- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041027103
作品紹介・あらすじ
自ら選んだ人生の結末が目の前に迫ったとき、忘れかけていた生の実感と死の恐怖が、人々を襲う。〈生存制限法〉により、百年目の死に向き合うことになった日本人の選択と覚悟の結末は――!?
感想・レビュー・書評
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今までで一番スピード感を持って読めた作品です。それだけ本書の魅力がすごいということです。
本書の上巻では3つのストーリー、陰謀がそれぞれ蠢きます。
下巻はその3つが1点に集約するわけでもなくまるでミサンガのようにそれぞれがゆっくりゆっくり束になっていきます。
緊急事態が起きた時の遊佐首相がカッコ良すぎました!
バトル漫画の主人公とは違う仕事をしていて特殊能力を使うことはないです。ですが、闘いは時より訪れます。法律に則り、自分が嫌われようと国民、日本の未来のために冷静に闘う一個人。リアルな英雄をみれました。
こんなにかっこいい人を見たことはありません。
本書は仕事をする我々にとってのヒーロー像を見せてくれる一冊でした。 -
不老不死とそこに生きる人類をテーマにした作品。
HAVIといわれる不老不死処置を受ければ、受けた時の年齢のままの容姿で生き続けられる。
それにより世界はどうなるのか…人口が減らず新しい血の入れ替わりが起きなくなり停滞してしまう。
そこを改善するために考えられたのが「百年法」といわれる「処置後100年をもって生存権をはじめとする基本的人権は全て放棄しなければならない」とする法律。要するに100年経ったら死になさいというもの。処置を受ける受けないは本人の自由。
100年経っても生きようとする者、非処置者などが複雑に絡み合い、それからの日本をどうしていくべきなのか…壮大なスケールで描かれており、SF作品の中に現代の問題提起をしているようで楽しく読み進められた。 -
山田宗樹作品、初読。
ブクログでの評価が全体的に高かったので、手に取ってみました。
設定はSF的ですが、全然違和感なくこの独特な世界観に入り込むことができ、登場人物の多さに初めは戸惑いましたが、いろいろな側面から進む物語は構成も巧く、それぞれの人物像もしっかりしていて誰が誰だか分からなくなるとゆうようなこともありませんでした。
うまく言えませんが、SFとゆうベールに包んで、本当はいまこの現実の社会が直面している問題を風刺しているような印象を受けた作品でした。
ブクログ評価が高いのにも納得の内容です。個人的にはとても面白かったです。 -
不老不死になれるウイルスが見つかり、若い姿のままに死ぬことのなくなった世界。
永遠に生きられる、とは聞こえはよいが、そうは言ってもやはり、歳を多くとったものが増えれば、日本が衰退していくだろうという、誰かの緻密な予測が立てられた。
そこで、不死の措置をしてから100年経てば、生存権を失う、という法律を作ることとなった。
というのが基本的なあらすじとなるが、当然、100年までしか生きられないという法律を作ることに対して、猛反発が起こり、制定しようとする政府側も何とか成立させようとする。こういった話が序盤に続くので、果たしてこの物語はどう終わりを迎えるのだろうか、と疑問に思いながらページをめくった。
途中のとある展開で、もしかしたらこういう終わり方をするのかな、という予測が、結末でズバリと当たってしまったが、それでも、面白さは変わることはなかった。
ただし、相当な長さではあるので、まとまった時間をとって一気に読み進めることをお勧めします。
唯一読んで失敗したのは、隙間時間に読んでしまったがために、他のことに集中できなくなってしまったことですかね笑 -
上下巻合わせての感想です。
映画やドラマの脚本みたいでした!!むしろそうして欲しい!!なぜなら、他の方も仰るように、登場人物が多く、あまり感情が乗せられない文章ではありますが、ストーリーは抜群に面白いっ。
逆に言えば、感情的に深くハマる部分が少ない分、客観的に多角的に素晴らしい物語を楽しむことができました!
日本の未来や今現在の政治、経済、国民の生活、医療や死生観を考えるにあたり、リアリティーが持てるので、読了後は思慮深く考察ができます。
個人的には主人公になるとしたら、私は遊佐さんだと思います。かっこよ!!
牛島さんとのやりとりが最後は堪らなくかっこいい!!
そしてしいて言うなら、女性がからむ場面は、途端に下品でつまらなくなる。。。
でもこれは人に勧められる本だと思います。 -
気になってはいたけど、なかなか手に入らず、かなりハードルを上げた状態で読み始めました。途中までは、この世界、この思考、この流れ、本当にありえるのか?となかなか読み進められませんでしたが、後半になるにつれ、没入。壮大なエンターテイメント作品を見せてもらえた気分になりました。
著者プロフィール
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