妖奇庵夜話 魔女の鳥籠 (角川ホラー文庫)

著者 :
制作 : 中村 明日美子 
  • KADOKAWA/角川書店
3.88
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本棚登録 : 414
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041029404

作品紹介・あらすじ

子供の誘拐事件が起こった。犯人は「山姥」だという。妖人茶道家の伊織はそれを否定するが、一方で、妖人女性の連続自殺事件が起こり……。風邪で弱っている伊織も必見! 書き下ろし最新作。

感想・レビュー・書評

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  • とうとう伊織の大切な家族が青目によって傷つけられました。血縁のある家族から血縁のない家族を守らなければならない伊織です。
    青目の悲惨な幼少時代が描かれ、何故彼がこれほど伊織に執着するのかうっすらと垣間見えます。少しずつ伊織が激流に呑み込まれていきそうです。それでも、青目を断ち切ることが出来ないのは、伊織の優しさとやっぱり兄弟として一緒に過ごした日々があるからでしょうね。そして青目には伊織しかいないことがわかってるから……
    今回の事件は母娘の関係。執着と依存。近すぎて難しい関係です。

  • 特にするつもりはなかったのに一気読み。
    先がきになるので止めどころがわからない。
    この作者のすごいところは、いろんなキャラクターの視点での語りを細かく挟む(しかも最初のうちは語り手が誰か明記されていない)中で話が進んでいくのだが、混乱しないし、飽きない。
    よくこういう構成で私が陥るのは、『まだ意味がわからないから飛ばそう』と主役キャラが動く本編のみ読んでしまうパターンなのだが(安心してください、あとで読み返しています)結構イライラしてしまう。あとで伏線で驚かせよう!というのも分かるのだが、行き過ぎると作者の自己満感がある。
    でもこの作者はうまい。『誰視点か』それすらも解読するのが楽しいし、誰視点であってもすんなり感情移入できてしまう。『次は誰視点のパートだろうか』とワクワクしてしまう

    そして探偵役(この場合伊織やウロさん)があとからクドクド加害者や被害者の心情を解説しない。読者は読んできてわかっているから二重の説明は不要なのだ。スパッと事件後がおわり気持ちいい(メインがそこじゃないからだとも思うが)


    いろいろ明るみに出た今巻。犬が裏切るか!?とも思っていたけどあの感じだと大丈夫そうね……つくづく犬だ……

    次の巻で伊織と青目がガチで対峙するのだろうか。
    青目にも平和なエンドを……と思ってしまうけど無理かな……でも生い立ちがね……

    どうでもいい話ですが、表紙、読み始めるまでマメだと思ってました。片目隠れてるのにね
    ちなみに空蝉~も読み終わるまでマメだと(ry

    あとほんとどうでもいいし他作品出すのはどうかと思うけど脳内の伊織さんが完全に鬼灯の○徹の閻魔大王補佐になっている……助けて……

  • 毒母の描写がリアル。Twitterでも見かけたことのある毒母そのもの。「あなたのためを思って...」「愛しているから...」――子どもが拒めない〝愛〟で子どもを支配し、その心を壊していく毒母。世間の母性本能信仰によって守られ、自分に疑問を抱かない姿は、〝聖母〟でもあるのだろう。

  • 他人事とは思えない母親と娘の関係が今回の主題でした。
    共感させられたというか、我が身に置き換えて考えてしまった…
    母親の支配と、娘の依存。まさに呪縛です。確かに娘とは一心同体と思ったりライバルと思ったりするかもしれないけれど、息子にはそういう感情は起きないでしょうね。

    今回の事件は、同日に同マンションで聞き慣れない妖人属性の二人の女性が自殺を図ったというもの。しかし不審な点が多く、いつものように伊織の元に持ち込まれることに。
    あの男がやはり絡んでいます。
    …ていうか、わりと前半でミステリーのトリックは容易にわかってしまったので、そちらの楽しみはそこそこでした。
    それよりも、あの男より怖いかもしれないオンナの心の奥底でしたね…好きなのに愛してるのに、すごくウザくてすごく憎いと思ってしまうどうしようもない気持ち。
    震撼とさせるものがありました。

