百年法 (下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 973
レビュー : 115
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041027103

作品紹介・あらすじ

自ら選んだ人生の結末が目の前に迫ったとき、忘れかけていた生の実感と死の恐怖が、人々を襲う。〈生存制限法〉により、百年目の死に向き合うことになった日本人の選択と覚悟の結末は――!?

感想・レビュー・書評

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  • 上巻より断然面白かった。
    終わり方が好み。
    やはり人間は限られた時間の中で自分の出来ることを見つけ、頑張っていくしかないんです。
    神様になろうとしてはいけないのですね。

    大統領、余り好きではなかったけれど、最後の最後は物凄く粋で格好良かった。

    そしてオジサマ好きな私としてはやはり年齢を重ねてもらわなければ困るのです。
    不老不死反対!

  • 時代が流れていく。上巻では「長い話」との印象が、下巻では「壮大なストーリー」に変わった。

    未来に何を託すのか。死が迫る自分の生活を犠牲にしてでも、次の世代へ希望を託す。未来を受けとる世代は、その重みをしっかり受けとめてくれると信じたい。

    読み終えて数日経ってから、じわっときた。生きるって、いいな。

  •  100年法をめぐって揺れる日本。最初の100年法施行をめぐっての国民投票から50年後の2098年。日本を大きく揺るがす事件が発生する。

     壮大なスケール、暗躍する政治の闇に権力闘争と下巻に入っても読み応え十分! クライマックスの日本崩壊の危機の壮大さは鳥肌ものでした。

     100年法を巡っての国民の選択や考えも興味深いです。上巻からビックリするくらい精神的に成長している人物がいるのですが、それはまだ生きることのできる家族の命が法によって無理やり幕を引かれることに対する疑問からです。

     読み終えて思ったのは人間のキャパシティはある程度決まっているのではないか、ということ。生きることは多かれ少なかれ毎日外部から情報を得て、またうれしい場面、苦しい場面に立ち会うたび人の感情は揺れ動きます。
     その過程で人の情緒はだんだん擦り減っていくように思うのです。特にそれを感じたのが下巻で一貫性を失っていく大統領の言動でした。

     ラストが少し急展開過ぎたように感じましたが、ラストの国民の選択は非常に考えさせられます。日本のため首相が最後に出した二択の話は小説の世界の話だけでなく、
    人口も減り、国債や原発など将来にわたっての課題だらけの今の日本が採るべき選択の話でもあるように感じます。

    『百年法』という小説は寿命と死の物語だけではなく、沈みゆく大国に住む国民が何を選択しなければならないのか、そしてその決断がすぐそこに迫っていることも、教えてくれているように思います。

    第66回日本推理作家協会賞
    第10回本屋大賞9位

  • 不老化処置を受けた国民は処置後百年で死ななければならない、、、不老人間の社会になったら、そうかこんなことになっていくのか、、と考えさせられながら読み進めていったが、最後には、こんなふうにしっかり日本のことを考えてくれる政治家は現実にいるんだろうか、いてほしいなと不老不死や百年法とはちょっと関係ない思いを持った。どんな結末になるのか気になり上下巻一気に読めました。

  • 最近現代ものの小説が多く近未来的な本小説の時代背景に最初ついていけなかったのですが読むごとに引き込まれました。人間の老化を防ぐ術が発見され人類がその手術を受け生きている現代。人為的な死を生むことで起こる世論の葛藤そんな話し。話は重いものの文章のタッチは軽いです。

  • 本屋大賞、2013年9位。不老化手術を受けた人は百年後には死ななければならないという「百年法」にまつわる話。設定は斬新で読みやすいく話の展開も練られてて面白いのだけど、見かけは20歳ぐらいの100歳近い人が一杯居てる社会ってのが生理的に受け入れにくい。恋愛の場面とかもあるけど、ちょっときもい。そんなこんなで、感情移入できなかった。

  • 上巻よりサクサク読めた。
    アナタドウジンとSMOC、いずれもわかりやすい伏線だった。
    光谷は主張がコロコロ変わっておいおいと思ったけど...
    遊佐も自分を取り戻していてよかった。
    やっぱり、永遠の若さではなく、有限だからこそ前を向いて未来のために人間は行動できるのだなと思った。

  • 不老化はいいなぁーと思ったけど、永遠に死なず、家族もリセットされて・・・とか嫌だね、やっぱり。
    世の中も政治も循環するからいいんだね。
    アイズとかIDで全て賄われる時代は、来そうだな。

  • 最後までテンポ良く物語が進む。

    上巻でカッコ良かった遊佐が一気に失速してしまい、なんだかなあ(阿藤快さん亡くなったねえ)と思っていたら、中盤から加速した。
    良かったとホッとする読者。

    上下で長いのだが、会話が多く、後半は改行が半端ないので実際の文章量としてはたいしたものではない。
    読書慣れしていないひとでもスラスラ読めると思う。

    解説の北上氏も書いておられたが、構成がいいと感じた。大胆とも言える。
    不老不死の世の中を調整する意味もある百年法が廃止されたことによって引き起こされる混乱を、つらつらと書いていくだけでも十分人間が死ぬこと死なないことについて問題提起は可能だし、考えさせる。
    ところが作者は敢えて時代を少し送り、回想する程度に抑えている。
    また、聞かせどころの牛島の二回の演説も敢えて内容が書かれていない。この演説を省くことによってラストが際立ったと感じる。
    あれもこれもと書きたがる作家もいるが、本当に絞ったことのみに焦点を当てる削る勇気といったものが上手くいった作品と感じた。

    死なない老いない世界と聞くと、いいように感じるけれど、人間を含め生き物の命に限りがあることには意味がある。
    夫の命も我が家のわんことにゃんこの命も、勿論わたしの命もいつかは尽きる。
    だからこそ毎日が大切なのに違いない。
    わたしはあと何年生きられるかわからないけれど、いつ死んでもいいようにはしておきたい。でも今死ぬことになると、部屋に積んである読まれるの待ちの本が読めなくなってしまうのは誠に残念。これはきっと避けられそうもないけれど。
    読まれるの待ちの本が読めなくて無念だ、というのが最期の言葉になりそう。
    あ、嘘、あなたの妻でいられて幸せでしたと夫に告げよう。照れる。
    あくまで先に逝く予定。

  • 2013年本屋大賞9位

    第二次大戦で原爆6発を投下され壊滅した日本。戦後「日本共和国」を建国するパラレルワールド。
    不老不死の技術を手にした世界では人口増加を抑制するため、不老不死処置を受けた国民は百年を以って死ななければならない通称「百年法」が制定され、その百年目を迎えようとするお話。

    設定だけでワクワクします。
    自分だったらどちらを選ぶかなぁという選択が盛りだくさんで楽しめましたが、個人的にはSMOCを持ち込まずにそのまま最後の選択に進んで欲しかった。

    ただその他にも、卑しさ、嫉み、保身、リーダーシップ、器といった楽しみ方も出来るので満足です。

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著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』など。

「2018年 『代体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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