ホームグラウンド (角川文庫)

  • KADOKAWA (2015年4月25日発売)
3.76
  • (4)
  • (11)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 84
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041025963

作品紹介・あらすじ

休耕地の有効利用を持ちかけた圭介に、祖父の雄蔵はある少年について話し、荒れた土地を耕し始める。芝生の広場をつくる、という老人の夢に巻き込まれていく圭介は、迷いのあった人生の舵を切るが――。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 圭介は自分の仕事のためにお祖父さんを利用しようとしたが、このことをきっかけにお祖父さんが芝生を育てることを手伝い、自分の生い立ちが実の父親はとっくに死んでいたことを母由紀子から聞き、春奈との結婚することになり、自分の生きがいであるサッカーを通じた仕事ができるという夢のようなな実際にもできそうな物語。

  • スポーツのある風景が好きだ。
    就職活動の際、どんな仕事がしたいですかと聞かれ、
    スポーツのある風景を作りたいです、
    と答えたこともある。
    まったく違う分野に就職し20年以上が過ぎた。
    親しんでいたスポーツもすっかりご無沙汰。

    主人公は僕の半分くらいの年齢(20代半ば)だけど、
    彼もスポーツから離れている。
    子どもの頃はサッカーに夢中だったのに、
    いつしか選手の夢を諦め、
    今は不動産会社で気の乗らない仕事をしている。
    仕事もプライベートも楽しいことはなく、
    彼の目に世界は灰色に映っているだろう。
    そんな彼の世界を緑に変える話だ。

    最近は芝生の校庭をときどき見かける。
    土のグラウンドに比べると、
    転がったり地べたに座ったりしやすい。
    気候が良ければ、ごろんと横になりたくなる。
    チクチクふんわりの感触が心地よさそう。

    美しいものは、その美しさによって、
    世界や関わる人々を変える力を持っている。
    この物語では、芝生のグラウンドが、
    その美しさで多くの人たちを再生し活性化させる。
    そこでスポーツが始まる。

    憧れのスポーツのある風景をつくる物語。

  • 上司が教えてくれた言葉に、「物を大切にしない奴は、人も大切にしない」というのがある。雄藏にとって由紀子は大切な娘だけど、突然のことにうまく接することができなかったんだと思う。親父としては当然だ。孫ができて嬉しくない親は稀だろう。きっと、孫の顔より由紀子の将来を思いあぐねいたんだ。雄藏は君枝に元気を与え、自身の命の恩人である男の子にもう一度会うために、庭に芝のグラウンドをつくることで再び生きる活力を得て、それを手伝う圭介と春奈、修司も人生にとって大切なものに気づかされる。まわりのひとたちと一緒じゃなくても幸せになれる。大切なのは自分にとって何が必要なのかを知ることなんだと思う。簡単じゃないけど。
    芝を一年中青く保つには手入れが必要だ。人の心も同じ。解説の中江有里が言う。
    人の心は目に見えるもんじゃない。オイラの上司はだから言ったんだな、「物を大切にしない奴は、人も大切にしない」って。

  • じいさんの土地にサッカーができる芝の広場を作る物語。盛り上がりに欠けるかな…。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

千葉県生まれ。商社、出版社勤務を経て作家に。二〇〇六年『サッカーボーイズ再会のグラウンド』でデビュー。「サッカーボーイズ」シリーズ、「海が見える家」シリーズの他に『帰宅部ボーイズ』『ようこそ、バー・ピノッキオへ』『会社員、夢を追う』『太陽と月サッカー・ドリーム』などの著書がある。

「2022年 『サッカーデイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

はらだみずきの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×