- 本 ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041026038
作品紹介・あらすじ
気の合う男友達の大地とかわいい後輩がつきあいだした。彼女なんて作らないって言ってたのに。地方の高校を舞台に、悩み揺れ動く図書委員たちを瑞々しく描いた第3回ダ・ヴィンチ文学賞編集長特別賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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「吉野北高校図書委員会」
著者 山本渚
一つ前に別の著者の中学生のお話を読んだので、次はこちらを手に取ってみました。笑
日常の謎がお好きな方は、こちらの本には謎はありませんのでご注意ください。思いっきり高校生図書委員会の青春ストーリーです。(*´ω`*)
著者の山本渚さんは、徳島県立城北高校在学中に、図書委員を努められたとあります。その時の経験からでしょう、図書委員のお仕事が詳しくストーリー内に描かれていて、登場する高校生たちが生き生きと感じられます。
1『宵待ち草』の川本かずら目線から、2『ワームホール』では藤枝高広目線に語りが変わります。一人の目線だけでなく、視点を変えることにより、高校生の感受性がより伝わってくるものがあります。
大きな事件や特別な設定がある訳ではありません。登場するのは、どこにでもいる普通の高校生たちです。そこがまた、この本の魅力なのだと思います。
いいですね〜青春だ〜(*´ω`*)
例えが少々ワカモノに伝わり難いところもあるかもしれませんが(デビルマン〜、ETなど笑)、きっと共感アリアリかなと。笑
解説は、堀北真希さん。二十歳を前に読まれていて、「読んでいるうちに、いつのまにか思考回路が一昔前に戻っていたみたいで、心の中ではかずやあゆみと同じ制服を着ていました。図書館の様子や、登場する生徒たちの個性や行動、一つ一つの描写が、すっと私を吉野北高校へ連れて行き、ドキッとしたり、チクッとしたり、イラっとしたり、わたしも甘酸っぱい青春時代を一緒になって過ごしていました。」と寄せられています。
感性の若いうちに、そして、大人になってからでも、たまにはこういう高校青春読書もいかがでしょうか〜
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再読。前に読んだのはいつやっけ・・・?
私がモリモリ読書をしていたのは、もちろん産前。妊娠して仕事がひとつ減ったらそのぶん読書ができていいわーとほくそ笑んでたのに、7か月くらいのときに小野不由美氏の「屍鬼」を読んで本気で気分が悪くなって以来、読書から遠のいておりました・・・。
でも、子どもたちが幼稚園に入ってからチョイチョイ読めるようになってきて、最近はこの状態。笑
ああー、楽しい。
さてこの本の初版は2008年やったので、産後に読んだんやな。確か感想文も書いた気がするので、前のブログに載せてたんやろうな。相変わらず、前はどんな感想文を書いたのかさっぱり覚えてないので(笑)、新たに書こう。
前回読んだときは、図書館で背表紙タイトルを見てふっと借りたのだけど、今回は続編が出ていることを知って
「そういえば、1冊だけ読んだな・・・」
と、思って再読することにした。
タイトル通り、徳島県の高校を舞台にした話やった気がする。
(「気が」!?)
(だって地名は出てきても県名は出てなかったから・・・)
図書委員会の男女たちの淡ーい、ゆるーい生活を書いてて、文章がマニアックというか、著者自身ももしかして作中で語られる
「イケてないグループのおたくやけど、それをよしとしていない人」
やったのかなあ、と、思わせるところが、ちょっと読みづらくはあった・・・。
でも40も越すと、もう、作中の子たちが子ども世代やからね!? 笑
背伸びすることも、自分をカッコよく見せたいけれどそれが恥ずかしいことも、全部全部ひっくるめて、初々しいなあと思えるようになってきたわ。
この子たち、どんな大人になるのかしら・・・、的な!
あとは、かずらと大地の「偽善者ぶり」に、ひじょうに納得。
きっと私も若いころは、藤枝くんがかずらと大地の「偽善者ぶり」にいらいらしたように、
「いいことをやってるのに、『それは自己満足じゃないだろうか』と、いちいち問うとか、何様!?」
と、文句のひとつでもつけたくなったやろうに、なんやろうね、「偽善者ぶり」が、わかるわー。
偽善者ぶりたいわけでもないけど、結果的にそうみられるかもしれない、と、いうところまで心配してしまうかずらと大地の不器用さというか、他人の目を気にしすぎてるところというか・・・。
学校という狭い世界の中では耐えられるかもしれへんけど、将来的にもっと広い世界に出たら、自分自身の物差しではまったく理解できない人とようけ接触せなあかんからね・・・。
そのときに、他人の目に映る自分まで気にしてたら、どこかで行き詰っちゃうかもよ。
「どうせ別れるんやから、付き合いたくない」
という理由は、相手を傷つけてしまうだろうから、なんやけれど、相手が傷つくかどうかは相手が決めることやし、また、そうならないようにする方法が将来的に見付けられるかもしれない。
だから、自分で勝手に完結しないでほしいと言えるあゆみちゃんに、かずらも大地も憧れるんやろうな~。
私も、あゆみちゃんに憧れるもの。笑
かずらと大地ほど、他人に気遣いをしてるタイプではないので、私があゆみちゃんに憧れるとは片腹痛いんやけどな。ハハハ。
「思わず泣きそうになった」
と、いう感情が、わりと好きみたい、私。
きれいな景色を見て、おいしいものを食べて、楽しい話をして、懐かしいものに触れて・・・。
悲しいのではなくて、自分では制御できない感情を揺さぶられる不安さに泣きそうになるのかも。
たまにはそんなふうに、感情に揺さぶられてみたいとも、思う。
「勝手に流れていく時間」とともに過ごして、先のことはわからないから悲観的になりすぎるのもなんだか勿体ない。
この子たちみたいに未来が無限にあるわけでもないけど、一年後の自分は、ほんまに、どうしてるんやろうね。
少なくとも一年前の自分が想像した私では、今は、ないな・・・。(;^ω^)
去年と比べると今年のほうが・・・。いいような、悪いような・・・。
いいこともあれば悪いこともあるかな。それが案外、ベストなんかもしれへんな・・・。
それにしても、徳島県の言葉って、独特やなあ。
同じ関西やから同じような言葉なんやと思ってたけど、全然違うのね・・・。
むしろ、岡山とか広島に近い?
