本をめぐる物語 小説よ、永遠に (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041026137

作品紹介・あらすじ

「空想の中でしか、私は生きられないから」――中学時代の八雲にまつわるエピソード『真夜中の図書館』(『心霊探偵八雲』のスピンオフ)、物語が禁止された国に生まれた子どもたちの冒険『青と赤の物語』、ノベロイド研究にのめり込み、「物語AI」におもしろい小説を書かせようと奮闘する高校生の青春模様『ワールズエンド×ブックエンド』など、「小説」が愛おしくなる8編を収録。旬の作家によるバラエティ豊かなアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 加藤さんの「青と赤の物語」と千早さんの「あかがね色の本」が好きでした。

    何度も出てくるテーマ、
    「物語がなくなったら?」。
    自然といつも以上に大事に読みましたとさ。笑

  • 「本をめぐる物語」アンソロジーかあ~。このラインナップ、親しみやすいけど当たり外れもありそうだなあ…しかしそれもまた良し!と思って読んでみたんですよ。なんということだ。全部わりと面白いじゃないか。まあ、「本」「物語」が絡んでいるので評価が甘くなっているというのもあるかもしれないけども。びっくり。
    神永学「真夜中の図書館」神永学ってよく目にはするけど、読んだことなかった。思ったよりシンプルでベタな話で嫌いじゃない。しかし「斉藤」やたらキャラ付けされてるけど何者なのだ。別作品の登場人物なのかな。
    加藤千恵「青と赤の物語」寓話チックできれい。ちょっと地の文が親切すぎというか、もっと読者に判断をゆだねてもいいのでは、と思う部分もあったけど、まあ、これはこれで。
    島本理生「壊れた妹のためのトリック」島本さんも読んだことなかったのだけど、なんとなく繊細で感覚的な話を書いてるのかなあ、という印象だったので、こういうミステリちっくなのもあるのか!と嬉しい発見。
    椰月美智子「ゴールデンアスク」おもしろかったです!西園寺さゆり、おもしろい。『ゴールデンアスク』読んでみたいなあ。
    海猫沢めろん「ワールズエンド×ブックエンド」海猫沢さんだぞ、と覚悟を決めた上でわくわくしながら読んだけども、おお…なんと、普通に面白いSFだー!「いま、あたしはクラスのなかでひとり冷戦状態なの。旧ソビエトって感じなの」「だから外交してるところを見られたくないの」のくだりがやけに好き。
    佐藤友哉「ナオコ写本」佐藤さんだぞ、と覚悟を決めた上でわくわく(ry、まっとうに楽しめた!いやあ、佐藤さんはたまにスピードについていけずに置き去りにされることがあるのだけど、今回は大丈夫だった。もちろんオカシイところがないわけではないけど、呑み込めるレベル。全くなくても寂しいですしな。
    千早茜「あかがね色の本」ぴゅあー!ああ、はい、すみません、私もその本好きです。いやあ美しい。
    藤谷治「新刊小説の滅亡」ふむふむ。過去作品の掘り起こしはやって欲しいですよねー確かに。過去の作品だけでも読みつくせないほどの量があるだろうなあ…。しかし、それでもどうしたって新作を読みたい作家さんはいるし、待ち続けている続刊はあるし、何より私は日々消費されるくっだらなーい小説が好きなのだ。
    どれもある程度おもしろかったですが、うーんそうだなあ、「ゴールデンアスク」「ワールズエンド×ブックエンド」「壊れた妹のためのトリック」辺りが特に好きかなあ。

  • 本の力で救われる。
    そこには自分によく似た人や、自分を救ってくれる人がいる。
    自分を救ってくれる人は自分を希望へと連れ出してくれる人ではなく一緒に絶望の中にいてくれる人のこともある。
    正しいものが全てを救うわけではない。
    信じたい言葉の力はあるけど、自分の人生も正しくない言葉を重ねている気がする。
    そしていつの間にかその言葉が言霊になり本当になることもある。

  • ダ・ヴィンチ2014年5,11月号、2015年1,3,4,5,7,8月号掲載の8篇に加筆修正した、2015年11月刊のアンソロジー。シリーズ3作め。真夜中の図書館:神永学、青と赤の物語:加藤千恵、壊れた妹のためのトリック:島本理生、ゴールデンアスク:椰月美智子、ワールズエンド×ブックエンド:海猫沢めろん、ナオコ写本:佐藤友哉、あかがね色の本:千早茜、新刊小説の滅亡:藤谷治。サイコパス的人物が登場する島本さんの話は、怖くて、インパクトがありました。海猫沢さんは、SF的アィデアが秀逸で楽しめました。

  • 本好きにはたまらない、本好きのための本!

    本の中で本を読んでる人たちの話。

    最後の新刊小説が撲滅されるやつとか、、、読んでて、
    いやだ!いやだ!いやだ!そんなのは嫌だ!

    昔の小説も全て読破したいと、野望があるけど、それでも、、、新刊小説が出ないなんて!!!!
    なんか、悔しくて涙がでそうでした、、、、

    ホント、、、、

    わたしはこれだけ本が好きなんだから、もっともっともっと応援していかなくちゃならないよな!!!!と、思った。。。

    さすがに月30冊は買えないので、せめて数冊でも新刊買ってく!!!!!!!!!!

    全力で本屋さん支えて行きたい。。そんなふうに思う一冊でした。

    千早茜さんの短編は切なくて、、他の本も読みたくなりました!!!

  • アンソロジー。千早さんの『あかがね色の本』が一番心を掴まれた。苦しくてしんどい。翠とりっちゃんの仲をさ。周りはからかうなよ、茶化すなよ、変な知恵を吹き込むなよ…。もう…。

  • 第二弾はとばして。どれも面白かったが、やはり最後の藤谷治さんの『新刊小説の滅亡』。本に関わる全ての人の背筋を正すような問いかけ。もともこもないが結局本を読む人は新刊がなくても読むし、読まない人は最初から読まない。想像・創造の場が失われたわけでもない。原作なしオリジナル面白ドラマが増えるのも個人的には良い。確かに積ん読は増えてる。再読で事足りるかもしれない。「青」と「赤」のように埋もれていた既刊小説に救われる人もいる。
    けど、「それでも……!」(by バナージ・リンクス『機動戦士ガンダムUC』)と言いたい。答えになってないが(笑)、う~ん、悩む。考えさせられる

  • 2022/06/25

    ワールズエンドブックエンドが一番面白かった。3*3の法則とかって実在するん?

  • 雑誌「ダ・ヴィンチ」に掲載された「本」がテーマの短編をまとめたアンソロジー。作品の並びとサブタイトルとの絡みが秀逸。
    千早茜「あかがね色の本」がよかった。「ダ・ヴィンチ」読者の共感を必ず得るだろう思春期の心の揺れの描写が良い。名が伏せられているが読者がみな分かるだろうあの作品の使われ方も、共感を後押ししている。

  • 「赤と青の物語」と「あかがね色の本」が印象に残りました。この2作品は再読したい。

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著者プロフィール

2003年『赤い隻眼』でデビュー。改題した「心霊探偵八雲」シリーズでブレイク。様々なエンタテインメント作品を発表し続けている。

「2023年 『怪盗探偵山猫 深紅の虎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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