男役

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.62
  • (19)
  • (39)
  • (40)
  • (10)
  • (0)
本棚登録 : 295
レビュー : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041025253

作品紹介・あらすじ

男役トップになって二日後に事故死して以来、宝塚の守護神として語り継がれてきたファントムさん。一方、新人公演で大抜擢されたひかるを待ち受ける試練とは――? 愛と運命の業を描く中山可穂版・オペラ座の怪人!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 自分がどっぷり宝塚にハマっていた故に、こういう宝塚を舞台にした小説は突っ込みどころが多くて満足できない。と思いつつ、やはり読みたくて借りてしまいました。
    不慮の事故で公演中に亡くなった伝説のトップスターの幽霊と、入団3年目で新人公演の主役に抜擢された生徒と、その二人を取り巻く人間模様。
    読み始めて思ったのが、「あ、ちょっと世代が上すぎるかな」。いや、表現方法がねぇ…スターに流し目をされたら身に覚えがない人でも妊娠してしまいそうになるとか。表現方法が古め(^_^;)宝塚を舞台にした小説に有りがちなパターン。内容はファンタジーというか、古き良き宝塚の物語に有りそうな感じで、特に激しく心も動かされず(良くも悪くも)。
    公演のモデルにしているのが「哀しみのコルドバ」かな?とか、細かい所で楽しめました。

  • 中山可穂さん、初めましての作家さん。
    すごく面白かったです!

    私にも遠い昔、宝塚に憧れていた少女時代がありました。
    世は空前のベルばらブーム、母がファンだったこともあり、
    身の程もわきまえず、音楽学校を受けたいなんて夢見たことも。

    好きだったスターさんが退団されてから久しく、
    「最近はこうなんだ~」と驚きながら読みました。

    宝塚が舞台の物語なので、好みは分かれるところかもしれませんが、
    素敵な夢物語でした。

    あの舞台を観ると、しばらくは放心状態になるほどの
    絢爛豪華な夢の世界。

    内容の不思議さも、
    これって友情?それとも恋なの?といった微妙な感じも、
    宝塚らしくて面白かったです。

    なまじ宝塚に詳しくないほうが
    ファンタジーとして楽しく読めるのではと思います。

  • あっという間に引き込まれて読み終わった。宝塚の世界、プロという意識、読んでいて心地よく、最高の作品だった。

  • 帯には、
    「宝塚の守護神 ファントムの悲しき愛と劫罰。」

    男役という稀有な芸への熱いオマージュを込めて書かれたとのこと。
    宝塚版ファントムです♪

    ネタバレあります、ご注意ください。

    トップになって二日目に舞台事故で亡くなった50年前の伝説の男役スター・扇乙矢。
    扇から ファンファンとの愛称で呼ばれた彼女は 宝塚のファントムとなって
    生徒たちを見守っています。

    異色のトップスター 如月すみれの退団公演が幕を開けようとしていました。
    絶大な人気を誇るすみれ(愛称 パッパさん)は
    「セビリアの赤い月」というスペイン物の演目をさよなら公演に選びました。

    それはまさに あの扇乙矢のとップお披露目公演の演目でした。

    新人公演主役に選ばれた男役・永遠ひかるは まだ研3。
    プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも
    パッパさんの温かいアドバイスや
    劇場に住み着く 扇乙矢の亡霊に助けられながら
    成長していく物語、そして 
    50年前の事故にまつわる切ない愛。

    もう、一気読みでした。

    ヅカファンには、ヅカあるあるが面白くて、
    勉強になりました。

    また、ひかるが初の新公主演で 緊張しながらも 
    ファントムさんの力を借りて 一人前の男役になっていく件は
    涙なくしては読めません。

    如月すみれの 大劇場さよなら公演の様子は
    読んでいて ちえちゃん(柚希礼音)のさよなら公演を思い出して
    洟ジュルジュル。

    きっとご贔屓を見送ったことのあるヅカファンなら 涙腺崩壊の危険あり!

    そして・・・永遠ひかるの祖母は 
    50年前の事故で無くなった扇乙矢の相手役・神無月れいでした。

    ずっと宝塚から離れていたけれど
    愛する孫娘の新人公演で
    自らが演じた演目 「セビリアの赤い月」の主演を務めるのを
    観に来たのでした。

    そしてファントム 扇乙矢との再開。

    新人公演の舞台の様子に胸が熱くなります。

    ヅカファンにオススメ

  • 能にお題をとった作品集ではじめて中山可穂さんを読み、おお、美男美女ばかりがくりひろげる修羅。
    独特の美意識の感じられる文章と世界観。
    これをうけいれられるかどうかは、独特なだけに好き嫌いがわかれるだろうけど、わたしはけっこう好きだなーと思いながら手に取った、今作。

    宝塚。

    まさに美男(?)美女、美しいものしか生き残れない愛の国。
    これが、この著者にめちゃくちゃあっている気がしました・・・。
    おもしろかった・・・。
    宝塚を題材に取った漫画、小説はいつも興味深く読んでいるけど、特にこれはおもしろかったなぁ。リアルなファンタジーの世界が感じられた。

