蜜の残り (角川文庫)

著者 : 加藤千恵
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年1月24日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041024966

蜜の残り (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 最近、刊行ラッシュですね加藤さん。「性」と「食べ物」がテーマの短編集は、なかなかに濃厚だけど痛烈な苦さも同時に感じる、余韻上手な加藤さんらしい作品。これまで彼女の作品を読んできて、たまに感じる中途半端さがちょっとじれったかったりもしたけど、このもやもや感がだんだんいい具合に昇華しているような。解説の藤田香織さんの言葉を借りれば、「『正解』を求めさせることもせず、ただ、今を肯定して見せる」ということ。なんてシビアな!その通り、主人公達は「体でつながる」ことに寄りかかりながらも、そんな関係性を実に冷めた目で見つめている。そこに絡めてきた食べ物の描写がまた官能的。
    そして、それぞれの短編の最後に、短歌。この五・七・五・七・七が、ストーリーをぎゅっと締めている。小説+短歌の組み合わせは、加藤さんだからこそだよなとつくづく思う。
    全体的に不毛というか、明るい関係を描いたものではない為読後感はよくはないかもしれないけど、何だか妙に好きだなぁ、この作品。湿っぽいのにべたつかないところが加藤さんの巧さ。虚しさ、寂しさ、嘘、諦めが複雑に入り混じった感情は、簡単には言葉では言い表せない。言葉にできるわけがない、と思う。程度の差はあれど、似たような割り切れない思いは誰もが身に覚えがあるのではないかと。このやるせなさはくせになるよ加藤さん!
    長谷川洋子さんによる、スパンコールやレースを用いたカバーもとても素敵。

  • セックス、セックス、セックス.
    そんなにセックスなの?って思った.

  • 何も知らなかった相手と
    笑顔で別れることができなくなる。
    平凡な自分と決裂したいから、
    自分じゃなくなりたいと願っている。
    不在であればあるほど存在が際立つ。
    出会った時には笑顔で別れられるほどの気軽さがあったのに、気づいたら笑って別れることが想像できなくなっている。

  • 薄い本だなぁ、と思っていたら見た目通りあっという間に読了。中身もそんな感じ。
    この前に読んだ「あとは泣くだけ」と何が違う。
    出てくる人物が、やりたい事をやりたい様にやっているだけだからだろう。

  • 湿度のある恋愛の話が集まった短編集。軽く読めるけど読んだ後はちょっとぼーっと考えていたくなる本。

  • ☆門限のない日に
    こんな風になんの違和感もなく、するんと恋に落ちる。
    きっと、そうあることじゃない。
    なのに、その相手にはもう奥さんがいて、さらにもうすぐこどもが生まれるなんてわかったら…
    ちょっとどころか大分落ち込むわあ。
    それにしても相手の男の人、平気で人を傷つけるタイプ。

  • 甘い恋愛ではなく、ほろ苦い恋愛が集められてる。加藤千恵さんの短編小説が好き。

  • しょっぱいキス…舌が入れば思考は停止する。
    靴下を履いて眠る…最も理解できないし経験もできないレズはお手上げ。
    門限のない日に…ちょっとした火遊びから底なしの不倫ワールドが始まる。
    特別にならない…誰にも帰属しない猫のような生き方だけど、これが本来の人間の生き方かもしれない。
    すべてオールぜんぶ…叔父とのタブーな関係なのに後ろめたさは皆無。
    誤解しつづけて…甘えているだけに見えるし誤解するほど理解していないように見える。
    夏は終わる…なかなか凄い性描写だった。雷に打たれたようなハードな快楽では女は飽き足らず進歩のない男に失望する。

  • 読みやすかった。何も考えたくない時とかにさらっと読める。
    内容もすぐ忘れちゃうんだけど。

  • 性(一筋縄ではいかない恋愛)とモチーフとしての食べ物(果物が多いと思ったけど、読み返したらそうでもなかった)を結びつけた7つの短篇集。
    最後の短歌が主人公の気持ちを表しているようで、余韻があった。

    どの話もさらりと読めるようで、ちくっとするような切なさや痛みを感じた。
    些細な不安の描き方とか、好きの感情とか。
    1番印象的だったのは「夏は終わる」。
    フェスという単語に懐かしさを覚えつつ読んでいたら、だんだん異常な話になっていって、終わり方が切なく感じた。

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