LEAK 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)
- KADOKAWA (2016年1月23日発売)


- 本 ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041026120
作品紹介・あらすじ
現金を詰め込まれて殺された謎の被害者達。新人女性刑事が大活躍の人気シリーズ最新刊。
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正月の秋葉原で見つかった不可思議な死体。不自然に重たいその体内には、大量の小銭や紙幣が詰め込まれていた。都内各地で連続して同様の死体が発見されるが、被害者の共通点は見つからない。藤堂比奈子ら「猟奇犯罪捜査班」の面々は、警視庁の合同捜査本部でその「リッチマン殺人事件」に取り組むことになったが……。
現代社会の闇が猟奇的殺人と共鳴する、新しいタイプのヒロインが大活躍の警察小説、第4弾!
感想・レビュー・書評
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藤堂比奈子シリーズ第四弾、「LEAK リーク」
今作もまた猟奇的な殺人者と比奈子と愉快な仲間達が大活躍だ。過去の事件にて繋がれた環境が崩れないのと、脇役が存在しない事がこのシリーズが愛される理由だろう。
....."地味系代表清水の声 {僕もいるよ(小声)
今回の死体は超重量級だ。物理的な意味で超重たい死体の原因は、体内に大量の小銭が詰め込まれている為だった。ただでさえ異質なこの事件は後に同様の手口を使った連続殺人、通称「リッチマン殺人事件」としてガンさん率いる比奈子ら「猟奇犯罪捜査班」の頭を悩ませる事となる。
同時に、太鼓屋の絹おばあちゃんと跡取りの佐和、その息子遥人のサイドストーリーも進行するが勿論こちらも目が離せない。絹さんの気高く、しかし孤独で切ない過去が少しだけ垣間見れる。家族の様な固い絆で結ばれた彼女達を見ていると、何故か私も人に優しくなれるような気がする。優しさは伝染するのだろう。
大好きな解剖医の死神女史は相変わらず検死後にホルモンを食べに行くハードボイルドさだ。
と、愛を語るが、何度も言うが愉快な仲間たちの緩さに釣られると凄惨でグロテスクな描写に打ちひしがれるのでお気を付けて...んふっむふふ。
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今回はかなり凝ったプロットだったように感じた。「リッチマン」の正体もだが、背景がやや複雑だ。ネタバレ防止で詳しく語れないのがもどかしいが、名前と続柄はしっかり認識しておきたい所だろう。
限られた新規人物達に着目してしまうのは仕方ないので共に推理を楽しむーーなんて比奈子と読者の愛の共同作業は残念ながら見込めないが、今作もしっかり絶望と憎悪を同時に背負う悲しき業に囚われた犯人に心をキュッとさせられて欲しい。
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今回は警視庁 合同捜査本部にて資料係に徹する厚田(ガンさん)班だったが、やはり最後は比奈子の「思い遣り」の人柄がバラけたピースを集結させる。
比奈子は確実に通った道で欠片に糸を通しているんだよなぁ。最後に糸をピンッと張ると欠片が集結して大きな塊に変貌する。まるで磁力だ。
最初は好きになれなかった比奈子が気付けば今は大好きだ。野比先生との安いラブストーリーにアンチ精神働かせていたのに今回はそれが無かったので余計に悶々している。やれやれ、つくづく私という生物は身勝手な生命体だなと痛感した。
しかし、規模の割に盛り上がりの沸点には至らなかった微妙な不完全燃焼に苛まれている。どうやら今作は次作への大きな通過点なのだろうか...、エピローグにあたる謎の人物と前作「CUT カット」の犯人との文通に心がざわめき立ち、既に意識はそちらに向いてしまっている。
最後に、東海林ぱいせんのくしゃみが「へべちっ」では無くなり、シンプルなおっさんのくしゃみだったのが地味に悲しい。
〜「へべちっ」よ永遠に〜
私の心の中で生き続けるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子 第4弾
正月早々、大量の小銭や紙幣を詰め込まれた不可思議な死体が秋葉原に
秋葉原といえば、オタク三木捜査官のホーム
今回もご活躍が予想されます
その後同様に体内にお金を詰められた死体が見つかり、連続殺人事件となる
その名も「リッチマン殺人事件」
猟奇犯罪小説としては、今回は軽めなのですが
CUTから登場の太鼓屋のおばあちゃんの過去話をうまく取り入れて
被害者と加害者の相関、因果関係が好妙で
社会派ミステリーでないかしら、と思わせる
第4弾です-
お金を詰められた死体って凄いですね!?
何でお金詰められるんだろ???
私も続きを入手してこなくちゃ。お金を詰められた死体って凄いですね!?
