傘をもたない蟻たちは

  • KADOKAWA/角川書店 (2015年6月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041028339

作品紹介

無限の悲しみはどこまでも僕を埋め尽くす――。いまを生きる人々の「生」と「性」を浮き彫りにする6編の物語を収録。累計20万部のデビュー小説『ピンクとグレー』の映画化で注目の加藤シゲアキ、最新刊!

傘をもたない蟻たちはの感想・レビュー・書評

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  • 今を生きる人の「生」と「性」をテーマにした6編の物語。
    割と後味の悪いものが多かった印象です。

    「染色」
    「undress」
    「イガヌの雨」
    「恋愛小説(仮)」
    「インターセプト」
    「にべもなく、よるべもなく」

    「undress」~「インターセプト」は「世にも奇妙な…」を観た後のような読後感。
    恋愛、青春、SF、心理サスペンス、といろいろなジャンルが詰め込まれていておもしろかったです。よく考えて書かれていて、実験的、挑戦、という言葉がすごく浮かぶ一冊でした。書く幅を広げているのだなぁ。
    文章に若干のかっこつけは感じちゃいますが…(笑)
    「イガヌの雨」の食事の描写がとてもおいしそうで…イガヌは気持ち悪いけど、食べる描写がとてもうまいと感心しました。

    「インターセプト」は終わりでかなりぞくぞくしましたが、お話の構成がとてもおもしろかったです。

    一番いいなと思ったのが、「にべもなく、よるべもなく」です。中学生の幼馴染同士の葛藤、少し重めの内容でした。ケイスケと純の海でのシーン、お互いを想う気持ちの尊さを感じるとてもよい場面でした。
    現実的な終わり方に少し切なさを感じつつも、爽やかな気持ちで読み終えました。

    描写がとてもきちんとしていて、いい意味でとても読みやすいなと思いました。

  • 恐るべし加藤シゲアキ。
    彼の作品を初めて読んだけど、かなりの面白さに度肝を抜かれた。
    最近読んだ中ではダントツ面白い。
    短編集なんだけど、どれも毛色が違って凄い。
    全てが面白かったけど「イガヌの雨」「インターセプト」が斬新。
    加藤シゲアキの作品は、これからも期待。

  • 短編集。今回は芸能界ものはなく、恋愛、不条理、SF的な設定等、いろんなジャンルがあって、なかなか楽しめました。

    私がいちばん面白かったのは「イガヌの雨」。まず「イガヌ」って何?ってとこから気になるし、想像の斜め上をいく設定でこの発想は素直にすごいと思った。

    意気揚々と脱サラしたはずの男が、信頼していたありとあらゆる人の裏切りを知って追いつめられていく「Undress」もなかなかブラックでスリリング。「インターセプト」も似たタイプの話だけれど、こちらもよくできていて感心。

    「恋愛小説(仮)」は自分で書いた小説を夢で実現できる話で、映画『ルビー・スパークス』を思い出した。

    逆に「染色」「にべもなく、よるべもなく 」といった恋愛、青春もののほうが私にはイマイチで、必要であれば性描写は全然かまわないけれどちょっと背伸びしすぎのような、アイドルだってセックスについて書くんだぜと無理して入れた感じがして逆に違和感。

    「にべもなく、よるべもなく」のほうは収録作品中ではいちばん長く、書き下ろしになっていますが、長編むきの題材をよく練らないうちに短編に詰め込んだような印象だし、やや唐突なBL展開はちょっと微妙。あまり推敲する時間がなかったのかな?と思うような部分もちょいちょい目につき、まあこういうのは著者だけでなく担当編集者や校閲からちょっと注意してあげればいいのにと思ったりもしますが。

    ※収録作品
    染色/Undress/恋愛小説(仮)/イガヌの雨/インターセプト/にべもなく、よるべもなく

  • 基本的に長編が好きで、好きな作家さんでも長編は読むけど短編は読まなかったりする。
    長編の渋谷サーガシリーズよりも私は本作のほうが好きかも。
    久しぶりに短編をおもしろいと感じた。
    インターセプトにザワッ。