  • 初読みの作家さん。ストーリーはそれなりに楽しめた。
    私にとって「宝塚」は、宝塚市に程近い所で生まれ育ち、通学通勤には阪急電車を使い、ヅカセイをよく見かけ、母は若い頃からヅカファンで、周りにも宝塚に関わってきた人々がいて…とても身近な環境にあったもの。だから欲を言えば、宝塚を題材にするなら、もう少し宝塚色濃く、深く描いて欲しかったかな。
    でも、中山可穂さんが伝えたかったことが「この小説は男役という文化へのオマージュである」というのであれば、それは十分に受け取れた。“花瀬レオを主人公にした物語”や、“如月すみれ(パッパさん)が若かった頃の恋の話”に期待したい。実現しますように。

  • ファン小説と文学との違いとは

    宝塚をテーマにした小説と、お慕いする方のツイッターで見つけて読むタイミングを見計らっておりました。

    プロローグの2ページの文章でのっけから引きこまれます。

    臙脂色のビロードと眩いばかりの照明、それに歴史が幾重にも折り重なり構成されたあの劇場の世界を、ことばの力を持って眼前に持ってくる文章でした。

    そこから本文に入ると打って変わってタカラヅカ小説。
    なまじファンでございますからひかるという名前でコムちゃん(朝海ひかる)が浮かびすみれと言われればおささん(春野寿美礼)が浮かび、パッパさんのエピソードはとうこさんに天海様にあの事件にあのペアのエピソードに、と現実の宝塚のあれやこれやを考えずにいられなくなってしまいます。

    そしてプロローグでうすうすと感じていたのですが、宝塚で実際に起きてしまった事件、実際は娘役さんだったはずなのですが、それをモチーフにしているという展開になっていきます。
    エピローグでは関係ないと書いてあるけども、やはりあの事件を感じさせずにはいられません。

    物語の構成としては、宝塚のファンの人が書いた小説と言われても、正直わからないかもしれない。
    宝塚をオマージュして作ったというあとがきにあるように、20年以上宝塚から離れていて、トップスターと会話をしたことがきっかけでつくられたこの作品、宝塚に関してのツメはむしろファンが書くであろう小説よりも甘いです。

    それが小説として成り立ち、夢中になって読ませ、新公ラストで号泣してしまったのはなぜか。
    それはことばの選択と、そのことばたちを並べ集めた文章のもつ力なのかな、と感じました。

    宝塚というテーマであるのであれこれ考えてしまうところがありますので、
    別の作品でこの作家さんの文章を楽しんでみたいなと思いました。

  • 宝塚が舞台の物語だ。
    タイトルの通り、男役として大抜擢された研三(宝塚用語でよくわからないけれど期を意味する)のナッツこと千夏と彼女の憧れの月組トップスター、パッパさんことすみれ。そして、何十年も前に舞台中の事故で非業の死を遂げ、現在は宝塚劇場の守護霊となっているファントム。
    三人の、女であるけれど男役として生きていく(ひとりは幽霊だけど)、宝塚という独特の世界に取りつかれた女性たちを描いている。
    よく歌舞伎と対比されるけれどまったく異なった風変わりな文化や世界が興味深い。
    千夏とすみれのどちらが主役なのかがわからずあいまいな感じに終わってしまったのが残念だな。

  • 今回の作品の舞台は宝塚歌劇。中山可穂を知らない人でも、歌劇ファンにはたまらない作品だと思うし、中山可穂ファンなら、所々に滲み出す中山可穂らしさを噛み締めながら読める。

  • 中山可穂だから書けた宝塚。

    性愛と自己愛の描写が強かった作家が、ここまで優しい作品を書けるなんて
    という思いと
    やはり現実に対するシビアな目はいまだ持ち合わせているのだ
    という感慨とに揺さぶられました。

    宝塚の役者さん、男役に立てた方、その舞台を支える色々な役割の方。
    そして、昔事故で亡くなったトップスターの男役のファントム。
    鮮烈で美しく短い世界での淡い恋愛。

    宝塚は今まで一度も観たことがないのですが、特殊な旬の短い舞台に立つ人は確かにこういった悩みや葛藤を抱えているであろうと胸が締め付けられました。
    最期の舞台後車に乗って去ってゆくシーンにはタナトスの背中が見えてしまう。
    裏方の方々の物語への関わり方も、劇団をやっていた中山可穂ならではなのではないでしょうか。

    このそこはかとなく香り立つエロティシズムと幻想的な恋愛にうっとりとします。

全65件中 1 - 10件を表示

中山可穂の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
西 加奈子
三浦 しをん
長岡 弘樹
辻村 深月
又吉 直樹
東野 圭吾
恩田 陸
三浦 しをん
東野 圭吾
辻村 深月
吉田 修一
西 加奈子
有川 浩
伊坂 幸太郎
中山 可穂
中山 可穂
西 加奈子
桜木 紫乃
Red
島本 理生
千早 茜
有効な右矢印 無効な右矢印

男役を本棚に登録しているひと

ツイートする