ブラックミステリーズ 12の黒い謎をめぐる219の質問 (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023822

作品紹介・あらすじ

今宵は推理をしていただきます。ある館に呼ばれたのは「運転手」「投資家」「詩人」「船長」。一人一人が謎を提示し、会話の中から真相を当てるワンナイトゲームが始まった。語られるのは創作か真実か!?

感想・レビュー・書評

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  • 水平思考クイズに興味があるので、読んでみました。
    1つのお話ごとに推理パートと小説パートに分かれていて解説としてはわかりやすいのかなと思いました。
    水平思考クイズだから仕方ないのですが、それはあり得ないでしょと思ってしまった部分があったので☆4です。

  •  このゲーム自体は、テレビか何かで見たことあって、やりたいなーて思ってる。
     各話のオチは分かんないのもあったけど、最終的な話のオチは想像したとおりだった。
     てか、もっとブラックだと思った。

  • 水平思考パズルで有名な「ウミガメのスープ」のミステリー版。

    ある古い洋館に集められた5人の男女。
    一癖も二癖もある彼らが出す問題は、全12問。

    不可思議な問題を出題者が提示し、回答者が出来るのは、イエス、ノーで答えられる質問のみ。
    果たして、真実に辿り着く事は、出来るのか。

    カードも小道具も、何も使わない、言葉だけのシンプルなルール。それ故に、深い謎と真実に辿り着くプロセスが興味深く、楽しめます。

    「熱烈なキスを交わした結果、2人は二度と会えなくなった」
    「赤、赤、赤。どこまでも続く赤に絶望し、男は自殺した」
    「計画は予定通り完了した。最後に被害者の顔を見て、誘拐犯は絶望した。」
    などなど

    水平思考パズルを知らなくても、楽しめます。


  • +++
    今宵は推理をしていただきます。ある館に呼ばれたのは「運転手」「投資家」「詩人」「船長」。一人一人が謎を提示し、会話の中から真相を当てるワンナイトゲームが始まった。語られるのは創作か真実か!?

    “熱烈なキスを交わした結果、ふたりは二度と出会えなくなった”“のろまを見捨てたために、彼女の出費は倍増した”など、12の謎めいたユニークなシチュエーションの真相を、イエス、ノーで答えられる質問だけで探り当てろ!ミステリ心をくすぐる仕掛けとユーモアが満載!!全世界でブームを巻き起こす推理カードゲーム「ブラックストーリーズ」初の小説化。
    +++

    カードゲームのブラックストーリーズを知らないが、それでも充分に愉しめる。ある館に集められた見知らぬ人々が、順番に問題を出し、イエスかノーかで答えられる質疑応答をしながら、真相に近づいていくという趣向である。ルールは簡単なのだが、質問者の閃きや推理力がかなり必要とされ、一緒に考えることで参加している気分を愉しめる。そして明らかにされる真相がどれも予想外のもので驚かされる。これは実際にあったことなのかそれとも参加者の創作なのか。各人の背景を想像するだけでもぞくぞくしてくる。どこかに気づかない仕掛けがあっても驚かない一冊でもある。

  • 面白い遊びだなと。
    でも問題にできるシチュエーションを探すのは大変そうだ。
    シスターと大旦那様とは何者なのだろうか??

  • 実在するブラックストーリーズというドイツ製のゲームを元に、4人(5人?)が出題者の出すお題の真相を探る。元のゲームは面白いのかもしれないが、問題自体が複数の解釈ができるものなので、なんとなく納得いかないところもあった。実際にやると人柄がでそう。

  • 〇 概要
     「熱烈なキスを交わした結果,二人は二度と出会えなくなった」,「のろまを見捨てたため,彼女の出費は倍増した」など12の謎めいたシチュエーションの真相を,イエスとノーでこたえられる質問だけで真相を当てる…というゲームを行う4人の男女。推理カードゲーム「ブラックストーリーズ」を小説化した作品

    〇 総合評価 ★★★☆☆
     非常に短いブラックなストーリーが12本書かれた作品。どこかで聞いたことがあるような話もあって,とても読みやすい。ただ,内容は非常に薄く,読んでいるときはそこそこ楽しいけど,後には何も残らない…ポテトチップスのような作品。★3で。


