サンド (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041025055

作品紹介・あらすじ

砂丘に囲まれた街、導く者のいない社会は紛争や爆撃など頻発する暴力に晒されるコミュニティー。その街に、一家の主を失い、壊れかかったある家族がいた。母ローズは街の男たちを相手に売春宿を営み、長女ビクトリアは「サンドダイバー」として優れたスキルに恵まれながら盗賊のような男たちと関わり、家に寄りつかない生活をしていた。長男パーマーは父や姉と同じダイバーの道を選びながら怪しげな雇われ仕事に手を出し、まだ18のコナーは見習いダイバーにもなれず、11歳の末弟ロブは才能の片鱗を伺わせるものの、まだまだ頼りない子供だった。父の失踪でばらばらになった家族だが、父の娘を名乗る少女が現れ、街が消滅の危機に直面するなかで、互いの生存のために心を寄せ合い、やがて絆を取り戻していく。自分たちよりも大きなものに立ち向かう現実を受け入れるために……。砂漠化した米国コロラド州を想起させる未来の街を舞台に、砂に閉ざされた共同体の脆さとある家族の痛み、悲しみ、再生と希望を描いたSFファンタジー小説の秀作。

感想・レビュー・書評

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  • 設定世界が、また凄い。

    果てしなく続く砂漠は、まるで大海原。
    「砂漠」に潜って遺跡を発掘するダイバーの様子は、海洋冒険ドラマのようにスリル満点。
    また、「砂」であることから生じる“じわじわ”とした状態が「海」とは違った独特の緊張感を生み出す。

    砂で覆われたデストピア世界、そこはかつてコロラド州の町があった場所。
    生産力は失われ、生活に必要な物資を砂に埋もれた過去の文明から手繰り寄せる。

    いくら掻き出してもまた埋もれていく生活の閉塞感。
    未来が変わらないということ。

    富裕からの転落、父の突然の失踪、ばらばらになっていく主人公たちの家族が、謎の巨大遺跡「ダンパー」の発見とともに起こった出来事で、再び結束しだす。
    どうしようもない状態からの脱出・解放の物語

    訳者あとがきを見るとこの世界の物語はまだ続くようだが、ドラマ化に伴い進行を合わせるため、読める日が来るのはまだ先のようだ。
    映画『デューン 砂の惑星』のように、生きているような砂漠の映像が見られるかもしれない……それも楽しみ。

  • 砂に覆われて荒廃した世界で生きる4人きょうだいのサバイバルを描いたSF。
    地上は何もかもが砂に飲み込まれ、渇きと飢えと争いだけが残る絶望的な世界。そして砂に埋もれた地下深くには知られざる秘密が。
    あれもこれも伏線が回収されておらず救いが無い感じなので、続編があるのかな。映像化にも期待したい。
    地中深く砂に潜る長女ヴィクと長男パーマーのタフさが魅力的。

  • 全然知名度がないみたいだけど、SFが好きなら読んで欲しい作家です。

    2013年にWOOL(ウール)と言う作者のデビュー作を読んでとんでもなく面白かった。
    ディストピア三部作と呼ばれ、ウール、シフト、ダストと続く。
    デビュー作でコレはやべー!と鳥肌が立った。

    そんな作者の久々の新作!
    買わないわけがない!
    てか、表紙のイラスト格好いい!
    緒賀岳志さんって誰?と思ったらGRAVITY DAZEのキャラデザした人じゃん!
    好きな絵柄な訳だ

  • 市立図書館にて。

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著者プロフィール

1975年生まれ。ヨットの船長を8年間勤めた後、結婚を機に陸に上がって小説執筆を開始。”Molly Fyde”シリーズで好評を博し、本作”Wool”シリーズではオムニバス版がアマゾンのSF小説部門でベストセラー1位を記録する快挙となった。フロリダ在住。

「2017年 『サンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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