    ホラーだけじゃなく、妖奇庵の人々の交流?風景も毎回とても楽しみです。伊織の生い立ちなどもどんどん明らかになっていています。テレビ出演の場面最高でした!お飾りの専門家じゃなくて、堂々と正論を貫く伊織にスッキリ!
    芳彦のオカンな心遣いもますます冴えてるし、かわいいマメに癒されます。血は繋がらなくとも深い絆で結ばれた家族です。
    カオリやユキとは対照的で、それが彼女たちをいっそう切なく思わせます。
    甲籐の活躍ぶりにだんだん好感度が上がってきましたwww
    そして青目の目的も次回辺りにはさらに明かされてくるんでしょうね。

    描き下ろしペーパーコミック、すごく良かったです!脇坂と甲籐のキャラがすごく出ていて笑っちゃいました。密林vsノスタルジー…!!
    最後も上手くまとまって絶妙な味。

  • 母娘の濃密な呪いに絡め取られた二人の女性と自殺を図った母親二人の事件。風邪をひいた伊織の色気、伊織と青目の初対面からの素直だった幼少期、強い意思表示の為に手に取った火箸がマメに同調してつらく行方は激しく、青目の一線越え等要所要所で苦しくなるくらい魅力あるキレ。おまけ漫画のお見舞いを喜ぶ伊織も可愛い。

  • 4冊目。そろそろ展開が読めるようになってきたので、次の段階へ進んでほしい。脇坂くんが成長しているような、していないような。いいキャラだ。
    2017/9/29

  •  まぁ、一番恐ろしいのは、人間なのだ。
     というか、人間の恐ろしさは、底がない。

     でもって、妖という異質を通してなお、底が見えない。

     というのを、描こうとしているのかと思う。
     <見えない底>に手をのばそうとしているように、感じる。

     だからこそ、妖という、それこそチートに手を伸ばすことができそうな存在を必要とした?
     
     母娘の共依存の窒息しそうな感じは、鬼気迫っていた。
     多かれ少なかれ、母娘というのは、こういう窒息感をもっているよなと思う。
     それによって、くるっていくのも人間だからこそ、であり、それから逃げられないのはある種のやさしさなのだ。
     
     だからこそ、青目につけこまれるんだけどね。

     青目の絶対悪な存在感がいいんだけど、彼の所以がなんかうかがいしれてちょっと、なぁ。
     キレキレのサイコパスでぶっとばしてくれた方が素敵だと思う私は、ちょっとどうかしているww

  • 母親との関係に悩んでいる私には心抉る内容
    母親の愛情も心配も分かってるでもそれが重い
    妖人女性の自殺事件・・・この2人の女性の属性を考えた青目は自分の母親を考えていたのだろうか。
    彼もまた暗くて重い過去を持っていたという事実。
    母親がまともだったら鬼にならなかったのか、どのみち鬼になったのか・・。益々2人の父親が気になる所。

    マメが襲われ伊織さんもそろそろ本格的に青目対策をしなくてはならなくなってしまった模様

  • 2017.1.13 読了
    2017-3

  • 母と娘と兄と弟の話。
    直接の登場が少なかったのに青目の存在感が薄ら寒く重い。
    物語も大きく動いて続きがますます楽しみになった。早く次を読む!

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著者プロフィール

榎田ユウリ(えだ ゆうり)
東京都出身の小説家。 一般小説を書く時は「榎田ユウリ」名義、BL小説を書く時は「榎田尤利」名義と使い分けている。
2000年『夏の塩』でデビュー。榎田尤利名義では「魚住くん」シリーズ、「交渉人」シリーズが代表作。
榎田ユウリ名義では、2007年から始まる「宮廷神官物語」シリーズ、「カブキブ!」シリーズ、「妖琦庵夜話 」シリーズ、「死神」シリーズなどが代表作となる。

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