- 本 ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041028469
作品紹介・あらすじ
「不快に思う人もいるのだから自重しろ」--。いつからか日本は、何をしても「誰からかのネガティブな反応」を心配しなくてはならない国になった。なぜこういう事態になってしまったのか。彼らの精神構造とは。
感想・レビュー・書評
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ジャポニカ学習帳の表紙、そういえば変わったんだなと思ってたら、昆虫が気持ち悪いというクレームのせいだったと知りびっくり。確かに子どもの頃もっと可愛いのが良いと思ったことはあるが、クレームをつけようという発想にまで普通は至らない。店や企業でなくとも、どうせ話が通じないからとりあえず謝って最短で片付けようとするのは個人レベルでもあると思う。
みんなが買っているから、行列ができているから良いに違いないと考えるヒューリスティックな情報処理はやはり失敗が多くなりがちなので、SNSに踊らされずシステマティックな思考法を心がけたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あ~いるいる、こういう人
じゃなくて
自分にもこういう一面あるなぁ・・・と
反省にもよい。読んでよかった。
「過剰反応しやすい人の心理的特徴のひとつとして、認知的複雑性ん低さをあげることができる。
認知的複雑性とは、物事を単純化せずに多面的にみることができることをさす。
認知的複雑性が低い人は、物事を単純化するクセがあるのだが
それは一面的にしか見ていないからである。」
解決策はなかなかどうしてマクロ的にならざるを得ないが、
「近隣住民が保育園にクレームをつける」ことに対して「近隣住民にその子供たちを『知っている存在』に帰る」ために「保育園の運動会に招待する」など接点を増やすような工夫をする・・・に身近な解決策の活路を見いだせそうです。
若い人だけじゃなくて会社に蔓延る「お局さん」も大抵こんなタイプだよなぁ・・・。 -
http://naokis.doorblog.jp/archives/society_maturation.html【書評】『 「過剰反応」社会の悪夢』〜常識の崩壊ではなく社会の成熟という側面を見落としがち
<目次>
はじめに
第1章 過剰反応社会を象徴する現象
第2章 身近にもいる過剰反応な人々
第3章 過剰反応の心理構造
第4章 過剰反応を生み出す社会
第5章 過剰反応を防ぐために
おわりに
2015.06.23 あゆみ書店で見つける。 -
クレームはビジネスにはつきものだ。
真っ当な意見もあり、それを改善することでより良いサービスの提供ができるので、全てを切り捨てることがあってはならない。
顧客満足が得られなければ、企業の存続に関わる大問題になりうるからだ。
しかし、双方にとって有益な、「前向きなクレーム」とは言い難いものも少なからずある。
本書で紹介されているものとしては、
・ノートの表紙の昆虫が気持ち悪い
・CMで描かれる就活生の姿がリアルすぎるのでやめてほしい
などというものだ。
「自分が気に入らないという理由で排除しようとする」(17頁)考え方はとても危険だ。
「自分の感受性に世の中を合わせさせるという発想はあまりに自己中心的と言えないだろうか」(69頁)と著者は苦言を呈する。
ではなぜそんな行きすぎた発想になるのか。
それは第3章で示されている。
ここで紹介される思考傾向は、多かれ少なかれ誰でもあるもので、こんな発想だからすぐだめだ、と断罪するものではない。
しかし、自らの思考傾向を把握することで、己の振り返りとし、自分自身をコントロールする術としたい。
ネットの海には刺激的な言葉があちこちに浮いている。
それに慣れてしまうともっと激しいものでしか満足できなくなってしまう。
第5章の、過剰反応を防ぐために、の中で最も大切だと思えたのは、人との関わりの中で問題を解決するということだ。
相手を理解しよう、そこが第一歩なのだ。 -
期待通りっつうちゃ期待通り、新味がないといえば新味がない。書いてある通りだと思うし、読んでると近隣某国とも重なって気が滅入る。
確かに数として多いわけではないが影響力が大きいだけに取り扱い面倒臭いし、実際増えてきていると感じている。
では、そこにどう対処すべきか。
そこに触れている本ではない。 -
ネットで叩く、謝罪を要求するクレームなど以外にも、相手の望むリアクションを取るとか、場の空気を盛り上げようと無理にお調子者を演じることなども「過剰反応」として扱っている。
一つのテーマで世相を切り取ったエッセイのようなもの。 -
3
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時代と共に価値観は変わるし、マイノリティーの意見が表明しやすくなっている点は悪い事ではない。権利は主張していかないと侵害されるだけなので。クレーム対応は個々に判断すればいいだけの話。企業も商売なので、儲かる事は継続するし、儲からない事は止めるというだけの事。ただし、儲けるための違法行為を糾弾するのは当然の行為。何か分析がなされているわけではなく、著者の感情的反応が羅列されているだけという印象。
著者プロフィール
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