短歌ください 明日でイエスは2010才篇 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 119
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041026458

作品紹介・あらすじ

人気歌人・穂村弘が選を務める短歌投稿コーナー(本の情報誌『ダ・ヴィンチ』連載)の書籍化第2弾が待望の文庫化。鮮やかな講評が、短歌それぞれの魅力をさらに際立たせる。

感想・レビュー・書評

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  • 極個人的な感覚だと思っていたものが、他の人によって鮮やかに言語化され、共有される驚きだったり、思いもよらない角度からのものの見方におお!となったり、かつて感じたことのある心の揺れがアルバムのように並んでいたり、31文字、季語がなくてOKな現代短歌の世界はとてもユニークで豊かでした。
    このシリーズの他の本も、読んでみようと思います。

    気になった短歌をいくつか

    さかあがり靴を飛ばして落下するもう懐かしい地上ただいま

    明日からも生きようとする者だけが集う夕べのスーパーマーケット

    戦争はもうなかったよ 飴を噛む六歳にとって私はおとな

    煮え切らぬきみに別れを告げている細胞たちの多数決として

  • 「あるある」や「新発見」を通り越してギョッとさせられるような短歌の群れを楽しんだ。というかおののいた。

    60のママ、これ以上生きないで 死に近づいていくのがこわい

    その傷がまぶたとなってひらいたらおそろしいからガーゼを当てる

    声優を声優さんと呼んでいるあの子に呼び捨てされていた日々

    聞いたことない花の名をあたしの名よりもはっきり言い切った母

    「かぎかっこ、僕がつかうからとっといて」(だったら私はかっこでいいや)

    愛ん家で見たエロ本と脱衣所のない風呂たぶん愛は美しい

    だしぬけに葡萄の種を吐き出せば葡萄の種の影が遅れる

    柔らかい笑顔するのね下半身は暴力的に動いているのに

    飲みながらおしっこしたらそれはもう管よ私は一本の管

    死ぬときにこの手握ってくれる人募集中 すこし急いでいます

    明日からも生きようとする者だけが集う夕べのスーパーマーケット

  • 穂村弘さんがテーマを決めて短歌を募集し、その中から選んで評する本。投稿者の年齢層が若いからか意味が分かるというか笑ったり、共感したり、取っ付きやすい短歌が多かった。
    自分と近しい人の作る短歌を見ていると自分でもできそうに思えてくる。
    実際に穂村さんの出すテーマで考えてみて詠んだり、解釈についても自分はこう思ったけど穂村さんはそう感じたのか!それもいいな~と思ったり、短歌を楽しめている(気がする!)
    初めて短歌に触れたい人がいたらこの本を推したい☺️✨

  • 911-H
    文庫

  • 短歌はほんとうにたのしい!
    小説も好きですが、好きなページから好きな分量だけ読んだり、何年も経ってから読替えして新鮮な感じ方をしたり、身に覚えのある感情を見事に57577にしている歌に胸を打たれて自分やそのときの感情についてやっと理解できたり。
    言語化したり名前をつけたりするのは、良くも悪くもとても強い行為なのだと気付かされる。
    言葉はとても強いものだから、だいじに扱っていこう。

  • 短歌のほうが俳句より自由度高いよね。

  • 2021年の初読み本。
    「短歌をください」はダ・ヴィンチの中で一番好きな連載ですが、2010年頃はまだダ・ヴィンチを読んでいなかったので、この本に掲載している短歌をよむのは初めて。
    短歌は読んでいると、世界を他人の目線で見ている感覚になります。
    夜に読んでいたからか、明るい短歌よりも薄暗い短歌の方が目に止まりました。
    特に心に残ったのは
    「ドトールなう」つぶやく君のドトールはここじゃないのかいまじゃないのか
    (p200)

  • すごい発想と表現力

  • わ、穂村さんの文庫新刊。笑わせてもらう気満々で手に取りましたが、私はこれまで彼のエッセイばかり読んでいて、短歌そのものが載っている本は初めて読むことに気づく。穂村さんは歌人なのに(^^。;

    泣ける映画が必ずしもいい映画ではなかったりするけれど、怖い映画も必ずいい映画というわけではない。でも怖い歌は必ずいい歌なのだそうです。他の感情よりも人間の深いところに根ざしているからかもしれないという推察になるほど。

    それにしても選出された歌の作者は皆若い。ジジババおらんし。経験値高い爺婆が恐怖について詠んだらさらに怖い気がする。

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著者プロフィール

穂村弘(ほむら・ひろし)
1962年、北海道生まれ。歌人。1990年、歌集『シンジケート』でデビュー。その後、短歌のみならず、評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、連作『楽しい一日』で短歌研究賞を受賞。エッセイ集『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞受賞。絵本『あかにんじゃ』で第4回ようちえん絵本大賞特別賞受賞。第4歌集『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞受賞。他の著書に『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『短歌ください』『ぼくの短歌ノート』『蚊がいる』など多数。

「2021年 『ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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