散り椿 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 470
レビュー : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023112

感想・レビュー・書評

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  • 新兵衛、格好良すぎ!~徳川家康の故障を務めた先祖を持ち今は和紙生産で有名な扇野藩の殖産方である坂下藤吾は父が公金横領の疑いを掛けられ自害した家を盛り返そうと必死で、目標は側用人の榊原采女だ。死んだ父や許嫁・美鈴の父である篠原三右衛門の剣友であり、藤吾の母の姉・篠の夫であり今は浪人している瓜生新兵衛の剣友でもある。村廻りの帰りの峠道で、采女の養父・榊原平蔵の悪事を暴こうと藩を追放されたが、一時采女との縁談もあった妻・篠の遺言で、坂下の屋敷にあった椿を見に行き、采女を助けろ言われたからだった。和紙の金は田中屋という紙問屋を通して、藩主の庶兄奥平刑部から旗本へ養子に出た息子を通じ、老中などに賄賂として渡っている。奥平はあわよくば息子に藩主の座を引き寄せたいが、藩主は来年三月の世嗣国入りを機に、国家老・石田玄蕃を排し親政を始めたいらしい。藤吾は水路造りを計画し、郡方も乗り気なのだが、家老派は妨害してくるかと思うと、郡方への異動と蜻蛉組入りが命じられ、郡奉行・山路内膳を監視するように石田玄蕃に命じられる。山路は榊原同様、主君・世子派だ。困った立場に置かれ、村廻りの最中に狙撃され、頼りとする若手名主が殺害される。篠原は藤吾が蜻蛉組の編入されたのを知って、破談を申し渡しに来た。榊原平蔵を斬ったのは、坂下重乃助か、篠原三右衛門か、養子の采女か。藩主と世子が国入りした。病気がちな藩主は床に伏せ、世子は精力的に動く。殺された名主の家をお忍びで訪問すると聞いて、郡奉行は藤吾と新兵衛を討手が潜みそうな場所に急行させたが、狙撃された世子の影武者は蜻蛉組の組頭・篠原三右衛門で、弾が命中して絶命した。その頃、世子は城下での田中屋との談判に臨み、目的は果たしたものの、一服した茶に毒が仕込まれていた。藩主・世子側は謹慎が命じられ、蜻蛉組の解散が家老・石田から命じられる。家老は篠原の遺族の族滅を命じ、それを知った藤吾は美鈴を救うために走る。新兵衛は采女と椿の下で立ち合いに臨むが…~岡田准一が演じているのは新兵衛?采女?藤吾は誰がやるの?ってのは映画の話

  • 映画になったが期待を裏切らない内容

  • 少しこじつけのように感じられるところもあったけれど、面白かったと思う。
    出世のため、お家再興のために努力して生きていた藤吾が、次第に、石高よりも大切なことがある、と気持ちを変化させていく姿が清々しかった。
    新兵衛は一途に篠を思い続けるが、篠は采女から新兵衛へ気持ちを移すところとか、男の人の書いた作品だな、とは思う。

  • 世評は高い作品ですが駄目でした。
    ストーリーが粗く、ガチャガチャした印象があります。
    ちょっとしたミステリー仕立てですが、単に事実の露呈を遅くしただけで、かえって話を混乱させているだけのようです。逆に細部の書き込みが足らず、登場人物の心の動きが読めません。
    葉室さんはもっと力のある作家さんです。この作品が発行された2012年には6作品が発刊されてます。一気に流行作家になり大量の作品を要求され、十分に練った作品が書けなかったのかなと思います。

  • 葉室さんの時代小説.妻の遺言に込められた真意に胸を打つ.でも妻の視点は余計だったように思う.主人公が妻の心境に想いを馳せるところまでに留め,本当はどう思っていたのだろうかと想像するところが醍醐味.最後まで詳らかに語ってしまうのは少し野暮ったく感じた.
    以下あらすじ(巻末より)
    かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当たりにしたのは、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘密だった。散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの―たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは深く生き続ける。秘めた想いを胸に、誠実に生きようと葛藤する人々を描いた感動長編!

  • 伝わる事の無いかもしれない「想い」を、それでもいいと命をかけて守る・・・
    家族の為に、友の為に、好き人の為に、世の為に。
    分かりやすい愛も大切なのだと思うけれど、本当の愛は人に簡単に解ってもらえないのかもしれない。
    だからこそ、それを知った時、愛は深く輝いて美しい。
    重い、想いの話。

著者プロフィール

葉室 麟(はむろ りん)
1951年1月25日 – 2017年12月23日
福岡県北九州市小倉生まれ。西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻卒業。地方紙記者、ラジオニュースデスク等を経て小説家に。2005年に短編「乾山晩愁」で第29回歴史文学賞受賞(のち単行本化)、2007年『銀漢の賦』で第14回松本清張賞受賞、2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞受賞、2016年『鬼神の如く 黒田叛臣伝』で第20回司馬遼太郎賞受賞。
上記以外の代表作に、2018年9月に岡田准一主演で映画化される『散り椿』、第22回山本周五郎賞候補及び第141回直木賞候補だった『秋月記』がある。

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