危険ドラッグ 半グレの闇稼業 (角川新書)

著者 : 溝口敦
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年3月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023785

作品紹介

発売1カ月で使用者15人が死亡した「ハートショット」など、劇薬化する危険ドラッグ。なぜ蔓延したのか? 撲滅は可能か? 世界的な薬物事情や公的機関の対策、製造・販売者への直接取材から、その全容に迫る。

危険ドラッグ 半グレの闇稼業 (角川新書)の感想・レビュー・書評

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  • 危険ドラッグ台風(ハートショットによる酩酊事故)が吹き荒れた2014年以来厚労省は平成27年麻薬対策課関係予算を2億5千万から一気に11億円と5倍近い予算要求を出し、本格的に危険ドラッグ乱用防止を強化させている。デザイナードラッグを数多く生み出したことで知られるアレクサンダー・シュルギン博士(MDMAやエクスタシーなど数百種類のデザイナードラッグと称される向精神薬を合成し、それらの効能を自分でテストした幻覚剤の研究者である。)が88歳で昨年亡くなったようであるが。危険ドラッグは暴力団のシノギではなく、もっぱら半グレ集団が仕切るもの。半グレ系は多少トッポイ程度の資質と犯罪的な行為をためらわない気質であり、いわゆるヤンキー気質である。危険ドラッグ従来型のヘロインや覚せい剤のように入手ルートがほぼ暴力団関係者であって、効能なども明らかになっているものと違い、心身に及ぼす危険性など全く謎であり、薬事法に指定薬物とされるたび法の目をくぐり化学構造を変え、ネットによって売りさばかれ、また組織化されない半グレどもによってバラまかれている。その結果1400種類以上もの指定薬物となっており、取締運用さえ困難な状態。とはいえ、アメリカやヨーロッパでは40~50%の人に薬物経験ががると言われる。これに対して日本は4%であるということだ。しかし、日本には専門機関が行政には薬物に関する社会的システムの問題を考えたり、薬物問題をトータルに、どう社会問題や病理問題として常に取り扱っていくかという機関がない。民間薬物依存症者更生施設ダルクの本を読んだ際もこの点の脆弱さを指摘されていたが、依存症は病気であり犯罪者扱いして切り捨てるだけではどうかとは思うのだがそもそも手を出したら最後なんだ。結局、幼少期から薬物の恐ろしさを啓蒙活動することこそが大切であると思う。【閲覧注意】画像を学校で流してもいいんじゃないかと思うほどだ。危険ドラッグを売る側は正確な安全性を確認することもなく、低レベルの危険度である、と喧伝するが、安全性を評価できない業者の詭弁に騙されないリテラシーに重点を置くことで被害拡大を防止するべきである。

  • 供給サイドの論理を基に危険ドラッグの全貌を明らかにしようというもの。危険ドラッグは単価が低く暴力団はほとんど参入していない。経営する者はたいてい全身が裏DVD屋、アダルトショップ、大人の玩具屋など、人種としては半グレかカタギ。儲かると思えば飛びつき、問題が起こればすぐに転業していくような場当たり的輩である。製造物責任への自覚はなく罪悪感も乏しい。恐れるのは前の製品より効かないことであって決して安全性ではない。加えてたいていの販売業者は責任を回避するため、その薬物が体内に摂取する物であるとは決して言わない。したがって一日当たり、一回当たりの用法や用量、摂取回数なども記されてはいない。警察や麻取の捜索を恐れるため、可能な限り手がかりを与えないという制約の中で危険ドラッグは店頭に並べられているのである。皮肉なことに覚せい剤や大麻といった違法薬物は長期間乱用されてきた歴史から危険情報がある程度知られているが、いたちごっこの中で新製品を生み出し続ける危険ドラッグは症例もなく何が起こるかわからない。普通の薬であればとてつもない研究費と年月を費やし作られるのに、危険ドラッグはいい加減な薬学知識をもって中国の製薬メーカーに発注されるだけ。げに恐ろしきことかな。

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