- Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041023105
感想・レビュー・書評
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単行本の帯に、全ての働く男女に読んでほしい、と書かれているから、半沢直樹的な池井戸潤的な内容かと思っていたが、どちらかと言えば逆の内容。
上を目指す内容は池井戸潤と近しいところもあるが、方法が時には違法であり暗い。
やられたらやり返す、殺してでも、みたいな。
社会人が読んだらしんどくなる。
人のキンタマを握るのは社会人として間違っていないが、圧倒的な独裁政権で誰からも嫌われているゲソを中心にストーリーを描くなら最後はどんでん返しを見たかった。
どんどん会社が大きくなるのはサクセスストーリーとして爽快な感じだが、最後の怒涛の締めくくりが残念。
まるで箇条書きを読んでいるような、これまでの長いストーリーを無視するような締めくくり。
占い師とか、どうやって覚醒剤を手に入れたとか、ポケットに忍ばせたとか、ここまでの内容からすれば詳しく書いても良かったのではないかと思う。
無駄な表現が少なく読みやすかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
成り上がるためには黒い部分も必要なのか。
成り上がっていく様とその後がみえ、
ゲソやまわりの人間の心情に入り込みつつ読み終えた。この作者の佳代のキッチンも読んだけど、それとはまた別の雰囲気があって他の本への期待値があがった。 -
すし屋の小僧から一大外食産業の総帥に成り上がる男と、ナンバー2の物語です。
昭和の末期と平成の最初のころの時代風景も、確か、そんなんやったなあ、って感じで楽しめます。
でもなあ、最後がなー。そんな簡単に死ぬような主人公に見えんのだが。
20160331 -
刑務所に入っている金森が偶然目にした週刊誌の記事「徳武光一郎の死」。
金森と徳武の出会いは鮨屋の小僧時代。
日本一の鮨屋になるという野望を持ち、日々準備を重ねていたが、そのやり方はえげつなかった。
そんな金森と徳武の関係が語られていく。
徳武の死と金森の刑務所に入ることになった罪とは?
昭和60年前後の時代背景もうまく絡まっていて、面白い。
2017.1.3 -
時代は昭和56年。舞台は東京 両国の鮨屋。主役はその鮨屋に見習いに入った22歳の不器用な金森と16歳にして悪魔的頭脳を持つ通称ゲソのふたり。
野心と策略の成否は「忠実に任務を実行するパートナーが不可欠」と知悉しているゲソは金森に接近を図る。金森の窮地を幾度となく救い、兄弟子弟弟子の関係は完全に逆転し、手なづけされてしまう。そう、ゲソの人心掌握術は「キンタマを握る=弱みを突く」こと。手下となった金森はゲソの張り巡らした智謀・策略のシナリオに抗いながらも稀代の策略家の放射する熱に惹かれ、ゲソに全てを賭ける。世話になった鮨屋の乗っ取りに始まり、黒い手法で外食チェーンを次々と吸収合併し、やがて食の一大帝国を築くに至る…。
男同士の歪んだ絆物語でありながら人脈構築・起業・広報・販促のビジネス書の要素に振る舞いや所作論についての考察も一読の価値ある痛快悪漢小説。 -
冒頭が気になって最後まで一気に読んでしまった感じ。
ずーっと心の中で「なぜ?」という疑問を持ちながら読んでいました。上手いなあ。
登場人物に対しては理解に苦しむところもあったけど、面白かったです。
濃度の濃い小説でした。
最後に原点に、冒頭に戻ったときはちょっとジーンとしてしまいました… -
何を握るのか⁉ いやぁー、面白かった。
本の帯に、全ての働く男女に読んで欲しい、と。僕もそう思います。
ゲソみたいなタイプは好きじゃないので最初は嫌な感じで読んでたんだけど、どんどん引き込まれてしまい、最後の最後は少し泣けた。
この本を手にするとき全く意識してなかったんだけど、この作者は床下仙人書いた人だった。あれも変わってたけどこれも変わってる。
面白かったです。お薦めします。 -
これは面白かった。ゲソと金森という2人の男の立身出世から凋落までをドラマチックに描いてある。決してスマートじゃないやり方で相手の弱みを握りながら人身掌握し、成り上がっていくゲソの人生にハラハラドキドキしながら読み進められた。寿司の握り方や食に関する薀蓄、飲食チェーンの経営のやり方などがリアルにかかれていてよかった。
ただ、独裁者は孤独で宗教的なものに傾注していかざるを得ない悲しさ。社長って大変だなと改めて思った。 -
如何に人の弱みを上手く握り、自分の思うように動かすか。ただ、その先に待ち受ける、人を信じられなくなる状態も描かれている。どのように自分に取り入れるかは、それぞれの人が考える必要があるだろう。
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こんなに装丁から受けた印象とズレることも珍しい。とはいえつまらなかったわけでもない。
仕事柄いろんな企業のトップに会ってきたけど、そういった人たちの凄いと思う面や苦手に感じる面(主にこっちが多い)が思い出されて、中盤は物語を追うのも心情を読むのにも少々疲れた。
この本、結局のところ何が書きたかったのかな…ちょっとわからない。
スピード感はあって退屈せず読めたので星3つ。