小説 秒速5センチメートル (角川文庫)
- KADOKAWA/メディアファクトリー (2016年2月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041026168
作品紹介・あらすじ
「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」。いつも大切なことを教えてくれた明里、彼女を守ろうとした貴樹。二人の恋心の彷徨を描く劇場アニメーション『秒速5センチメートル』を監督自ら小説化。
感想・レビュー・書評
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申し訳ないけど、分かりにくかった・・・。
(´・ω・`) もう一度読み直す!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画の美しい映像がとても美しかったので、それを小説で読むのはどうかと思ったが、小説は登場人物の心情がいっそう繊細に切なく伝わってきた。
初恋の物語としてよりも、子どもが大人になる前の漠然とした未来への不安、思春期のひりひりとした焦り、生きにくさ、そして生きにくさを抱えたまま大人になった青年の物語としての印象が強かった。不安やその切なさが印象的な言葉で何度も表現されている。
小学生の貴樹は大人になることへ漠然とした不安を抱えながらも未来へ目を向けているが、中学の貴樹が電車で明里に会いに行くシーンは暗く辛く、抱えている不安を更に強く感じる。
高校生の貴樹も変わらず生きづらさを抱え、「ここじゃないどこか」を求め、それを明里との想い出に求めていたのだろうか。宛てのないメールを打ち続ける貴樹の切なさといったらない。これから立ち向かう大きな世界への不安を種子島のロケットの孤独な旅に例えている。
第2話の語りが香苗に変わることで、進路に迷いながらも自分へ挑戦をしている香苗と対比し、貴樹の不在感が強調される印象だった。香苗の貴樹に対する恋心も切なかったけれど、前向きで明るさを感じた。
生きにくさを抱えたまま大人になった貴樹は自分に満足できず、周りの人とも上手くかかわれずにいる。それが胸が痛くなるほど伝わってくる。
ラスト、明里が貴樹に伝えた言葉「貴樹くんはこの先も大丈夫だと思う」を支えにしながら、「ここじゃないどこか」を求めずに、この場所で、今の自分を生きて行こう思ったことで、やっと胸が撫でおろすことができた。 -
綺麗な話。ピュアで。。。一途で。。切なくて。。でも、一番凄いのは景色の描写かな。次から次に入ってくる景色が美しかった。
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桜花抄
小学生から中学生の貴樹(たかき)目線の話。
コスモナウト
種子島在住の高校生、花苗目線の話。
秒速5センチメートル
就職した貴樹目線の話。
お互いに転校生だった貴樹と明里(あかり)。
お互いに仲良くなるが、明里が転校することとなる。
後に貴樹も種子島に転校することとなるため、
その前に明里に会いに行く。
なんとも言えない初恋のほんわかした気持ちに
ほっこりさせられた。
秒速5センチメートルとは、桜の花びらの落ちる
スピードのこと。
雨は秒速5メートル。
雲は秒速1センチメートル。
ふむふむ、勉強になるねぇー笑-
アニオタの私としては、やっぱりこいつは映像だと。
新海誠の光の描写、空、雲。そして光。
そして、山崎さんの「One More Time,...アニオタの私としては、やっぱりこいつは映像だと。
新海誠の光の描写、空、雲。そして光。
そして、山崎さんの「One More Time,One More Chance」が物語にジャストフィット!
新海誠の最高傑作です。★50個です。笑2022/04/24 -
やっぱり映像なんですね!!
☆50だなんて!!
映像が気になりますー。
ただ、私…君の名は。も見たことない…( ゚ε゚;)
鬼滅の無限列車は...やっぱり映像なんですね!!
☆50だなんて!!
映像が気になりますー。
ただ、私…君の名は。も見たことない…( ゚ε゚;)
鬼滅の無限列車は見ましたよー笑2022/04/24
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切ない。
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彼女と初めてに一緒に読んだ小説です。
僕は映画バージョンで見たことあったんですけど映画は主人公たちの気持がよく伝わらなかったですけど、でも小説バージョンを読んで主人公たちの気持ちをよく感じてアニメでは感じられなかった感動を感じました、自分は小説をあんまり読まないタイプだったけどこの秒速5センチメートルを読んで新海誠さんの言の葉の庭という小説も読んでいます、本当に読み簡単だし人にはあるLoveストーリーだからオススメです
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この作品大好きです
見終わったあとの喪失感というか虚無感というか
とりあえず余韻が凄いけど、すぐ見たくなる作品
桜花抄、コスモナウト、秒速5センチメートル
の3章になっていて第1章と第3章は主人公貴樹と明里の
物語。第2章は貴樹と花苗の物語になっている。
第2章の花苗が貴樹に片思いしてる時の感情表現が物凄く好き。すごく共感できる。
「これから私が人といる時は、他の人を考えてるんだ
なんて悲しい事思わせないようにしよう。」(1部略)
この花苗のセリフが好きすぎてこのページに栞挟んでる
あと、映画では見れなかった貴樹と明里の手紙が見れるのがいい!ここでも明里と貴樹の思いが少しすれ違ってるように思える
初恋を拗らせた男の虚しさが分かった笑-
2024/02/11
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とても良かった!
映画観てなくても全く問題ありません。
逆に読んだ後観るのはどうなんだろう? -
朝読で一気読み。前に一歩踏み出す速度は皆違う。そのきっかけの速度も。
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新海さんの映画の特徴といえば、やはりなんといっても映像美だと思います。そしてその映像美は、小説にも表れています。「小説なのに映像美?」と思われるかもしれませんが、新海さんの繊細な文章は、それを可能にするのです。
3話で構成されているこの小説。まず第1話は、読んでいるこちらが苦しくなるような描写が続きます。
転校で離ればなれになった女の子に会いに行くため、中学生の主人公は数時間かけ、彼女の元へ向かいます。しかし、その電車は大雪のため遅れに遅れ、当時携帯電話を持っていなかった主人公は、彼女の元に連絡をとることもできず…
ここの描写が本当に絶望的なんです。心理描写もそうなのですが、冬や寒さ、電車の車内、乗客たちの様子、こうした情景描写がそれぞれが寒々しく、あるいは主人公の孤独感を表現する上で機能します。映画監督とは思えない表現の幅です。
こうした描写の末二人はなんとか会えるのですが、そこからの暖かさ、そして美しさは、前半との対比があり、より読者に染みます。
そして第2話、今度は主人公に恋心を抱く、少女目線の話。少女の一人称が思ったよりも違和感がなかったのがちょっと意外でした。新海さん、少女目線でもイケルやん!
前半は元気でちょっと空回り気味の彼女が可愛らしく感じるからこそ、ラストの展開は効くなあ、と思います。
そして第3話。個人的にこの第3話のテーマは呪縛だと思います。中学時代の美しすぎる初恋が、見えないところで主人公を縛り、それが人間関係、特に恋愛に関して現れてきます。
また仕事上での悩みも深いようで、公私ともに主人公は追い詰められ、がんじがらめになってしまうのです。第3話のほとんどは、世界はモノトーンで包まれているかのように感じながら読んでいました。
だからこそラスト、その呪縛から解放され、鮮やかで爽やかな描写を読んでいると、世界に光が戻ったような感覚になるのです! これが僕が新海さんの小説に映像美を感じた理由だと思います。
新海さんの映画はもちろんですが、小説もおすすめですよ!