- 本 ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041024966
作品紹介・あらすじ
様々な葛藤と不安の中、様々な恋に身を委ねる女の子たちの、様々な恋愛の風景。小説と短歌で綴る、女の子たちの不安と安堵、七つの物語。
感想・レビュー・書評
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今回は他の作品に比べてとっても刺激的。
どの主人公ももどかしい気持ちを抱えていて、切ない…。
今回は読破するのに気力が入りました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近、刊行ラッシュですね加藤さん。「性」と「食べ物」がテーマの短編集は、なかなかに濃厚だけど痛烈な苦さも同時に感じる、余韻上手な加藤さんらしい作品。これまで彼女の作品を読んできて、たまに感じる中途半端さがちょっとじれったかったりもしたけど、このもやもや感がだんだんいい具合に昇華しているような。解説の藤田香織さんの言葉を借りれば、「『正解』を求めさせることもせず、ただ、今を肯定して見せる」ということ。なんてシビアな!その通り、主人公達は「体でつながる」ことに寄りかかりながらも、そんな関係性を実に冷めた目で見つめている。そこに絡めてきた食べ物の描写がまた官能的。
そして、それぞれの短編の最後に、短歌。この五・七・五・七・七が、ストーリーをぎゅっと締めている。小説+短歌の組み合わせは、加藤さんだからこそだよなとつくづく思う。
全体的に不毛というか、明るい関係を描いたものではない為読後感はよくはないかもしれないけど、何だか妙に好きだなぁ、この作品。湿っぽいのにべたつかないところが加藤さんの巧さ。虚しさ、寂しさ、嘘、諦めが複雑に入り混じった感情は、簡単には言葉では言い表せない。言葉にできるわけがない、と思う。程度の差はあれど、似たような割り切れない思いは誰もが身に覚えがあるのではないかと。このやるせなさはくせになるよ加藤さん!
長谷川洋子さんによる、スパンコールやレースを用いたカバーもとても素敵。 -
たまには恋愛小説でもと思ったがあまりの描写にびっくり。
7人の女の子の普通ではない恋愛が描かれているが、あまりの普通ではない感じにまたびっくり。不倫の話がまともに思えてくる。
加藤千恵の短編は好きだけど、こういう描写が過激なのはもういいかな。 -
セックス、セックス、セックス.
そんなにセックスなの?って思った. -
何も知らなかった相手と
笑顔で別れることができなくなる。
平凡な自分と決裂したいから、
自分じゃなくなりたいと願っている。
不在であればあるほど存在が際立つ。
出会った時には笑顔で別れられるほどの気軽さがあったのに、気づいたら笑って別れることが想像できなくなっている。 -
表紙が綺麗で手に取り、読み始めてすぐは表現の仕方に官能小説の様なものを感じ抵抗がありました。
けれど読み進めていくと、短編ながら濃縮された物語に心が暖められるというか、揺すられました。
『セックス』をテーマにした話と思ったけれど、読み進めるうちに『心』や『寂しさ』が真のテーマ泣きがしました。 -
記録用
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加藤さんの本は初めてで、表紙だけを見て何も考えずに購入した。読み始めて読み終わるまで一貫してセックス…あ、官能小説なのか。納得。
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中学時代ハッピーアイスクリームを読んでいた私は高校卒業くらいにこの本を読んだこれから東京に行くんだ、って気持ちとかこれから離れて暮らす家族のこととか自分を理解してくれてる男の人とか ハッピーアイスクリームよりも大人でだけどちゃんと加藤千恵でなんだか安心した記憶がある
著者プロフィール
加藤千恵の作品





