- 本 ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041024751
作品紹介・あらすじ
父親の背におぶさる子供、ドアの隙間に現れる人影、壁に付着する手形、あもくんの名を呼ぶ怪しい声、父親の前に現れる奇妙な女――。平穏な日々を送るあもくん一家ににじり寄る、不穏なモノたち。異界への入口は日常のいたるところに潜んでいる。心休まる我が家のリビングで、気ままな散歩道の木陰で、あもくん一家を待ち構える。怪談専門誌『幽』で10年間にわたって連載された奇妙な連作。著者が自身の子供のために創作した「ベッドサイド・ストーリー」、書き下ろし掌篇小説「ゆびさき怪談」を収録。
感想・レビュー・書評
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書店で売っている時からちょっと気になっていた本。
一箱古本市で¥100で購入。(初版、帯付)
表紙とタイトルから あもくんなる少年が主人公と思いきや…………
守こと通称あもくんのお父さんが怪異に遭遇する短編連作。
って、じゃあなんで あもくんが表紙でタイトルなんだ~‼
それだったら「あもくんのお父さん」にするべきじゃないのか~‼
これじゃあ表紙詐欺だ~‼
そんな事はさておき、モヤっとした不思議な余韻を残す作風(ラスト)はいかにも諸星大二郎。
「ことろの森」「あもくん」(「じゃあ、この子は誰なんだ?」的なラストがダブってはいるけど)、「雲の彼女」三部作(勝手に命名)「雲の横顔」「茜空の女」「彼女」、もしかして高橋葉介が原作を担当したのでは?と思わせる程 高橋葉介作品の雰囲気が強い「見下ろす女」、怪しいものにつきまとわれたお父さんを助けたものの、あもくんもつきまとわれそうになる「また、あもくん」「エンガチョ切った!」の前後編、変な空気に包まれた家と家族を助ける為にお父さんが活躍する(という程のものでもないし、そもそもの原因はお父さんなのだけど)「鳥居の先」等それなりに(あくまでもそれなりに)面白いストーリーもあるけれど、個人的にはラストのオチが吾妻ひでお的な「啓蟄」が好きだったりする。
それにしても毎回の怪異よりも不思議なのが裏主人公とも言えるあもくんの存在。
怪しいものが見えたりその対処法を知っているけど、けっして自分から近づいたりせず家でも外出先でもゲームをやるか本を読んでいるだけというこの手のキャラクター(大概は危ないと判っていても好奇心から首を突っ込み怖い目に合うのが定番)にしてはかなり珍しいタイプ。
もしかしたら怪しいものから身を守る為か、あもくん自身が何かの理由で怪しいものを引き寄せてしまうので周りに迷惑をかけないようにじっとしているかも知れないけど。
でも、その為に怪異に遭遇してしまう羽目になってたとしたらお父さんは泣くに泣けないだろうなあ。
連載はもう終了してしまったようなのでその辺のところはストーリー同様モヤっとしたままなのは残念。
何処かで続きが描かれる事を願うばかり。
評価の星4は実際は星3.5なのだけど星半分って付け方が出来ないので。 -
怪談専門誌に掲載されたマンガ+書下ろし掌編小説集。
長期連載だったためか、絵の移り変わりが凄い。
妻子と共に暮らす、
脱サラして作家になった男の周囲で起こる奇怪な事象の数々。
タイトルは息子である「守(まもる)くん」の
舌足らずなニックネーム。
ボリュームの割に値段が高いし、内容も大して怖くないので、
肩透かしを食った気分になる人も多いかもしれない。
そういう意味で諸星入門者向けではないが、
面白くないのかと訊かれたら、決してそんなことはない。
ファンとしての度量が試される一冊……か(笑)。 -
諸星大二郎の最新作。期待したが最近の筆使いが少し荒れてきている印象。感情移入を阻んでいるような気がしないでもない。随所に諸星テイストがちりばめられているのだが。
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さすが諸星大二郎ってなストーリーではあるのだが、登場人物が同じで、「ある話でなんかすごい奇妙なことが起こった(そして悲劇的な結末を予想させた)けど、次の話では同じ登場人物が普通に暮らしてる」ということの連続で、そこが興ざめポイントになっちゃってる。
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暫く前に青年誌にあも君が掲載されていた。
その掲載漫画はあもくん(幼い従妹が守くんをこう呼ぶ)が主人公だったけれど、この本はあもくんのお父さんの周辺で起こる不可思議。
物凄く怖いというほどじゃないけれど、この雰囲気は好きだな。 -
なんか、そのぉ
取り立てて面白いと言ふわけでなはいのだが、いつの間にか見る。
ホラー小説作家志望のをっさんが、嫁の兄弟衆の関係で息子を連れて行くと、アレが出たり、嫁の親戚筋の、あまり行ったことのない 謎の間取りがある家で、何かが興ったり、といふ話が漫然と。
うーん。 -
相変わらずの諸星大二郎の世界観が好き。あもくんがメインで活躍すると思いきや、お父さんの語りで物語は進む。けど、あもくんもしっかりメインのお父さんを支えている。一話終わるごとに入る「ゆびさき怪談」と巻末に載っている「ベッドサイドストーリー」諸星大二郎が自分の子どもに聴かせていたという創作怪談。大人でも怖いぐらいだが、なんとなく優しさが感じられる子どものためのお話とのこと。でも怪談好きの私でも、子どもの頃に聴いたら夜中に思い出して眠れなくなりそう。続刊期待しています!
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怪談噺がたくさん。ツボを心得ているから、とてもおもしろい。ちょっとずつ読んで楽しむのが一番いいかも。
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精妙なだまし絵を見たような不思議な感覚。これといったオチも無い「なんだったんだろう」という話が特に好き。葬式で古い家に親戚が集まった時の空気感がすごくリアルだった。
著者プロフィール
諸星大二郎の作品






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