    〇 サプライズ ★★★☆☆
     作品全体に,「初対面」という問題の出題として,「運転手」が,実際に起こした誘拐事件の告白をしたという仕掛けが用意されている。ほかにも,「投資家」は,「ロンドン塔の少女」で,「詩人」は,「子ども殺し」で,それぞれ自らの体験を告白し,「船長」は「消えた拳銃」で,自分の部下の話を告白している。それほど大きなサプライズではなく,味付け程度。★3で。

    〇 熱中度 ★★★☆☆
     非常に短く,そして興味深くブラックな話が読めるので,読みやすい。読むのが止まらないという作品ではないが,最後までさらっと読める,読みやすさがある。電車の中で1つずつ読んでもよいかも。★3で。

    〇 インパクト ★★☆☆☆
     個々の作品は,そこそこブラックなんだけど,「消えた拳銃」など古典といってもいいようなトリック。ほかの作品も,読んでいるときは,そこそこ楽しめたけど,後に残らない。インパクトは薄いなぁ…。★2。  

    〇 読後感 ★★★★☆
     「運転手」が誘拐犯であり,その罪を告白するという展開は,やや読後感が悪い。個々の作品も,全部ブラックな作品なので,トータルで見て,読後感は悪い。こういう作風は結構好き。★4で。

    〇 キャラクター ★☆☆☆☆
     「運転手」,「詩人」,「船長」,「投資家」はいずれもキャラクターとして弱い。「シスター」も,超常的な存在っぽく描かれているが薄い。総じて,キャラクターの魅力はない。ゲーム的な作品なので,人間が書けてないのは仕方ないところか。

    〇 希少価値 ★★★☆☆
     ゲーム的な内容の作品であり,ブラックミステリーズというゲームの紹介的な内容なので,再販などもなさそう。いずれは手に入らなくなる作品だと思う。★3で。

