終舞! コロヨシ!! 3 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2015年2月25日発売)
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本 ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784041023181

作品紹介・あらすじ

「掃除」のパートナー「対」である偲とともに練習に励む樹。しかし「掃除」の国技化をめぐる争いに巻き込まれ――。(本作は単行本『決起! コロヨシ!!2』を分冊し、文庫化したものです)

感想・レビュー・書評

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  • 「掃除」の言葉からは想像もできない大きな話に膨らんでびっくりである。でも大きな話になったからこそ、単一ならざる真実、単一ならざる正義、輻輳する思惑が複雑に絡まって面白さと難しさが格段に上がった。それでいてリアリティを感じられるのが、やはりとても不思議でならない。

  • 前の巻から時間が空きすぎてしまって、黒木先輩って誰だっけとか忘れてしまっていたのですが、楽しく読ませていただきました。スケールが大きくなりすぎて、彼らの今後は一体どうなってしまうのか気になります。あと将来が・・掃除だけでは食べていけないのではとか、少し現実的な心配をしてしまいます。大介たちが進む新競技とかどういうものなんでしょう。いつか続きとかあるのかな。大介とはもうずっとこんな感じで召喚部とかのときには戻れないのかな。

  • シリーズ最終巻も面白かったです。
    樹と偲、そして樹の両親、樹の祖父と水玉様…とたくさんの対が、とか、表の対と裏の対、とか、「くつがえし」と「けっき」とか、「相撲」(すまい)の「取組」など…最終巻なのに更に情報量が多くてくらくらしましたが楽しかったです。
    顧問との相撲の取組や、大介とのくつがえし対決などハラハラし通しでしたが、青春だ!と思いました。
    真実は受け取る人によっていくらでも変化する、や、歴史とはもともと捻じ曲がっている、など、樹の祖父の言葉が重いです。
    それにしても、まだまだ続きがありそうな終わり方でした。登場人物たちのこれからが気になります。

  • 三崎亜記の決起! コロヨシ!! 2、終舞! コロヨシ!! 3を読みました。
    コロヨシ!!の続編・完結編でした。

    パラレルワールドの日本を見ているような「この国」で「掃除」というスポーツに打ち込む高校生藤代樹が主人公の青春小説でした。
    物語の後半になってくると伝奇小説のような風味も加わってきて物語に引き込まれてしまいます。

    日本語でよく使われる言葉を独特の説明で別の意味に再定義し、それが「掃除」の極意にまつわる言葉として物語っていく三崎マジックを楽しみました。

    ただ、漫然と読んでいると登場人物が女性なのか男性なのか勘違いしてしまうことがあって、もう少し登場するキャラクターの性格や行動の描き込みがあった方がいいのに、と思いました。

  • 三崎亜紀のファンタジースポ根。完結巻。
    良し悪しは、二作目と同じ。架空のスポーツと、それを取り巻く世界の設定は、破綻なく興味深いので面白い。しかし他方で、競技の描写が抽象的かつワンパターンで、どっぷりとはまることが出来ない。
    最終巻ということで大きくした話を着地させているのはよいが、さすがにご都合主義過ぎる嫌いもある。まぁ、この作風で裏切る展開はなかなか作れないと思うが。
    と、思うところは多々あるが、なかなか実力派の作家が書く小説ではないので、そういう楽しさはあったと思う。
    それにしても解説がひどい。
    3-

  • 現実には全く存在しない「掃除」なのにイメージだけでここまで大きく展開するなんて、ただただ参った。久し振りに人に紹介したくなる作品に出会いました。

  • 再読。スポーツ小説としてスタートしたはずのシリーズが最後にはここまで来るかというスケールの大きな話になってしまった。政治的な攻防とかは三崎さんらしいといえばらしいかな。でも、登場人物がみんな未来へ向かって頭をあげて進んでいくラストの清々しさは、スポーツ小説らしさで彩られた。続編を読みたいような、これで終わりでいいような、複雑な気持ち。梨奈のスピンオフとか読んでみたいかも。

  • ヒロイン高倉も合流し、
    卒業までの大会や国家陰謀に対して頑張る完結編。

    隠された掃除の奥義や
    樹回りの人物の秘密の解明、
    そしてライバルや恩師など、超えるべき人物との戦い…。

    ここまで少年漫画の王道展開を
    地で行ってもらうととても気持ちがいい。

    結局戦後久々に国が掃除を必要とした
    理由が明示されていないが、
    同じ世界観の他作品を読み返すと
    状況を把握できるかも。

    個人的には後藤に日の目が当たって良かった。

  • 何だか長編スポコンアニメです。
    「キン肉マン」とか「悟空」のノリです。最初は軽いものだったのが、どんどん拡張して行き、舞台も技もとてつもないものになってしまい(笑)。
    アニメを意識してるのか、登場人物も初代顧問の寺西先生は「スラムダンク」を思い起こさせるし、今回の顧問・牧田先生もどこかのアニメにモデルが居そうです(私は詳しくないので)。
    ただ、それが成功しているかというとチョット。何か所も「ずっこけ」シーンは作っているのですが、笑う前に「ああこのパターンね」と思ってしまいます。
    そもそも三崎さんは人を描くのはあまり上手くないのかな。考えてみれば、過去の三崎作品の中で思い出されるのは、作品に描かれる不思議な世界そのものだったり、廃墟建築のような不思議なシーンだったりで、ほとんど人物が出てきません。
    この作品でも世界観の構築は流石です。ある種の現実を下敷きにしながらも、それを見事に変換して現実から引きはがし、かつ説明しない所は読者が現実から補完してくれる。そんな設定です。
    何だか編集者に乗せられて、三崎ワールドにアニメを持ち込んだらどうなるのか実験してみた、そんな気がする作品です。
    しかし三崎さんの一番の持ち味はやはり「不条理な世界のなかの静謐感を感じる美しいシーン」と思えます。今回はアニメチックに楽しませてもらったけど、やはりそちらの世界に戻って頂けないかと。。。

  • 新世代すぎてついていけない・・。

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しビュー。同作は18万部のヒットとなり直木賞にもノミネートされた。著書に『廃墟建築士』『刻まれない明日』『コロヨシ!!』『決起! コロヨシ!!2』など。

「2021年 『博多さっぱそうらん記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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