<面白さ>の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか (角川新書)
- KADOKAWA (2015年5月10日発売)


- 本 ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041027530
作品紹介・あらすじ
『ワンピース』『進撃の巨人』『奇生獣』『スターウォーズ』『半沢直樹』、そして宮崎アニメ。現実と異なる「世界」を「人間」より優先して描く大作エンタメはなぜ成立する?なぜ<面白さ>は伝わるのかを徹底解析!
感想・レビュー・書評
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人類が古代には土地を奪いあい、現代ではエネルギーを奪いあい…さて次は「時間」なのでは。というのが面白かった。
確かに、落語などの1時間、30分のお笑いが、テレビによって5分、3分と短縮され、さらに動画アプリなどで1分、20秒とわかりやすいインパクト重視のエンタメになっている現状を見るとこの先、どうなってしまうのだろうと心配のほうが大きい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難しくて想像と違う内容でした、
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ちょっと難しい…と感じた
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スターウォーズ、半沢直樹(小説、TBSテレビ系)、踊る大捜査線(フジテレビ系)、となりのトトロ、エヴァンゲリオン、ワンピース、千と千尋の神隠し、失踪日記、寄生獣、精霊の守り人、進撃の巨人
などの作品(世界観エンタメ ; 作品世界を優先している作品)を分析。
著者の都留泰作氏は、漫画実作者、かつ、文化人類学者(京都精華大学マンガ学部准教授)。
[目次]
序章 エンタメの研究--文化人類学から考える
第1章 空間感覚の研究--「スターウォーズ」「となりのトトロ」「精霊の守り人」
第2章 時空感覚と社会空間の研究--「千と千尋の神隠し」「ワンピース」「進撃の巨人」
第3章 人間の世界の研究--「踊る大捜査線」「半沢直樹」、そしてゾンビ
第4章 "居住空間の外"の研究--「Jホラー」と「寄生獣」
終章 私小説的な"世界観エンタメ"の研究--「エヴァンゲリオン」と「失踪日記」 -
再読。
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映画やアニメやドラマや漫画のヒット作のエンタメ性(面白さ)を、感性からではなく様式的に言語化を試みた本。著者は漫画家兼文化人類学者である。空間・時間・人間関係・人間内面・異界といういくつかのパースペクティブから、ヒット作の「世界観」を分析し意味づける。ヒットの理由を、無理やり後付けするような感じもなくはないが、それなりに納得できる内容だ。分析の対象に、「小説」がないのがちょっと不思議であるが、エンターテインメントの将来を、《人間感覚を土地や都市や農地のように「資源」として開拓していく》と表現したのが印象深い。
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この世界観エンタメはこうして考察をするからこそより面白いし、それを文化人類学者であって漫画家である筆者がするだからその光の当て方は面白いし興味深かった。
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うーん、イマイチ。
ストーリーよりも登場人物のキャラを重視するキャラクター小説やアニメの勢いがある今、あえて「世界観」という切り口でエンタメを考察する、というコンセプトは面白い。
が、いかんせんふわふわしているのだ。
本当に学者なの?とツッコミたくなるような話が延々と展開される。エンタメを文化人類学に引き付けるのはいいが、全体的に説得力に欠ける。アイデアは面白いのだけど。
いわゆる考察厨がブログや掲示板に書いているのと大差ない気が、というイメージがどうしても拭え切れないまま読了。
まあ新書なので、肩肘張らずにさらっと読むにはいいんじゃないでしょうか。 -
エンタメコンテンツを登場人物のキャラの掘り下げではなく、【世界観】から分析した本。
文化人類学者がどうエスノフラフィをしてきたのか、それをもって世の中を観察し世界観を構築するとはどういうことかがよくわかる。
なぜこのエンタメ(映画、漫画、小説)は面白いのか、を時間感覚やひとつのセリフからの世界の広がりなど多様な面から分析している。
エンタメの考え方の基礎となる良書。何度でも読み返して噛み砕きたい。
著者プロフィール
都留泰作の作品