    〇 トリックなどのノート
    〇 プロローグ(出題者:シスター)
     拳を握りしめたまま,男は道ばたで溺死した。
    → 漢は排水溝に落とし物をした。体は路上にあるまま,頭だけ排水溝に突っ込んだ。排水溝に詰まり,手を伸ばして落とし物をつかんだが,抜け出せなかった。やがて,雨で排水溝の水嵩が増して,溺死した。
    〇 一生分の一分間(出題者:運転手)
     熱烈なキスを交わした結果,二人は二度と出会えなくなった。
    →恋人と交わしたキスによって,彼は一本遅い電車に乗ることになった。その電車が事故を起こしたせいで,彼は命を落とした。
    〇 のろま(出題者:詩人)
     のろまを見捨てたため,彼女の出費は倍増した。
    →彼女はバスで試験会場を目指していた。だが,渋滞に巻き込まれ,仕方なく降車し,徒歩で目的地に向かい始めた。やがて渋滞は緩和され,先ほどのバスが隣を通りかかった。彼女はしぶしぶ二度目の運賃を支払い,同じ車両に乗り込んだ。
    〇 消えた拳銃(出題者:船長)
     ある男が頭を打ち抜かれて放牧地で死んでいた。拳銃は離れた小屋で見つかった。
    →男は拳銃に長いテープをくくり付け,その端を離れた山羊小屋に垂らした。男が自殺をした後,山羊が紙テープを食べ,拳銃を引き寄せた。やがて紙はなくなり,拳銃は小屋に転がった。
    〇 満杯の絶望(出題者:運転手)
     倉庫にたくさんの食料が残されていたため,島は地獄になった。
    →船は無人島に旅行客を運んだが,積荷を下ろさずに出航した。食料もないまま無人島に残された客たちは,地獄のような時間を過ごした。
    〇 渾身のジャンプ(出題者:投資家)
     タイミングを厳密に図り,彼は渾身の垂直飛びを行った。60センチをジャンプして,直後に死んだ。
    →男はケーブルが切れて落下するエレベーターに乗っていた。彼は,着地の瞬間にジャンプすれば助かるという都市伝説に賭けてみた。だが,むろんそんなことはあり得なかった。男はちょうど60センチ飛び上がり,直後に死んだ。
    〇 いつまでも赤(出題者:運転手)
     赤,赤,赤。どこまでも続く赤に絶望して,男は死亡した。
    →ルーレットで,男は黒に賭け続けた。だが何度繰り返しても,どこまでも赤が続いた。全ての金を使いきった彼は,絶望して,死んだ。
    〇 やましい三人(出題者:詩人)
     心にやましさを抱えた三人が,並んだ箱に入っている。
    →下着泥棒が女子更衣室をあさっていたところ,外から足音が聞こえてきた。あわててロッカーに隠れた直後,入ってきた男女が過剰な愛情表現を始めた。さらに外から足音が聞こえ,男女もロッカーに飛び込んだ。女子更衣室に入ってきた別の女性は,人の気配に首をかしげた。その背後では,やましい男女が息をひそめている。
    〇 ロンドン塔の少女(出題者:投資家)
     少女はロンドン塔の前で,「はい」と答えた。男はテムズ川に身を投げることにした。
    →男は莫大な借金を背負っていた。貸主は,返却期限の延長を賭けで決めようと持ち掛けた。観光客の東洋人女性の国籍を質問し,どう答えるかを賭けた。彼女は日本人であり,男は賭けに負け,破産した。
    〇 子ども殺し(出題者:詩人)
     男は自由と引き換えに,自分の子供を殺した。
    →男は逃亡中の凶悪犯だった。顔を整形し,なにも知らない女と結婚し,子供を作り,幸せに暮らしていた。だが子供は整形前の男とそっくりに育った。このままでは警察にしっぽをつかまれると考え,男は自分の子供を処分した。
    〇 列車の指跡(出題者:シスター)
     たびたび人身事故を起こすその列車は,整備工場に戻るたび,一直線に並んだ指の跡が見つかる。
    →列車が事故を起こした。切断された指が隙間に入り込み,見逃された。その指は列車用の洗車機ブラシにかきだされ,そのままはまりこんだ。列車が洗車機で洗われるたびに,回転するブラシについていた指が跡を付けていた。
    〇 死はすばらしい(出題者:船長)
     少女は死んだ。そしてとても喜んだ。
    →少女は過保護な両親に地下室に閉じ込められて育った。「外に出ると死ぬ」と言い聞かされ,それを信じて疑わなかった。彼女は地下室を抜け出て,初めて外の世界を見た。彼女は死んだのだと思い,死後の世界はなんと自由なのだろうと喜んだ。
    〇 初対面(出題者:運転手)
     計画は予定どおりに完了した。最後に被害者の顔をみて,誘拐犯は絶望した。
    →女は殺してしまった子供の死体を処理するために,嘘の狂言誘拐を計画した。仲間に引き込んだ実行犯に金を渡すふりをして,子供の死体を押しつけた。それは予定通りに進行し,実行犯の手元には,死体だけが残った。

  • 「ウミガメのスープ」、それをカードゲーム化した「ブラックストーリーズ」、の小説化です。
    アナログゲーム好きなので以前から興味がありましたが、期待と不安を軽く飛び越えていて楽しく読めました。
    水平思考遊びの入門書的にも読めそう。

    内容的にブラックでないもの、突飛すぎない問題集(?)があるなら、家族での長距離ドライブとかでも遊べそうですね。

  • 推理カードゲームの小説化らしいけど、それを知らなくても小説として面白かった。ブラックな謎解きゲームそれぞれも面白かったし、参加者の過去が謎につながるのもよかった。

  • ちょうどDSの「スローンとマクヘールの謎の物語」というゲームを終えたばかりに読んだので、同じゲームを題材にしているところにものすごく驚きました。自分的にタイミング良すぎて怖いくらい…。ゲームの方は自分で謎を解いていきますが、小説には登場人物がいて、それぞれみんなで質問をしあって謎を解いていきます。嘘のないゲームで、それぞれの過去が明らかになっていく…。かなり読みやすいので、短時間であっさり読みたい人にはオススメです。

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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