特命捜査 彷徨う警官 (2) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 37
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041029343

作品紹介・あらすじ

2011年春、大震災直後に蒲田署から警視庁捜査一課へ異動した北郷に与えられた任務は15年前の『大森女子大生放火殺人事件』の解明。アクの強い古参刑事や女性刑事を部下に従え班長代理・北郷が難事件に挑む。

感想・レビュー・書評

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  • 森詠『特命捜査 彷徨う警官 2』角川文庫。

    本格警察小説のシリーズ第2弾。ちなみに貰い物の本でシリーズ第1作は読んでいない。

    まさに地を這うような捜査の中、東日本大震災の混乱が描かれ、リアリティを感じる。しかし、色々と詰め込んだ割りには真犯人に辿り着く過程がいやにあっさりした感じで些か拍子抜けした。

    プロローグに描かれたのは2011年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災の地震の描写……

    東日本大震災の直後に蒲田署から警視庁捜査一課に異動した北郷に与えられた最初の任務は15年前に発生した『大森女子大生放火殺人事件』の全容解明であり、北郷は班長代理として捜査能力は一流だが一癖も二癖もあるゴンゾウたちと二人の女性刑事を従え、この難事件に挑む。

    本体価格800円(貰い物0円)
    ★★★★

  • 面白かった。特命捜査対策室7係の面々が魅力的。北郷も熱いが冷静。ページをめくる手が止まらない。

  • 彷徨う警官シリーズ、2作目。

    1作目を読んだのが随分前だったので、内容をほとんど覚えていなかったのですが、登場人物、事件背景など複雑ながら分かり易く描かれていて、非常に読みやすく、面白い警察小説になっていたのは印象に残っています。続編となる今作も同じ。コールドケースとなっていた女子大生放火殺人事件を、北郷率いる特命班が如何に掘り起こしていくか、北郷の冴えた刑事勘と筋道立った捜査がバランス良く、非常に分かり易かった。特命班のメンバーのそれぞれの得意分野が生かされているのも良し。
    ただ、「ゴンゾウ」呼ばわりされていた面々を集めてきたという割に、皆、捜査員として普通に優秀でどこがゴンゾウなのか、、、と。チームをまとめ上げる北郷の手腕は特に必要なかったような、、、。皆にもう少しクセがあったらもっと面白かったかな。人物背景に東日本大震災というタイムリーなものを持ってくるのは、個人的にあまり好みではないけれども、今作は上手くフィットしていて良かったと思う。
    ただ、最後にして北郷が法を逸脱する奥の手を使うのがね、、、。前作もそうだけど、それまでがちゃんと合法的に筋道だった捜査をしていただけに、終盤でそれをひっくり返すのは勿体ないなと感じました。

  • コールドケースを解決する物語。ゴンゾウを集めたという設定の割には、登場人物に強烈な個性は感じられず。迷宮入りした原因、解決に至る過程もあっさりという感じ。

  • 個人的にはこの手の小説が好きなので、ものすごく面白かった。

    500ページ少しとボリュームはあるが、この物語のメインとなる捜査捜査対策室7係のキャラクターが、何とも魅力的である。能力や実績はあるのに仕事をしない刑事(刑事用語では、ゴンゾウと呼ばれているらしい。)が寄せ集められて、最初はバラバラだったチームが次第にまとまっていく様子、それぞれの得意分野を生かした捜査、そして各キャラクターのバックグラウンドまで丁寧に描かれていて、非常に読み応えがあった。

    途中からこの班に加わった2人の女性刑事も大活躍し、物語に良い意味でアクセントを加えている。

    ただ、これを読んでいる最中に熊本を中心とする大規模な地震が発生してしまい、3.11の直後という設定な本書と重なり合ってしまったのが辛く、P240前後で思わず涙してしまいしばらく先が読めなかった。

    とダラダラと書き連ねてしまったが、佐々木譲氏"地層捜査"、"代官山コールドケース"が好きな人には、おすすめです!

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著者プロフィール

森 詠 もり・えい
栃木県旧大田原町出身。那須地方に育つ。
東京外国語大学卒。主な著作に『振り返れば、風』『燃える波濤』『雨はいつまで降り続く』『夏の旅人』『冬の翼』、戦争小説『日本朝鮮戦争』、警察小説『横浜狼犬』『清算』、青春小説『オサムの朝』『少年記オサム14歳』『那珂川青春記』『日に新たなり』『はるか青春』『パートナー』等がある。
最近、歴史時代小説『七人の弁慶』や『坂東三国志』も書いている。

「2022年 『父、密命に死す 会津武士道2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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