カサンドラ

著者 : 桑原水菜
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年11月2日発売)
3.68
  • (4)
  • (6)
  • (8)
  • (1)
  • (0)
  • 61人登録
  • 9レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023419

作品紹介

昭和28年。一隻の豪華客船が横浜を出航する。大臣の護衛として乗船した入江秀作は、周囲の様子に目を光らせていた。そう、入江の真の任務は機密情報流出の阻止と、それを持ち出した者の抹殺、だった。

カサンドラの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 久しぶりに一気読みしました。
    戦後十年あたりという舞台設定も絶妙なハードボイルド推理小説です。
    専門用語などは本文で説明してくれる親切設計で読みやすく、
    難しさは感じないと思います。

    元戦艦だった客船に、船が嫌いな入江が乗り合わせるところから始まるストーリーが
    多数の登場人物と絡み合いバックグランドを明らかにしつつ
    全く見えなかったところから任務の内容が見えてくる話運びが鮮やかです。

    ところどころの言葉の選び方と、広島弁が多少気になったものの、
    次が気になる引き込まれる展開に比較すれば些事です。

    映像で見たいと思わせる迫力あるシーンがいくつもあります。

    桑原先生と言えば炎の蜃気楼という人も多いかと思いますが、
    ミラージュが好きな人にはもちろん、
    ミラージュの作者の本だから、と避けていた人にも
    読んでみて欲しい一冊です。

  • 2017/06/01-06/14

  • p.25-26「誰か、お捜しですか」
    「いえ、友人によく似た人がいたものですから」
    「船上で再会ですか」
    「いや、友人は故人なんで、単なる空似です」
    「……船ではたまに起こることです。船で出会う空似の他人は、一種の運命で結ばれている可能性があるから、あとで声をかけてみるといいですよ」

    今(読了時)、八月。
    船が舞台でミステリだという事だけで読み始めた。
    コバルトのノリで、サラっと読めるのかと思っていたらなかなかの読み応えだった。
    時期も時期だけに考えるものもあった。

  • 著者はティーンズ文庫のあの人か、と読み終わってようやく。内容が重く、ギャップにびっくり。
    戦後、日本生まれアメリカ育ちの船に乗った主人公。自分の裏切りにより死に追いやった親友の弟と船内で再会し、動揺する。
    連続殺人が発見された直後、船が乗っ取られ、敵味方の区別がつかなくなる…
    その後、船は原子炉を抱えていることが判明。今後、電気も原子力で補うのだという。
    核被害を受けたばかりの戦後、日本はどこに向かうのかー
    現代の矛盾にもつながるテーマだと思うが、残念ながら本としては面白くない。

  • 内容知らずに買って・・・読むのが嫌だった(笑)。

    でも買った以上は読むべし!と、やっと読んだ。

    読み終わって、涙は出てないんだけど、心の奥底で泣いている感じがする。


    軍人じゃなくてもシベリアに抑留されたという話は、親戚のおじいさんの話として聞いたことがある。
    もちろん辛い経験を多く語ったはずもないが。



    無駄に生きてきたなぁ~って我が身をなぜだか急に反省したいような気分です(泣)。

  • 豪華客船で繰り広げられる諜報合戦。アメリカ、ソ連、日本それぞれの思惑が絡み合い、ドンデン返しの連続。疑心暗鬼に苛まれ、敵味方の判別がどんどんできなくなっていく。読み応えたっぷりの一冊でした。
    戦争に翻弄され、終戦後も戦争の傷跡が深く残る彼らを思うと胸が詰まる。ラストの蓮の花が素敵でした。

  • 単行本で上下段の文章!
    読み応え抜群!!
    そして息もつけぬ豪華客船の中で繰り広げられる攻防戦にはらはらし通しだった。
    最後はもう誰が味方で誰が敵なのか・・・・
    人間不信に陥りそうでした。

  • 初読みの作家さんですが、コバルト文庫作家のイメージしかなかったので、まさかこんな硬派な戦後諜報ミステリを描かれるとは。良い意味で裏切られ、読んで得したワと思った。登場人物が多いうえ、敵と味方が目まぐるしく入れ替わるため、展開把握がなかなか大変だったが、読み応えがあって面白かった。さすがのベテラン作家さんで文章が読みやすく、二人の男の心情描写も上手くてグッとくる。この手の作品をこの作家さんで今後も読んでみたい。

  • 昭和28年。一隻の豪華客船が横浜を出航する。大臣の護衛として乗船した入江秀作は、周囲の様子に目を光らせていた。そう、入江の真の任務は機密情報流出の阻止と、それを持ち出した者の抹殺、だった。

    コバルトであんなことやこんなことを書いていた方とは思えない・・・・(れっきとしたファンです)
    内容については、複雑で専門用語が多くて女性はハッキリ言って出てこなくて難しい歴史の内容も出て来る・・・・けど!楽しいです、かっこいいです、壮大です。
    元々桑原さんのファンという方、昭和初期を知るお父様方にも楽しめる作品だと思います。

全9件中 1 - 9件を表示

カサンドラのその他の作品

カサンドラ (角川ebook) Kindle版 カサンドラ (角川ebook) 桑原水菜

桑原水菜の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする