも思春期のほろ苦さが胸を刺す結末ばかりで、胸をえぐられるようでした。

    周囲に心を開かず、友達のいない柴山が事件を通じて少しずつ変わっていく、という展開はありがちなのですがほっこりします。

    高校生男子の劣情具合が想像以上に気持ち悪くて、女性としては受け入れがたいものがありましたが…読んでるうちに少し慣れました。
    綺麗な太もも万歳!

  • (内容)
    柴山祐希、高校1年。クラスに居場所を見付けられず、冴えない学校生活を送っていた。そんな彼の毎日が、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで一変する。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされつつも、学校の謎を解明するため、他人と関わることになる祐希。逃げないでいるのは難しいが、本当は逃げる必要なんてないのかもしれない…何かが変わり始めたとき、新たな事件が起こり!?やみつき必至の青春ミステリ。


    (著者について)
    1983年、埼玉県生まれ。2009年、『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。著書はほかに『ロートケプション、こっちへおいで』。マジックを愛する期待の新鋭作家。


    (感想)
    青春ミステリーって書かれてたけど、ミステリー要素より、少年の成長を描いてます。
    学生のうちに読んでもらいたい。
    クラスにあまり馴染めない子とか特に。
    セクシー要素は自分的にはいらなかったですね…

  • ミステリーとしては消化不良。特に、真相を暴いているはずなのに、その結末が提示されていない(ように思えてしまった)のは、ワシ的には物語を放り投げられたように感じてしまい、釈然としなかった。真相究明の結果どうなったか、が知りたかった。だが、主人公の情けなさ、言葉を選ばないなら、童貞らしい男子高校生の等身大の姿、には共感を持てた。今がどうであろうと、ワシも高校時代には似たようなものだったろうし、それを文字で表現し切ったのは面白い。艶かしいヒロインの描写とあわせてゾクゾクする。

  • 主人公がキモい。そりゃあ男の子たるものいろいろ妄想するものですが、文章にされるとキモい。
    あと、謎解きが寸止めな感じがしていまいちすっきりしない。解決してるようで、実は解決してない気がする。

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プロフィール

【相沢沙呼(あいざわ・さこ)】
1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2011年「原始人ランナウェイ」が第64回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作、2018年『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補作となる。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。シリーズ前作『小説の神様』は、読書家たちの心を震わせる青春小説として、絶大な支持を受けた。

「2018年 『小説の神様 あなたを読む物語(上)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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