散り椿 (角川文庫)

著者 : 葉室麟
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年12月25日発売)
4.12
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  • レビュー :30
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023112

散り椿 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • どこまでも不器用でどこまでも誠実な男達の切ない物語。
    最愛の妻の最期の願いを叶えるため、男は一人故郷に戻ってきた。
    妻に褒められたい一心で。
    そして因縁深い幼馴染みと決着をつけるために。

    過去に起こった事件の真相を解き明かすにつれ、浮かび上がる亡き妻の想い。
    妻が願いの奥に潜めた想いは実に切ないものだった。
    散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていける…潔くて儚いセリフに泣きそうになる。

    葉室さんは男同士の友情を描くことが本当にお上手な作家さんだったのだと改めて思った。
    岡田准一さん主演の映画も楽しみ。
    葉室さんも楽しみにされていたんだろうな…。
    本当に残念。

  • 全1巻。
    藩を放逐された浪人が、
    亡き妻の遺言を守るために帰ってくる。
    帰参した浪人を待っていたのは
    藩を二分とする御家騒動。
    保身に勤しむ甥っ子とともに
    好まざる争いに巻き込まれていく。
    って話。

    や。
    いいね。
    本当、葉室先生は小藩の政争が抜群にうまい。
    今の作家達の中でピカイチだと思う。

    ロマンチックな「想い」の設定は
    胸が苦しくなるほど切ないし、
    どんでん返し連続なミステリーは、
    だれもが怪しく見える前半とか本当秀逸。

    ただ、惜しむらくは謎解きパート。
    それぞれの謎の答が深く絡まり合ってなく、
    小粒な謎が一杯って印象になっちゃってる。
    「想い」についても駆け足消化な感があり、
    「事件の真相」「妻の真実の想い」に絞って
    うまく昇華してほしかった。
    ちょっと要素が多すぎ。

    まあ、
    少し白けた後味は残るかもしれないが、
    グッとくるのは間違いないと思う。

  • 葉室さんの小説の登場人物はみな似ている。
    特に主人公とその妻は別の小説と入れ替えてもよいのではないかと思うくらい。だが不思議とそれが心地よい。
    人としての奥行きのある魅力的な主人公と、人間味溢れる脇役達が織りなす物語は、意外に結末も予想し易いのだが、それでもなお面白い。
    以前はプロットに凝りすぎて、無理矢理な設定だと思う部分もあったけど、蜩の記あたりから良い意味で構成がシンプルになったように思う。夫婦の関係だけでなく、四人の幼い頃からの友情も静かに深く、海のようなありようが素敵だと思った。

  • 妻の遺言で因縁の故郷に帰る凄腕の剣士瓜生十兵衛、そこで彼ら自身が出て行かざるを得なかった勢力争いに巻き込まれる。

    葉室燐らしい設定の、葉室燐らしい人間ドラマ、友情愛情義理渡世人情…、色々なものに縛られ色々な義を守って生きていく人間模様が切なく描かれている。渋くて上手い泣かせる小説である。

    難点を言えば、勢力争いの構図が少々分かりづらいことか、2派の争いかと思えば単純にそうでもなく、それが小説の味わいになり切れていればいいのだが、どちらかというと読みづらくさせてる印象が残念。

    映画化されるらしい、全く知らなかった。
    そして、この本を入手してから数日後に作者がお亡くなりになられた。なんてタイミングで読んだんだろうと思う。

  • 2017.12.20

  • さすがに葉室麟の時代物小説は切ない内容ですが、つくづくいい話ですね!
    いろいろな宿命を背負った主人公瓜生新兵衛が一度は藩を追われ、なかなか戻れずじまいだったのだが、妻の遺言に託されたことを実現するために藩に戻り、旧友との再会・対峙だったり、側用人と家老の対立に巻き込まれたり、妻の妹親子との関係だったりと、いろいろな事柄に巻き込まれつつも、妻の遺言の真の意味を意味を知ったとき、新兵衛はどんな覚悟をもって生きていくことにするのか!という展開が面白かったですね!
    新兵衛と妻の妹の息子藤吾との関係性の変化も良かったです!

  • 人が人を想うことの深さに打たれ、しかし想いは必ずしも素直に伝わるとは限らない…
    人の世の哀しさ虚しさ、そしてだからこそ美しい、そんなことを感じた。
    映画化楽しみです

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当たりにしたのは、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘密だった。散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの―たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは深く生き続ける。秘めた想いを胸に、誠実に生きようと葛藤する人々を描いた感動長編!

    平成29年5月24日~30日

  • 切ない。また読みたくなる。

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