小説 秒速5センチメートル (角川文庫)

  • KADOKAWA (2016年2月25日発売)
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本 ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784041026168

作品紹介・あらすじ

「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」。いつも大切なことを教えてくれた明里、彼女を守ろうとした貴樹。二人の恋心の彷徨を描く劇場アニメーション『秒速5センチメートル』を監督自ら小説化。

感想・レビュー・書評

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  • 申し訳ないけど、分かりにくかった・・・。
    (´・ω・`) もう一度読み直す!

  • 先日、実写化映画が発表された新海誠監督のアニメーション映画の、小説版。ノベライズ版ではなく、原作でもなく、アニメーション映画と同時に新海誠本人が書いた映画と同じ作品の小説版らしい。映画は実は名前だけ知っていてまだ観ていない。一部のファンに神格化されているのは知っていて、この度の実写化発表でまた界隈がザワッとした雰囲気を感じたのでいっちょ観てみるか!と思ったものの、アマプラになくてトーンダウンしたのち、文庫を見つけて本から入った。

    前置きが長いが、感想としては、3つの章からなるこの作品の、最初の2つの章は、きっと映画のほうが良いのだろうなという感想。おそらく、新海監督特有のあのキラッとした光マジックな作画があって成り立つのかなと。とにかく美しくないと3章目が生きないので。

    ところが3つ目の章になり、おとなになった主人公のビターな人生は、小説ぽかった。むしろ、この章はアニメーションでどう表現したのだろうな?気になる。最初の2つの章と異なり一人称ではなく三人称で書かれているのだけれど、小説ならではの「神の視点」が心地よかった。

    なるほどなるほど、そういうテーマの作品だったのか。子供の頃に思っていた、あるいは願っていた通りの大人になってないし未来にもなってないけれども、それを受け入れて前に進むのが大人になるということだ。いろいろな人との出会いがあるけれども、心が共鳴するパートナーにめぐりあい添い遂げるのは、奇跡。じゃあ子供の頃に夢を見ず現実を知るほうがよいのか?というとそうではない。子供の頃の美しい無垢な記憶が、宝物となり続けて大人になった自分の推進力になる。

    蛇足だけど…女の子の登場人物の心の声は、作者が男性だと作者の趣味かななんて感想がついよぎっちゃうことは小説家の作品でもたまにある…。今回はエンタメ色の強いアニメーション作家だからか、より一層、作者のフィルターを通した女の子像を背負ったキャラクターたちを感じてしまい、少しだけ、引っかかるものはあったけれどそれは私の趣味の問題。(変に媚びてるとか男子の理想だとかそういうのではないのだけれど、なんとなく現実味はなくて男子の夢を感じちゃうんだな。)

    結論。アニメーション映画のほうをちゃんと観なくてはならない。

  • 映画の美しい映像がとても美しかったので、それを小説で読むのはどうかと思ったが、小説は登場人物の心情がいっそう繊細に切なく伝わってきた。

    初恋の物語としてよりも、子どもが大人になる前の漠然とした未来への不安、思春期のひりひりとした焦り、生きにくさ、そして生きにくさを抱えたまま大人になった青年の物語としての印象が強かった。不安やその切なさが印象的な言葉で何度も表現されている。

    小学生の貴樹は大人になることへ漠然とした不安を抱えながらも未来へ目を向けているが、中学の貴樹が電車で明里に会いに行くシーンは暗く辛く、抱えている不安を更に強く感じる。
    高校生の貴樹も変わらず生きづらさを抱え、「ここじゃないどこか」を求め、それを明里との想い出に求めていたのだろうか。宛てのないメールを打ち続ける貴樹の切なさといったらない。これから立ち向かう大きな世界への不安を種子島のロケットの孤独な旅に例えている。
    第2話の語りが香苗に変わることで、進路に迷いながらも自分へ挑戦をしている香苗と対比し、貴樹の不在感が強調される印象だった。香苗の貴樹に対する恋心も切なかったけれど、前向きで明るさを感じた。
    生きにくさを抱えたまま大人になった貴樹は自分に満足できず、周りの人とも上手くかかわれずにいる。それが胸が痛くなるほど伝わってくる。
    ラスト、明里が貴樹に伝えた言葉「貴樹くんはこの先も大丈夫だと思う」を支えにしながら、「ここじゃないどこか」を求めずに、この場所で、今の自分を生きて行こう思ったことで、やっと胸が撫でおろすことができた。

