- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041026342
作品紹介・あらすじ
高校生、藤沢大和(ふじさわ・やまと)はある日――死んだ。
しかし、幼なじみの少女、青山凛虎(あおやま・りんこ)はこう告げる。
「わたしがちゃんと生き返らせる。死なせないよ『今度は』」と。
――これは『終わりの物語』だ。郡上踊りが終わるまでの間、死と生が入り混じるこの場所で、『なぜ死んでしまったかも忘れ』そこに存在している大和。そして、『ある秘密』を抱えながらも、大和を生き返らせようとする凛虎。不器用で、真っ直ぐで、凛としたひと夏が今――「終わる」。
雑誌『ダ・ヴィンチ』で好評を博した、恋愛小説の名手が紡ぐ、夏の奇跡の物語、待望の書籍化!
感想・レビュー・書評
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むずい!
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著者がライトノベル作家なのは知っていたが、一般文芸レーベルで出すのだから、内容もそれに寄せてあるだろうと期待して手に取った。
しかし、ほとんどライトノベルのまま。
会話だけで進む文章、「始まりの終わり」だとかいう中二臭い表現。
ストーリーはこれ以上ないくらい薄くてぺらっぺら。
光に掲げれば向こう側が透けて見えそう。
というか、実際にオチが読めてしまう。
その程度の謎をずっと引っ張るものだからイライラする。
100ページくらいは全く話が進まない。
登場人物は「いずれわかる」とか「今は言えない」みたいな抽象的な話ばかりするし、同じ話ばかり繰り返す。
60ページくらいの短編で十分な内容。
二人の思い出となるべきエピソードも盛り上げ方が弱く、心に残らない。
終盤の泣き所で来るだろうと期待していた「……なんでそんな、ばかなこと聞くの?」というセリフも全く胸に響かず。
ファンタジーというよりもオカルトな世界観も私には合わなかった。
ルールのない奇跡の力って何でもありすぎないか?
やはりダヴィンチの小説が苦手なんだなあ。 -
表紙からも、タイトルからも、それが泣かせどころだろうと匂わせているけど……まぁまんまとハマってしまった。
岐阜県は郡上八幡、郡上おどりを舞台にした、ちょっとファンタジックな青春小説。正直、展開に大きな意外性はないし、不思議な出来事にも明確な説明が付かずにエモーションだけで乗りきった感はある。それでも感情が決壊するのは、それまで溜めに溜めたキャラへの、執拗なまでの設定の言及があるからかな、と思う。
余談だが、郡上八幡は一度だけ行ったことがあるので、あの美しい街をリアルに回想できたのはよかった。
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