罪の余白 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 1917
感想 : 155
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023877

作品紹介・あらすじ

高校のベランダから転落した加奈の死を、父親の安藤は受け止められずにいた。娘はなぜ死んだのか。自分を責める日々を送る安藤の前に現れた、加奈のクラスメートの協力で、娘の悩みを知った安藤は。

感想・レビュー・書評

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  • 娘自殺→悩む父親、そして傍らに謎の不感症女。
    女子高生の歪な友情、復讐を誓う父。
    阻止、排除したい犯人。
    ーーーーーーーーーーーーーメモ。

    起承転結が整っていてとても読み易い。美しくも残酷なお魚、ベタが登場するのは個人的にテンション上がる展開だが、内容としては短編でも良さそうなスケールだった。と言うのもレビューを書くにあたって物語を振り返る時間がとても短かったのだ。

    登場人物の心情、残酷さ、嬉しい 悲しい 辛い 憎い 愛おしい。そんな心の内と目に浮かぶ美しい背景描写を楽しむ一冊。
    ハードな内容に疲れた時、内容は軽くしかし人物の心情に浸りたい時にまた手に取るだろう。

  • 一番ツライのは、自分より先に子供が逝く事…
    更に自殺となれば、自身への後悔も相当なものになるな。
    その当たりの死の真相を親が突き止めるんやけど、もう子供が戻って来ないのも確か…
    自己中の同級生には、呆れるけど、隠そうとするまでは、分かる。更に、それを実力行使までして隠そうとするのには…
    でも、この娘は、ずっと自身の本音を隠して生きて来たからタチが悪いのか…
    美人もええけど、性格も美人であって欲しい。増長する気持ちも分からなくはないけど。あかん!あかん!周りがこんな風に思うから、本人が、増長するんやな!
    反省(−_−;)
    反省すれば良かったのに…嘘に嘘を重ねて…ほんまに( *`ω´)

  • 同級生のいじめで1人娘を亡くした父親の復讐劇。

    各登場人物〈父親・同僚・娘・同級生2人〉ごとの視点で描かれる心理描写と展開法は秀逸。

    同じく娘を持つ父親としては、このストーリーと結末には感慨深いものがあった。

  • 子どもを亡くした親は…やっぱりこうなると思う。

    咲が高校生だからではなく、自分は悪くないと思い込める人間は存在する。
    何を言っても通じない…そんな奴を前にした苛立ち。
    とある上級国民が頭に浮かぶ。腹立たしい。

    早苗さんがこの小説の中の救いだった。

  • 上手いなぁ!が率直な感想。
    とても良かった。

    アスペルガーの早苗さんの個性が凄く良い。
    昨日まで読んでいた、よるのふくらみはヤゴだったが、今度はベタ。


    安藤の娘、加奈が学校で転落死した。
    妻を子宮ガンで亡くし、娘と二人暮らしだった安藤は、生きる気力を失う。
    そんな彼の元へ、彼の母から依頼され彼の同僚で、アスペルガーでもある早苗は定期的に訪れる。

    クラスメートからの手紙を預かった安藤は、娘の死の真相を知りたいと思う。

    ある日、安藤の家に弔問に訪れた少女。

    そこから一気に物語はクライマックスへ。。。
    一気に物語の世界へ読者を引きずり込み、凄いスピードでエピローグへ導く。


    女なら何となくわかる世界。
    教室の中の暗黙のヒエラルキー。

    読んでいる間中ゾクゾクした。

  • 題名通りの物語だったなと感じた。
    ノートに取った授業の内容と、暇つぶしで書いた落書きがなんの関連性もないように、この物語でも内容が進んでいく。内容的には関連がないわけではなかったが、、、
    本人が書いたものとは別の意思で勝手に余白に書き込まれるように進んでいく物語が面白かった。

    余白でかスギィ!

  • 本書は著者のデビュー作である。
    第3回野生時代フロンティア文学賞を受賞し、本作でデビューした。
    最近のお気に入りの作家の第一歩はなんだか初々しい。
    選者たちの評でも記されている通り、ベタ(綺麗な熱帯魚で闘魚とも言われる)の描写が活かしきれていない。
    何を象徴しているのか伝わりきっていない。
    いじめの加害者たち?父親の心?
    うーん、それにしてはどれもしっくりこない。
    アスペルガー症候群と思われる女性研究者、早苗も良い人物像ではあるのだが、女子高生二人、父親との対照である、ということはわかってももう少し作り込めていた方がよかったなと感じた。
    私が感じたのと同じような感想を選者も抱いていたということはそこは読み手が引っかかるポイントだと思う。
    (なお私が読んだのは単行本の方)
    しかしこのやや拙い感じが、著者のスタートかと思うと、なんだか嬉しい。
    どんな書き手も最初は下手な部分がある。
    そう思うと、勇気が出てくる。
    ・・・著者にとっては不本意だろうが。

    さて、このやけつく痛みはどうしたものか。
    いじめなんてそこらじゅうにある。
    無視、ものがなくなること、悪口、笑い。
    でもその一つ一つを犯罪と言えないのなら。ならば私が。
    そう考える父親の苦しみは息苦しい。

    葛藤をテーマにした物語。
    そこにある合理的ではない行動は、誰もがわかるが、誰にもわからない。

  • 私のイヤミスの女王、芦沢央さん。この本は何といっても、娘の友人のえぐい性格描写と、復讐に燃える安藤、同僚の早苗の心の変化を捉えた秀逸な作品であった。大学講師の安藤、妻は8年前に他界。娘・加奈の育児を懸命にこなし高校生まで育てるが、加奈は友人達より嫌がらせを受け、罰ゲームによって間違って転落死する。加奈の日記を見つけ、安藤は復讐を計画する。そこに、私の興味をそそるエキセントリックで美人の同僚准教授の早苗が場の空気を読まず随所に登場し安藤を陰ながら助ける。早苗の登場により一気に私のツボにはまりました。

  • 近い年代の子どもがいるオッサンとしては読み進めるのがツラかった...。心理系やアスペルガー症候群も絡めた、これでもか! という設定はちょっと盛り込み過ぎかと思いつつも、これはこれでアリだろう。受け止めるパワーがある時に読みたい一冊。

  • 思春期の女子と女子同士の世界は男子のそれとはかなり異なるらしいとは知らされていたが、実際かなり難しいものであろう事が本作で感じられます。

    主人公のひとり、美形の咲は前半では芸能界を目指して少し計算高い少女ではあるものの、自分というものを持ち周囲に惑わされない真の通った真っ直ぐな少女という感じを受けていた。

    ところがその真っ直ぐさのまだ先を行く、自分の為ならば手段を選ばない強烈な性格をも持っている少女だったんだ。

    愛する者を失った者の無念と悲しみ、自分の夢を追いきれない無念、自分の周りの人々の思いを汲み取れない苦しさ。
    人間の感じる負の要素が集まってしまった。

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著者プロフィール

芦沢央(あしざわ・よう)
1984年東京都生まれ。2012年『罪の余白』で野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。主な著書に『許されようとは思いません』『火のないところに煙は』『僕の神さま』など。最新刊は『汚れた手をそこで拭かない』が第164回直木三十五賞候補作となる。

「2021年 『非日常の謎 ミステリアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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