天気予報にはいつも登場してるし、淡路島を経由した橋も新しくできたもんやから、つい、
徳島って関西に近い
と、思ってたけど、それは最近の話なんやな・・・。
図書委員かー・・・。私は高校の図書室に行くことはまったくなかったので(存在してたんやろうか・・・?)(なんせ、新設校やったもので・・・)、図書委員とかちょう憧れる。
せやけど、図書委員の幹部(この言い方もすごいよね)になれるような人は、高校生のうちから村上春樹を読めないとあかんらしいよ!
無 理 だ ・・・! 笑
ノルウェイの森とか、ぜんっぜん理解できひんかった。羊をめぐる冒険も読んだけど、全然・・・。
私は二十歳のころに読んだわ。あれ以来もう、著者の本がどんなけベストセラーになろうと、まったく手を出せておりません・・・(笑)。
山田詠美氏の「放課後の音符」は、読んでみようかな。
しかし・・・。汽車?! 汽車通学って、何!?
電車のことよね、それもたぶん、JRなんよね!?
四国はとにかく電車での移動が大変という噂を聞くけれど、汽車て!!!!
イヤァ・・・。
平成の話よね、これ・・・?
えっ、汽車って、日常的にいうの!? ひつこい
(2017.04.02) -
たまにはこういう若者が読むような恋愛ものも初々しくて良いですね。文庫書き下ろしの「あおぞら」が表題作では明らかにされていなかった、あゆみ視点だったので楽しめた。『クドリャフカの順番』や『飛び立つ君の背を見上げる』などで視点チェンジにグッと来たのを思い出した。吉野北高校図書委員会の彼らのその後が気になるので、続刊も読んでみようと思う。今日マチ子さんのイラストは適度なラフさ加減でいい感じ。
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高校生いいなー
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図書委員会の面々は男女ともに仲がいい。
そんななか、1年生のときからずっとつるんでいた相棒が後輩と付き合うようになり、かずらは微妙な気持ちを抱いている。
徳島の方言が柔らかくて、委員会の居心地の良さと相まって、ずっと読んでいたくなった。
これ、学生のときに読んでいたら、ふとしたときに思い出す物語になってただろうなあ。 -
図書委員会。各クラスごとにノルマとして割り振られる委員会活動、部活と異なり、いやいや行う人も多いが、そんな中で真剣に取り組んでいる委員会メンバーたちの青春群像劇。
真剣に生きている彼らだからこそ、友情も恋もスマートに割り切ることができず、意中の相手の一挙手一投足に一喜一憂、不器用に真正面から受け止めてしまう。でも委員会の仲間たちのさりげない心配りによって救われる。
気持ちの良い青春小説だ。続編が出ているので続けて読みたい。 -
みんな真面目で、ひたむきで、まぶしい。
でも、よく読むと皆しっかりした子達。
読み手がおばさんがだから星5つ。 -
高校の図書委員会を舞台にした青春小説です。甘酸っぱくも、ほろ苦く、でも爽やか。これぞ青春。
彼氏彼女よりもお互いの事理解しちゃう、考えてることが伝わっちゃう異性の友達。ものすごく気が合ってめちゃくちゃ仲いんだけど、恋愛って考えるとうまく想像できなくて、今の関係を壊したくない、かずら。でも彼が他の人と付き合うと自分の独占欲が顔を出してしまう。
読んでいると10年以上も遡って高校生だった自分が顔をのぞかせて、自分に重ねて読んでしまいました。
青春時代というのは大人になってからよりも、ずっと物事を難しく捉えて、難しく考えがちですね。今の年になって物事を大きくおおらかに受取るようになると、高校時代というのは思い出すと恥ずかしい程に頭でっかちで哲学めいた事を考えていました。
この物語の主人公達も、そうやって学校でしか味わえない独特の人間関係や部活や委員会に身を置き乍ら、甘くもほろ苦い青春を過ごし、心を揺らし乍ら自分と向き合ってかけがえなのない瞬間を紡いでいます。素直になりたくてなれない、うまく行く事ばかりじゃない、けどそれも青春。大人よりずっと不器用ででも真っすぐで一生懸命。
小説はさらっと読めてしまいますが、もれなく自分の青春の思い出がついてくること必至です。全体を通して方言が話されているのも、温かみがあって良かったです。続編もあるようなので、楽しみです。
山田詠美の放課後の音符や、ノルウェイの森、エヴァが出て来たりして、自分の知っている情報が登場するのは楽しいですね。竹下夢二が出て来るとこはかなり好みでした。
山本渚の作品





