鬼談 (幽BOOKS)

著者 : 京極夏彦
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年4月4日発売)
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  • 50レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041024744

作品紹介

鬼とは見えぬもの。鬼とは隠れたるもの。魅入られる人の裡に、鬼はいる。愛とは情欲である。執着に溺れ、永遠に煩悩の虜になる。それを――鬼と云うのだ。九篇の鬼気迫る物語を収めた「 」談シリーズ第四弾。

鬼談 (幽BOOKS)の感想・レビュー・書評

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  • 鬼は一番、曖昧で見えないわかりにくい存在のような気がする。ここには赤鬼とか青鬼は出てこない。幼い頃は鬼=赤鬼、青鬼で昔話の中だけにあるものと思っていた。

    だけど鬼は形はないかもしれないが、人の心の隙間や、ちょっとした間を狙ってスッと入り込み、じわじわと大きくなっていくもののような気がする。

    「」談、シリーズの中で一番好きな話が多かった。「鬼縁」は数回読んでしまった。構成が絶妙でトリップし、二つの時代を行き来して俯瞰で見ているような劇のような展開に鳥肌が立った。
    「鬼情」「鬼慕」は雨月物語をモチーフにしており、「雨月物語」あらためて読みたくなった。すごく面白かった…というか、古典の力と京極さんの力が交じり合って、グッと世界に引き込まれてしまった。
    「鬼棲」も好きだ。伯母が語る「予感は記憶」「全ての恐怖は予感なのよ」という内容にうなづいてしまう。色も味も香りも記憶も全部、組み合わせがあって…という話が興味深かった。
    「鬼神」は村八分もの。因業、業、因果。一番わかりやすく共感した。
    「鬼交」は間接的なんだけどエロティックでドキドキした。

    とても面白かった。

  • 『冥談』及び『幽談』と同様やはり難解でした。
    ただ「鬼」という主題は身近なだけに気持ちのおさまりは良かったと思います。とりわけ『雨月物語』からの「吉備津の釜」と「青頭巾」こういった解釈もあるのだなと得心しながら読み進めていました。

    「鬼」の語源は「隠」おらぬもの・隠れて見えないもの、という説もあるそうで、本作もこれに基づいた作品だろうかと楽しめました。
    お気に入りは「鬼想」「鬼棲」「鬼気」「鬼神」

  • 「鬼交」えろい。
    「鬼想」八百人の子供の首を斬り落とさなければならぬ程。よかったよかった。
    「鬼縁」弟が生まれた女の子と片腕のない桐生家嫡男の話。面白かった。
    「鬼情」鬼と禅問答。ちょっと鉄鼠を思い出す。
    「鬼慕」雨月物語 吉備津の釜。面白かった。
    「鬼景」こわいですやめてください
    「鬼棲」伯母さんと紅茶を。ないものは怖い。
    「鬼気」健呆症の母への疎ましさと顔を半分隠した女。
    「鬼神」流行り病の村の因業。
    鬼縁、鬼情、鬼慕、鬼棲辺りが好き。

  • 暑くなり始めた頃に読むと、ちょうど良いゾクゾク感(^^;)鬼に引き込まれてアッという間に読み終えた!どの話もジワジワと恐怖がやってくる(゜゜;)これ京極夏彦さんの朗読で聞くともっと怖いんだろうな(>_<)「雨月物語」とか鬼が出てくる古典もの好きで読んでたのに、忘れているから久しぶりに読んでみっか!と思った(^^)

  •  京極の「」談シリーズ第四弾となる[鬼談」。
     鬼交/鬼想 八百人の子供の首を切り落とさなければならぬ程。/鬼縁/鬼情/鬼慕/鬼景/鬼棲/鬼気/鬼神
    の9つの短編集。
     愛、絆、情、そのどれもが過ぎたると執着と化し、人は鬼となる。
     人は人を慈しみ、同苦し、嫉妬し、畏れをいだく。その思いが強ければ強いほどにやがて人は鬼になってしまう。
     そう、鬼とは突然に自分の目の前に現われるものではない。気付いたときに己が姿に、己が命に鬼をみるものであろう。

  • 日常の中で気づかぬうちに貴方の心に忍び込む鬼の影。それは貴方の心を絡め取り、時に貴方の心に黒いシミをたらし、或いは恐怖を植え付ける。でもね、その鬼を生み出したのは他でもない貴方なのだよ。
    逃れられない思いに捕らわれている人こそ読むがいい。人は誰もが心の闇の中に鬼を棲まわせているのだから...

  •  近年はやや寡作気味か。京極夏彦さんの新刊は、「○談」シリーズの第4弾に当たる。正直評価に困るこのシリーズ、前作『眩談』は、比較的わかりやすかったが…。

     テーマは鬼。多くの日本人にとって、鬼といえば赤い顔で角を生やしたステレオタイプなイメージが思い浮かぶが、本来鬼とは見えぬものだという。本作に描かれているのは、概念としての鬼。という理解で正しいんでしょうか、京極先生。

     『エロティシズム12幻想』というアンソロジーに収録されていた「鬼交」。ええと、京極流の官能小説でしょうか。京極作品として最短であろう「鬼想」。たった2pで、八百人の子供の首を斬り落とさればならない理由がわかるはすがない。

     解釈に悩む2編が続き、先が思いやられたが、続く「鬼縁」は実にわかりやすい。僕が思うに、物語としての完成度は、本作中最も高い。しかし、江戸時代と現代、2つの時代が交錯した結末は、あまりに救いがない…。

     「鬼情」「鬼慕」の2編は、上田秋成による江戸後期の読本『雨月物語』がモチーフだという。何やら禅問答のようなやりとりが続く「鬼情」。何やら男女のやりとりが続く「鬼慕」。うーむ、鬼の本質に迫った作品なのか? 原著を読んでみたい気はする。

     「鬼景」。おいおい、超高齢化社会の現代でも、こんな事例は聞いたことがないぞ。怖いというより、哀れか。「鬼棲」。一見普通の伯母と甥の会話だが、サイコホラーっぽいと言えなくもない。でも、この2編、鬼に関係あるようなないような…。

     「鬼気」。謎の女に後をつけられる男性。それだけでも気味悪いが、彼の家庭事情が追い打ちをかけ…。オチは読めたが、社会派作品か。最後の「鬼神」は、唯一救いを感じる。疫病で滅んだ村を出て、少年が分け入った先には…。

     京極作品といえば、あのシリーズやあのシリーズははどうなっているんだと言いたくなるが、本作もシリーズ前作から6年も経過していた。待った甲斐があったかどうかはわからない。このシリーズは不条理さが売りだが、一部を除き難易度が高かったというのが正直なところである。容易に正体を掴ませないからこそ「鬼」なのだろうか。

  • 「眩談」「冥談」「幽談」より、怪奇的。

  • 京極夏彦は凄い…と思うシリーズ

  • 図書館で借りた本。9話の短編集で鬼とタイトルはついてるが人間の深層心理的な話が中心。鬼慕と鬼縁が良かった好みの話かな。

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