  • 『ピンクとグレー』を読んだのでこっちも。
    私はこっちのほうが好み(映像化としてのピンクとグレーは嫌いじゃなかった)

    染色/Undress/インターセプトの3本が特によかった。アイドルとして活躍する彼の姿を重ねるて読むと、違和感があるようなないような、もっといろんな表現を見てみたいと思った。純粋に作品として、読み応えありますよ。

    アイドルってなんだろうなあ。きっと悩んだりしたときもあっただろうに、どこでどう納得してその立場を続けているんだろう。

  • 初めて読んだ作家さん&ドラマ化で原作が気になって読んだ作品。面白く、瑞々しくも甘酸っぱい、恋愛要素も混じっている作品だという印象。主人公の心情などを繊細に表現されていて、様々な環境でもがきながら懸命に生きる青年の描写が精巧で良い。イガヌの話は最後までイガヌがどのような存在なのかよく理解できず、おそらく今まで見たことがない生物の類なのかなと感じながら、薄気味悪いかなと思ってしまう所もありつつ読了した感じだった。にべもなくの話に出てくる小説のその後が気になると感じ、根津爺が良い存在感を出しているのが良かった。

  • ・染色 ー美大生の短くて激しい恋と、将来への葛藤を極彩色で綴る
    ・Undress -サラリーマンの真の自由とは!?男を取り巻く不条理な世界
    ・恋愛小説(仮) -原稿の書き出しが夢の中で現実に起こって……初恋ファンタジー
    ・イガヌの雨 -美味な生物が突然空から降ってきた。食欲をそそる近未来SF
    ・インターセプト -彼女を落とせば俺の勝ち。自信家の男が用意した秘策とは
    ・にべもなく、よるべもなく -二人の男子中学生の愛と性。書き下ろし作品


    加藤君の新作。短編は初になるのかな。
    どれも読みやすく面白かった。他の方のレビューでもあったけど、何編かは世にも奇妙な~、っぽい。
    大人の描写もあって、アイドルでも書くんだなぁと驚き。まあでも作家先生なら当然か。

  • 読みやすい文章で一気読みしました。
    短編集。イガヌ、妄想ラインが印象的。
    心理描写がうまいなー。と思った。
    2015年8月30日

  • 加藤くんの本を読んでレビューを書くとき、必ずジャニーズが好きではなくアイドルとしての彼のファンではないと付け加えなくてはならないのがもどかしい。もっと評価されていいはずなのに、小説家として。

    頭がいいんだろうな。あと感性が鋭い。デビュー作から全て読んでますが格段に腕を上げてきている。表現がリアルになったと感じたのはアイドル小説からの脱却してるからかしら。短編は下手に描くとつまらない代物にしかならないのに、きちんと上げて落としてをしていることもあってどの短編も面白く読めた。個人的に特に好きなのは脱サラをやり遂げたつもりが陥れられた一人の男を描いた「undress」SF小説家が苦手な恋愛小説を依頼されふとしたことから初恋の相手にある意味で巡り会うことができた「恋愛小説(仮)」はとても巧妙にSF恋愛小説として成り立っている。恋愛の駆け引きと逆ストーカーを男女別々の視点で巧みに描いた「インターセプト」が好きです。

    前評判としてジャニーズなのに性描写を、とあったけど、そこはまだだめかな。無理した感と小綺麗に描こうとしてる感が否めなかった。
    次回作も楽しみな作家さんのひとり。

    今回はタイトルがすごく好き。

  • ジャニーズ事務所所属のアイドルである、NEWSの加藤シゲアキの最新作!1年に1冊のペースなので毎年、新刊の発売を楽しみにしている。今回は6作品を収録した短編集。6作品全て毛色が違う話で飽きがこないし、加藤シゲアキの新境地かと感じる作品もあった。『染色』『Undress』『恋愛小説(仮)』の前半3作品がお気に入り。『Undress』は背筋が凍るような作品だった。執筆を重ねる度にレベルがどんどん上がっていき、ファンとしてはこれからの活躍も期待をしたい。

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