  • 綺麗な話。ピュアで。。。一途で。。切なくて。。でも、一番凄いのは景色の描写かな。次から次に入ってくる景色が美しかった。

  • 桜花抄
    小学生から中学生の貴樹(たかき)目線の話。
    コスモナウト
    種子島在住の高校生、花苗目線の話。
    秒速5センチメートル
    就職した貴樹目線の話。

    お互いに転校生だった貴樹と明里(あかり)。
    お互いに仲良くなるが、明里が転校することとなる。
    後に貴樹も種子島に転校することとなるため、
    その前に明里に会いに行く。
    なんとも言えない初恋のほんわかした気持ちに
    ほっこりさせられた。

    秒速5センチメートルとは、桜の花びらの落ちる
    スピードのこと。
    雨は秒速5メートル。
    雲は秒速1センチメートル。
    ふむふむ、勉強になるねぇー笑

    • shintak5555さん
      アニオタの私としては、やっぱりこいつは映像だと。
      新海誠の光の描写、空、雲。そして光。
      そして、山崎さんの「One More Time,...
      アニオタの私としては、やっぱりこいつは映像だと。
      新海誠の光の描写、空、雲。そして光。
      そして、山崎さんの「One More Time,One More Chance」が物語にジャストフィット!
      新海誠の最高傑作です。★50個です。笑
      2022/04/24
    • ほくほくあーちゃんさん
      やっぱり映像なんですね!!
      ☆50だなんて!!
      映像が気になりますー。
      ただ、私…君の名は。も見たことない…( ゚ε゚;)
      鬼滅の無限列車は...
      やっぱり映像なんですね!!
      ☆50だなんて!!
      映像が気になりますー。
      ただ、私…君の名は。も見たことない…( ゚ε゚;)
      鬼滅の無限列車は見ましたよー笑
      2022/04/24
  • 切ない。

  • 無常で儚い初恋とは…。繊細に描かれるうごめく恋心や取り巻く美しく非常な世界の中で、迷いや懺悔を必死に掻き切って懸命に生きようとする主人公たちは、大人になってもなお自分の生き方に懐疑的である。将来に悩むのは子供だけではない、大人でさえ悩むものであると教えてくれた。失敗は幾多も繰り返され、一掴みの教訓を得ようとするものであるのだなと感じた。

    • yhyby940さん
      映像作品もご覧になられたでしょうか。いいですよ。
      映像作品もご覧になられたでしょうか。いいですよ。
      2025/01/06
  • ☆2.5
    小4のときの理科の先生がおすすめしてくれた本
    ついに読めた

  • 彼女と初めてに一緒に読んだ小説です。
    僕は映画バージョンで見たことあったんですけど映画は主人公たちの気持がよく伝わらなかったですけど、でも小説バージョンを読んで主人公たちの気持ちをよく感じてアニメでは感じられなかった感動を感じました、自分は小説をあんまり読まないタイプだったけどこの秒速5センチメートルを読んで新海誠さんの言の葉の庭という小説も読んでいます、本当に読み簡単だし人にはあるLoveストーリーだからオススメです

  • この作品大好きです
    見終わったあとの喪失感というか虚無感というか
    とりあえず余韻が凄いけど、すぐ見たくなる作品
    桜花抄、コスモナウト、秒速5センチメートル
    の3章になっていて第1章と第3章は主人公貴樹と明里の
    物語。第2章は貴樹と花苗の物語になっている。
    第2章の花苗が貴樹に片思いしてる時の感情表現が物凄く好き。すごく共感できる。
    「これから私が人といる時は、他の人を考えてるんだ
    なんて悲しい事思わせないようにしよう。」(1部略)
    この花苗のセリフが好きすぎてこのページに栞挟んでる
    あと、映画では見れなかった貴樹と明里の手紙が見れるのがいい!ここでも明里と貴樹の思いが少しすれ違ってるように思える
    初恋を拗らせた男の虚しさが分かった笑

    • 林霖さん
      他の人といる時にスマホを見ないのところですよね。同じくそのセリフ気に入ってます。
      他の人といる時にスマホを見ないのところですよね。同じくそのセリフ気に入ってます。
      2024/02/11
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著者プロフィール

1973年生まれ、長野県出身。
2002年、ほとんど個人で制作した短編作品『ほしのこえ』でデビュー。
2016年『君の名は。』、2019年『天気の子』、2022年『すずめの戸締まり』公開、監督として国内外で高い評価と支持を受けている。

「2023年 『すずめの戸締まり(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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