霧の楽園 (角川ルビー文庫)

著者 :
制作 : 笠井 あゆみ 
  • KADOKAWA/角川書店
3.73
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本棚登録 : 93
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041028513

作品紹介・あらすじ

時は大正。伯爵家の嫡子・裕太郎と使用人の学は唯一無二の幼馴染。優しくしてくれる裕太郎に、身分の違いから一線を引こうとする学だが、裕太郎の強い想いには抗えず…。

感想・レビュー・書評

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  • 伯爵家の嫡子(養子)×引っ込み思案な奉公人(多重人格)

  • 大正時代の裕福なお家の主従関係もの。攻めが受けを溺愛するのも、狂っているのもおいしく頂けました。最後に妹の手紙でなんとなく予想はしてたけど、なるほどと思いました。お父さんは知ってたのかな?知っていたから余計に受けに暴力をふるっていたのかもしれません。まぁなんにせよハッピーエンドでよかったです。

  • まぁ。葵様ったら意外に大胆ですのね。バルコニイからご覧になるなんて─なんだかすっかり大正ロマンにやられてしまった。仄暗い話に笠井さんの絵がぴったり。このレーベルにしては良い意味で予想を裏切られました。濃い短編。一時酔いしれるのにはちょうど良いかと。丸木さん、流石だ。

  • 菊子が気になる…。丸木作品だから「彼女」との絡みもあると思ったのにな~しかし最後の葵の手紙はなんて江戸川乱歩調か。世にも奇妙な物語。

    二周読むと訳の分からない独白?モノローグ?がほぅとなる。学の夢で出てきた棺桶というワードは「ビリー・ミリガンと23の棺」を連想した。虐待は人格破壊に繋がるという…。うーん、オチからの続きがもっと読みたかったな。

  • 大正時代の主従ものです。
    身分差だけでなく体格差もあります。

    日清・日露戦争で功績をあげたことで伯爵となり、その後煙草産業で財を築き上げた赤井伯爵家の嫡子 祐太郎のお気に入りは庭師の息子である下男の学。
    絶えず側に呼び寄せては髪を撫で口吸いをしてきて。

    そう、口吸い、この言葉が大正時代らしいというのでしょうか。


    学は幼い頃に母親が他の奉公人と駆け落ちしてしまい、母親似であることから父親からひどい虐待を受けています、時には気絶してしまうくらいに。

    祐太郎は血縁ということに妙に執着していたり、学が出て行くのではという不安に怯えていて怖いくらいだと。
    そして祐太郎の友人が学の人相を見て不思議な言葉を言うのですが、それが真実でした。
    薄々は感じてはいましたね。

    その真実は学や祐太郎の口や行動ではなく、祐太郎の妹である葵から母親へと宛てられた手紙でと語られて物語は終わります。

    異常であるのは祐太郎ですが、学をそして祐太郎自身を守るためのことなのですね。
    この二人、昭和はどのように生きていったのかきになります。


    ルビー文庫からというのがちょっと不思議でもある作品でした。

  • 以前はご自身でイラスト描かれていた丸木センセですが、「罪の蜜」「鬼子の夢」「忍姦」等、笠井あゆみセンセとの最強タッグで魅せてくれる作品がすごくいいですね。互いの持ち味が生かされています。
    隠微で官能的な丸木文華ワールド全開のストーリーでした。
    大正レトロBL。伯爵家の嫡子と奉公人の身分を超えた禁断の愛が描かれています。
    裕福で何不自由ない暮らしを送る祐太郎は、明るくて頼もしくてイケメンでどこから見ても完璧な王子様です。
    そんな彼が溺愛して庇護する学は、父親から暴力を受けても忍耐し健気に日々を過ごす薄幸のヒロインそのもの。

    独特の仄暗いドロドロした濃厚なエロさはさすがでしたw
    この先何かあるよね?ぜったいあるよね??と思わせる不穏な予兆、伏線にゾワゾワさせられました!
    父親の暴力に耐え抜く学は痛々しいですが、我慢するうちに抑圧された感情が無意識のうちに膨らんでしまったんでしょうか…
    祐太郎も完璧な王子というわけじゃなく、かなりひどく侵されていましたw溺愛じゃなくて、執着しまくりです。
    なぜ、学にそこまで執着を見せるのか?というところが病んでいましたね…
    学の一線を引いた態度に、あと一歩踏み込めなかった祐太郎。とてもじれったかったのですが、その分、学の父親失踪事件の後、タガが外れたように学を抱き潰すシーンでは萌え滾りました…w
    ものすごく執拗に学を抱く祐太郎は、王子様キャラ完全に消えて危ない人レベルになってるけど、これはこれで萌えます。可愛い、可愛いって言い過ぎ~!
    何でそうなったかというのは、次第に理解できてくる仕掛けになっています。

    究極のハッピーエンドでした。葵がキモッって怒っているのが目に浮かぶようです…
    話のまとめ方は「妖の宴」のようなかんじ。独特の情念の世界が確立している丸木センセです。

  • 伯爵家の嫡子・裕太郎×奉公人・学。大正時代の主従もの。
    レーベルと厚みから考えてた以上のねっとりと濃いお話でした。

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著者プロフィール

埼玉県出身。BL、乙女小説、ゲームシナリオを中心にジャンルを跨いで幅広く活動中。近刊は、『カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語』 (集英社オレンジ文庫) など。

「2018年 『ヤクザに惚れられました~フェロモン探偵つくづく受難の日々~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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