- 本 ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041025871
作品紹介・あらすじ
ノーベル物理学賞を受賞した中村修二は会見の場で、研究を続ける原動力は「アンガ-(怒り)」と言った。中村が言う「怒り」とはいったい何なのか? 受賞直後の本人へのインタビューも加えた文庫版。
感想・レビュー・書評
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明日、新しい時代である「令和」を迎えるにあたり、部屋の片隅に読みかけとして置かれていた本を一斉に整理することにしました。恐らく読み終えたら、面白いポイントが多く見つかると思いますが、現在読んでいる本も多くある中で、このような決断を致しました。
星一つとしているのは、私が読了できなかったという目印であり、内容とは関係ないことをお断りしておきます。令和のどこかで再会できることを祈念しつつ、この本を登録させていただきます。
平成31年4月30日(平成大晦日)作成詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
青色発光ダイオードの発明でノーベル賞を受賞した、中村修二氏の反骨の半生記。
中村氏は、異能の科学者であるとともに、かなりの変人。日亜化学の中で相当疎んじられていただろうことがよく分かる。特に2代目社長は相当毛嫌いしていたんじゃないかな。こうした人材を組織内でどう活用していくかは永遠のテーマ。和を重んじる日本のよき(悪しき)風土の中で、尖った天才にどう活躍の場を与えるかは結構難しい。
面白かったのは、中村氏が日本の大学入試(及び大学での一般教養課程)を諸悪の根源としてこきおろしていること。また、試験に当たって公式を覚えたりせず一から解いていたこと、、大学に入り一般教養課程に失望して哲学の本などを読みまくった末に「本を読むことなんかより、自分で考えて行動することが大事」という境地に行き着いたこと。中村氏の天才ぶり、半端ないなあ。
中村氏の重要論文が日本の学会誌からは認められず、アメリカの権威あるし論文誌にあっさりと掲載された、という事実にはがっかり。その理由が、査読者=窒化ガリウムの分野の権威、赤松氏の論文を参照しなかったことにある、と推測されているが、これは本当だろうか。
図書館利用。 -
私もこの中村修二を誤解していたようだ。絶えず怒っていた修二氏、そしてその怒りを力にしてきた。ノーベル賞を受賞して、本当に良かったと思った。ただ、国籍をアメリカにせざるを得なかった事情を考えると、日本人としては寂しい。