何でお金詰められるんだろ???
私も続きを入手してこなくちゃ。2025/01/18 -
2025/01/18
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おはよーございます
そうです
お金詰める理由が社会派的なんです
このシリーズは1冊の分量が 隠蔽捜査と同じように適量なんですよね
で 順...おはよーございます
そうです
お金詰める理由が社会派的なんです
このシリーズは1冊の分量が 隠蔽捜査と同じように適量なんですよね
で 順番に読みたくなるし読める感じ
完結している安心感
2025/01/19
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八王子西署の猟奇犯罪捜査班というのは通称というか、自分たちで付けたような名称だ。そのメンバーたちの魅力で成り立っているシリーズだが、特に主人公の藤堂比奈子が真っすぐな性格で、物語自体を引っ張って行く勢いに満ちていて、なかなか読んでいて楽しい。事件自体は、大量の小銭と札束を飲まされて殺されるという連続殺人事件なので、えぐいはえぐいのだが、最後は比奈子の涙もろい人情模様に揉みくしゃにされてしまう感じだ。べただなあと思いながらも読んでしまうよ。
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藤堂比奈子シリーズ第四弾。今回はフォアグラ作成のように口から硬貨を詰め込まれて殺されるという超猟奇的殺人。あまりに多くの硬貨を詰め込まれたため、遺体が重くて動かせないほど。グロさが目立つが、伏線回収が素晴らしく何かスッキリとした読後感。
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第4弾!
遂に頭角を現してきたな!厚田班!本庁の応援とは名ばかりで、干され状態でも何とかする!
猟奇犯罪に特化したチームって、怖いけど…
今度は、口からお金(硬貨とお札)入れられた変死体があちこちで!その名も「リッチマン殺人事件」このネーミング…ええんかな…
厚田班のメンバーは、それぞれが、個性あって、魅力的で、面白い!
若い衆は、吐きながら^^;
まぁ、あんなに比奈子さん、手がかり引っ掛けるか〜?とは言わんとこ(^^)v
人生、お金ばっかりやないで〜確か欲しいけど^^;
事件解決と同時並行で、太鼓屋のおばあちゃんの問題も泣かせる。
今回も一気読み!
まだまだ、このシリーズ続くので楽しみ! -
重い、憶い、念い、想い、思いが錯綜して起こった結果が猟奇事件に至ったお話と感じた。
連日「ルフィ」なる指示役がキーワードの事件が報道され騙す組織の大きさと奇しくも効果的な役割、手段が露呈している。被害者や末端の容疑者の影響は憎悪に変わる様は容易に想像がつく。結果として人を殺めるに至ると事態は変わり追求に変化する。
善良な仮面を被った憎悪は奇々として、常識を大きく突き放す猟奇に変身するものかもしれない。 -
今回は体内に小銭や紙幣が詰め込まれている死体が連続して発見される事件でした。
八王子西署の非公式な猟奇犯罪捜査班も警視庁の合同捜査本部に呼ばれますが、そこの刑事達の受け入れは良くなくー。まあ優秀なチームが他所からやってきたら面白くないんでしょうね。
猟奇事件捜査と並行して、太鼓屋の絹さんや佐和さんにも寄り添う比奈子さんの優しさにこのシリーズの暖かみを感じます。 -
改めて自分が猟奇的なものに惹かれてしまうことに気づきました。
人間には、いろんな顔があるのだと感じましたが、近くに人間くさい人がいると正気を保てるのかもしれません。 -
残りページ数ではもう終盤なのに、まだクライマックスが続いてるんですけど! 終わるの? これ、終わるの? …と思ってる内に終わりました。
シリーズものって、この1冊を初めて読む人のために説明を重ねたり、前巻までの登場人物があんまり出て来なかったりするのもありますが、このシリーズは地続き感が半端なく、全巻通して読むのがお薦めです。ただ、一気に読むとしんどいです。事件が重い。
次巻では、二作目の犯人が再登場だよ、という予告で終わりました。読みましょう、続けて。 -
藤堂比奈子シリーズ4作目。
体内に小銭を流し込まれた死体というのはかなり猟奇的だけど、今回はいつも大活躍の蛆虫や蠅が活躍してなかったのでグロさはマシだった、かもしれない。
前作から急にキャラ立ちしてきた倉島刑事がいい味出してます。
巻が終わればその事件は解決するけど、罪を犯してしまった優しい人たちのことをずっと比奈子が大切に思っているところがいいなぁと思った。エピローグの原島さんとの対話が泣けた。最初は比奈子のことあんまり…と思ったけど、巻を追うごとに好きになってきました。
そしてラスト…あの人が再登場するのか???
続きが気になります。
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