- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041024744
作品紹介・あらすじ
藩の剣術指南役を仰せつかる桐生家に生まれた桐生作之進には右腕がない。それは、作之進が幼いころに父親が斬り落としたものだった。元服の夜、作之進に父親自らがそう告白した。一方、現在に一人の男の子が生まれた。姉は初めての弟をかわいがり、不器用だけど真面目な父と、優しい母が暮らす、絵に描いたように幸福な家庭であったが、ある日、一歳になった弟の右腕を握りしめ、表情のない目で見降ろす父を見た。過去と現在、二つの物語が奇妙に交錯する。(「鬼縁」)――怪談専門誌『幽』の連載ほか、書き下ろしを含めた九篇を収録。
感想・レビュー・書評
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鬼で括った短編集。
あんまりおもしろくはなかったな~。
この人は長編、もしくは連作の中編のほうが向いてると思う。
雨月物語を元にした二編が良かった。 -
鬼に関する短編集。怪談というのも違う気がするけれど、読んでいて何となく怖くなる話。
いわゆる昔話で見る鬼そのものではなく、人の感情や行いを鬼としている感じかな? -
こういう感性が好き。 ただただ才能に感服!
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鬼はヒトの裡に棲む。よって現れぬが、そこにある。見なくてよい、見る必要がない。常にともにいる。見んとするほどに、ヒトは鬼と化していく。
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「」談シリーズ。
鬼縁はオチは予想できたが、唸らされる。
鬼景も、自分の記憶の齟齬を怖く思う。
何度も読み返すことになるのだろう。 -
愛、絆、情―すなわち執着は、人を鬼と成す。人は人を慈しみ、嫉妬し、畏れをいだく。その思いが強ければ強いほどに。“生と死”“人と鬼”の狭間を描く、京極小説の神髄。「」談シリーズ第四弾となる、鬼気迫る短篇集。(アマゾン紹介文)
最後が明示されているお話と、そうでないお話。
どちらが好きかと考えると私は前者で、だから、この一冊はもやもやが随分と残ります。
どうしても、「なぜ」をつかみたくなる。
「鬼想」「鬼縁」「鬼気」がよい。
「鬼気」は、とてもとても厭で、よい。 -
鬼に関する怪談話。もっとも怖いように計算されたような文章。各文章が不気味な雰囲気が蔓延している。一番おそろしいのは「鬼縁」かな。2つの時代がシンクロして、最後に向かっていく。最後にどうなるかぼんやりとわかっても、その最後の部分がおそろしい。
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ライトな短編集なんだけど、じわっとヌメっと感覚的に恐怖に近い「快感ではないもの」を感じさせてくれる1冊。
不快じゃないの。
でも、快感じゃないし、フラットな気分でもない。
まさに「この世とあの世の境」にある何らかの気分にさせてくれるような本でした。
我が家の女性陣は、今ちょうどそんな状況にあるからか、痴呆が始まった親を、好きなんだけど、いなくなってくれないかな…って思う青年のお話が心に残ったそうです。 -
『冥談』及び『幽談』と同様やはり難解でした。
ただ「鬼」という主題は身近なだけに気持ちのおさまりは良かったと思います。とりわけ『雨月物語』からの「吉備津の釜」と「青頭巾」こういった解釈もあるのだなと得心しながら読み進めていました。
「鬼」の語源は「隠」おらぬもの・隠れて見えないもの、という説もあるそうで、本作もこれに基づいた作品だろうかと楽しめました。
お気に入りは「鬼想」「鬼棲」「鬼気」「鬼神」 -
「鬼交」えろい。
「鬼想」八百人の子供の首を斬り落とさなければならぬ程。よかったよかった。
「鬼縁」弟が生まれた女の子と片腕のない桐生家嫡男の話。面白かった。
「鬼情」鬼と禅問答。ちょっと鉄鼠を思い出す。
「鬼慕」雨月物語 吉備津の釜。面白かった。
「鬼景」こわいですやめてください
「鬼棲」伯母さんと紅茶を。ないものは怖い。
「鬼気」健呆症の母への疎ましさと顔を半分隠した女。
「鬼神」流行り病の村の因業。
鬼縁、鬼情、鬼慕、鬼棲辺りが好き。
著者プロフィール
京極夏彦の作品






珍しい〜w
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そーいうこともありますね!
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