蚊がいる (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 283
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041026250

作品紹介・あらすじ

人気歌人にして、エッセイの名手・穂村弘の、もっともセンシティブな部分を収録したエッセイ集。自称“ふわふわ人間”穂村弘のあたふたっぷりに共感しつつ、その鋭い自分観察と分析は、まさに“永久保存用”の納得感。

感想・レビュー・書評

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  • 穂村さんの文章はじんわり面白い。
    結構共感できて、読んでいて心地がいい。
    穂村さんの常識やらマナーやらに共感できるけど、
    読んでいるとなんだか消極的な感じで…
    穂村さんと私の価値観が正しいと思っていたが、
    あれ?もしかしたら少数派なのか?
    あれあれ?不安になってきたぞ。

  • 世の中には、こんな人もいるのだな。面白い人だ。
    強気なのか弱気なのかさっぱりわからない。その「分からなさ」「つかめなさ」がこの人の人格を形成していることはよく分かる。面白かった。

    路上に痰を吐く男はいるが、女はいない。人に見られているという意識が違う。というのは、勉強になった。

  • 読んでいて、この人「大丈夫か?」と心配になってしまうほどのヘタレメンタル。神経衰弱というか、極度の神経質というのか、とにかく目の付け所が他者とは明らかに違う。コンビニの店員に、釣銭を上からドロップアウトされて落ち込む穂村さん。手が触れたくなかったに違いないと落ち込む穂村さん。だとしても普通の人は気づかない。そういう繊細な感覚が短歌にも出るのだなと思うのだ。知らないうちに、穂村さんが好きになっていた。読んでいるうちに、こんな人でも生きていけるんだと勇気づけられた。それに笑える。それがいい。

  • いつもどおりの後ろ向きでありつつも、(若干ナナメの)冴えた視線で現実を見て、言葉を吟味して綴られているエッセイ。色々なマナーについて語ったエッセイと、又吉直樹さんとの対談も収録。

  • 巻末の又吉氏との対談が面白い。どの話もすごく共感できるんだけど、著者の姿勢が消極的すぎて、共感できることが不安になってくる…
    表紙が素晴らしいと思います。

  • 読んできた中で比較的真面目なトーンのエッセイだった。この感情、こうやって言語化するのか…って感動することが多かった。

  • 「どうせ死ぬ」を前にして、永久保存用の僕、を買いそうな私、を思う自己言及こそほむほむの魅力。

  • 客体としてみられることに関する経験の差
    主体としての私と客体としての私の間で視点を切り替えることを学ぶ

    どんな対象も純粋に客観的なものではあり得なくて、全ては「私」との関わりのなかで捉えられている

    伝わらない心を抱えて世界の周囲をくるくる回るだけ

    中身はすかすかのまま、ふと思いついたときにだけ、笑顔と思いやりを出力しているのである

    熱くて透明な時間を生きたいのだ

    未来への大き過ぎる怖れや期待に邪魔されて、私は「今」の苦しみや美味しさを充分に味わうことができない
    いつであろうと「今」は「今」なのだ

    最高の「今」を捉えたい。
    そう願う気持ちの強さが、逆に「今」を生きることから私を遠ざける。

    選択肢がないのは或る意味で気が楽
    辛いのは選べるとき、そして、そのなかで絶対に最善の結果を出さなくてはいけないとき

    好きな音楽とか映画とか本についても、本気で語るということができなくなっているのだ。好みや考えは人それぞれだからな
    伝わるか伝わらないか判らなくても

    裡 裏 物の内側、うち

    煮詰められた好奇心
    あの夏の数限りなきそしてまたたつた一つの表情をせよ 小野茂樹

    腕時計のクロノグラフを作動させて、針が一周十分の一秒で高速回転するのを見る くるくる かっこいい

    こんなよい月を一人で見て寝る

    効果的な切り替えスイッチ 自らの資質や嗜好の壁

  • 2017-3-4

  • 2018.6.30読了

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著者プロフィール

穂村弘(ほむら ひろし)
1962年、北海道生まれの歌人。1990年歌集『シンジケート』でデビュー。その後、短歌のみならず、評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍中。2008年『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞、『楽しい一日』で第44回短歌研究賞、2017年『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞、2018年『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞をそれぞれ受賞。歌集に『ドライ ドライ アイス』、『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』。その他代表作に、『本当はちがうんだ日記』『絶叫委員会』『世界音痴』『整形前夜』『蚊がいる』『短歌ください』『野良猫を尊敬した日』など著書多数。

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