今日も一日きみを見てた

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.21
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本棚登録 : 978
感想 : 138
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041027332

感想・レビュー・書評

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  • 犬派か猫派か、と聞かれたら猫派ですと即答できるくらい私は猫が好きです。だからこの本を気に入った!というのではなく、ペットへの愛、想い、というものをこれだけ的確に丁寧に、そして温かく描いている本は初めて読んだ、と思えたので、すごくステキな本だ!と感じたのです。
    猫好きといいましたが飼ったことはなく、人様のの猫の写真や動画を眺めて萌えをのたまうくらいの外野の人間ですが、きっと一緒に暮らしたら感じるのだろうな、というイマジネーションがくっきりとあたたかさを感じる形で描けるようなエピソードばかりで、ああ、いいなあ、とひたすらうらやましく感じたのです。
    いいなあ、そして、幸せだなあと。
    飼う側、飼われる側、ともに。
    そういう関係を築いてともに過ごせるものを得られることって、奇跡だと、思うのです。少しでも長くこの奇跡が続けばいいなあ、と思えたのでした。

  •  角田光代さんのTwitterでよく見かけるトトちゃんのファンだったので、迷わず購入しました。
      
     家族だけど、親子ではない。
     猫の姿かたちをしているけれどどこか人間っぽい。
     そんな不思議な小さな生き物と暮らす、飼い主である角田さんの新鮮な驚きと喜びと感動が伝わってくる。角田さんのフィルターを通して、猫を飼うことでどのように自分の世界が変わるのかを体験できる。
     思うのだけど、繊細で柔らかい生き物を愛することで、自分の中のがさついたこわばった部分まで、柔らかく繊細になっていくのかもしれない。角田さん自身も、トトちゃんによって救われたというお話をしているけれど、そういうことってあると思う。

     とにかくトトちゃんがかわいすぎて、私もなんども不思議な声を出してしまいました。(笑)

  • 小説家角田光代さんの猫エッセイ。
    飼い猫トトはんのかわいさといじらしさにほわわわーんとしながらページをめくり、角田さんのトトはんへの愛情深さと感受性の強さに胸がつまる思いになりながらページをめくり。そして、角田さんに子猫を譲った西原理恵子さんに心の中で拍手喝采しながらページをめくり。
    でも、読み終わればただただ幸せな気持ちで満たされた。温かい、温かいエッセイだった。

  • 可愛すぎる!
    ネコ&ネコ飼い「あるある」満載!
    ネコにまつわる日常も角田さんにかかるとこんなに表現豊かになるのか・・・だからやっぱり角田さんからは離れられない!

  • 角田さんのお家にやってきたアメリカンショートヘアのトト。
    猫や動物を飼ったことのなかった角田さんとトトの日常。

    なんてかわいい本なんだろう。
    トトの写真が入りすぎない程度に出てくるのもたまらないが
    トトの表現が写真以上に角田さんの言葉で読むだけで頭に浮かんでくるこの文章力よ!

    こんなかわいい本、初めて。
    ことばで、文字で、こんなに「可愛さ」を表現できるってすごい。

  • 飼い猫トトちゃんへの愛があふれたエッセイ。
    よそさまが来ているときのトトちゃんの習性に嬉し恥ずかしい気持ちになったり、そばで眠るトトちゃんの寝息に至福を感じたり、わかる!わかります!というエピソードもたくさんあって、猫といういきものへの恋しさがくすぐられまくりでした。猫好きは世界中のすべての猫が好きというのも納得。
    そして飼い猫に助けられているというあの感覚も身に覚えがありすぎた。
    猫のほうではこちらを救おうなんて思っちゃいないのだろうし、だから猫は私たちを救うのではなく、でも私たちは救われている。
    実家にいたとき一緒にすごした猫に会いたくてたまらなくなった。息苦しく絶望的にさえ思えた日々のなかで、何度その存在に救われてきただろう。
    あー猫。猫なでまわしたい。猫飼いたい。

  • うちにも可愛いのがいるので、どこを読んでも「うんうん、分かる分かる。そうなのよねぇ〜」と頷きながら、笑いながら、ポロポロ泣きながら、あっという間に読んでしまいました。
    角田さんの目線で、角田さんだから書ける表現で書かれていて、さすがだなぁ〜と思います。
    区切り区切りに出ている、角田さんご自身やご主人の撮影したトトちゃんはやはり身近な人のみが撮れる素敵な瞬間のものばかりですね。

  • 「猫無知」を自称していた角田さんと愛猫トトちゃんの記録。
    全編通して随所で笑い、角田さんがトトちゃんの楽しい夢を願う場面では涙で字を追えなくなり、終章「猫がきた理由」に至ってはボロ泣きだった。
    どの文からも写真からも、トトちゃんや世界中の猫たちへの愛が溢れていて、読みながらずっとにんまりしていた。
    「(前略)猫は基本的にやさしい生きものではないかと思うようになった。犬も鳥もやさしいが、それぞれ、やさしさの種類が違うように思う。猫のやさしさは奥ゆかしい。遠慮がちですらあるように、思う。」53ページより
    この言葉にはうんうんとうなずいた。
    「一匹の猫は、全世界の猫となるのである。ノンフィクションの現在ばかりではなく、過去未来フィクションまで含む、全世界だ。一匹の猫によって、私たちは、全世界の猫の幸福を祈るに至る。」207ページより
    トトちゃんと、全世界の猫の幸福を、私も心から祈る。

    • 杜のうさこさん
      そらいろぺんぎんさん、はじめまして。
      杜のうさこです。
      フォローありがとうございます!

      私も、猫ちゃんものには目がなく、
      読んで...
      そらいろぺんぎんさん、はじめまして。
      杜のうさこです。
      フォローありがとうございます!

      私も、猫ちゃんものには目がなく、
      読んでは泣き笑いしています。
      猫ちゃんいっぱいな、そらいろぺんぎんさんの本棚。
      ワクワクしながら拝見しました♪

      私もフォローさせてくださいね。
      どうぞよろしくお願いします。
      2016/01/30
  • ねこ好きには、たまらない本。
    いや、苦手な人にこそ読んでほしい本。

    何度も頷き、笑い、そして涙しながら
    読みました。
    出会った日から、ずっと私の心を
    掴んで離さないネコの魅力。
    文字にするとこうなるんだと感動しました。

  • 角田さんの小説は読んだ事無かったので、いきなりエッセイになったなー。猫うちにもいるけど、なんで自分が猫が好きなのか、読んでて腑に落ちる。特にacとbcには納得。私は幼い頃に田舎で買ってた猫によってbcだったんだなー。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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