晴れ女の耳 (幽BOOKS)

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著者 : 東直子
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041029565

作品紹介

著者の出自でもある和歌山県紀州の深い森を舞台に広がる怪談短編集。不条理な因習や非業の死。過酷な運命に翻弄されても、百歳を越えてなお生きる女たちがユーモラスな関西弁で語る、哀しくも不思議な美しい命の物語

晴れ女の耳 (幽BOOKS)の感想・レビュー・書評

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  • 東さんの「幽」ということで即借り。こわいというよりも私が好きなぐねぐねした異世界で夢中になり二日間座りっぱなしになりました。借りてきた本の中ではダークホース的な存在。

    イボの神様 
    ことほぎの家 
    赤べべ 
    晴れ女の耳 
    先生の瞳 
    サトシおらんか 
    あやっぺのために

    幼い頃、じわじわと増殖してゆくイボに悩まされていた時があって一話目の「イボの神様」で、東ワールドへ引っ張られてしまいました。医療が発達していない頃は無花果の白い汁を毎日ぬりつけられたり、もぐさのお灸をしてみたり、ドクダミ茶を飲んだり…。お札を飲まされたり…。養●酒を飲んだり。(全部受け身で強制されていました)

    祖母やおばあちゃん達には「女の子なのに可哀そうに可哀そうに…お嫁に行けないね」と言われて、お嫁がわからないのにこの世の終わりだわ…と絶望したり。。。
    今はレザー治療でビビっと終わってしまうのにね。
    そんなイボですが、ある日突然減っていって気がついたらなくなっていたという…。
    でもその時は手や手の甲を見られるのが嫌で冬でもないのに手袋をしたりして、ちょっと心に傷だったことは覚えてます。

    全7話。こわくないです。
    私の好きなぐにょぐにょした世界でした。
    前触れなく世界に突入したり、さっきまで岸と地続きだったのに気がついたら潮が満ちていて、静かに波が迫ってきているとか、そんな雰囲気。じわじわっときます。

    サトシおらんか、は
    「家族とは修羅でしかない日々ありて軟部に石鹸こすりつけてた」
    という短歌が、浮かんできたりした。

    =私の中に流れる和歌山の血に、おかしくて、こわくて、悲しいこの物語たちを、書け、と声なき声で言われたようでした  東直子= ←帯より

  • 少し不気味な感じの短篇が7つ.表題作も良かったが,「先生の瞳」で海に住む玲耀子に原稿をもらいに行く話がファンタジックで何故か悲しい感じが不思議だった.どの話もつかめるようでつかめない,何か薄膜の中にあるものを触っているような雰囲気だ.

  • 歌人にして作家だそうだが,ルーツは紀伊?~「イボの神様」ペンだこだと思っていたのがイボで和歌山のお祖母ちゃんに相談してイボ付きの葉っぱで撫でて一心に願うと消えた。和歌山ではイノさんという女性に会い,山の奥でイボを一杯付けた少女に出会って,これが神様だと知り,そのイボがとれることを必死に願ってこする。「ことほぎの家」中高一貫女子校の寮に入っていた同級生を思い出した時に実家の母から昔の手紙が発掘された。遊びに来て欲しいと願われていたので連絡を取ると,和歌山の山奥で仏壇屋と民間療法を行っているという。昼間,その店を訪問すると,裸にされ,白い着物に赤い帯を締められ,跡継ぎになっていく。「赤ベベ」狸に騙されやすい大伯父。祖母の葬儀に成人式を終えた娘を伴って行くと,大伯父とその娘の節子の家に泊まることになり,酒を呑んだ翌朝。娘が神隠しに遭っていた。節子を問い詰めると,自分は元狸で,節子の振りをしているだけと…。狸退散の呪文を唱え,四つ辻に行く。「晴れ女の耳」外で用事のあるとき降られた例はない。それをつきあい始めた男性に言おうとすると頭痛がして,耳から豆粒大の老女が出てくる。経緯を聞くと,貧しい炭焼き職人の物語。「先生の瞳」謎の作家の担当になり,和歌山のしろはまにやってくると,老女作家は海から潜水服を着て現れ,一晩陸で過ごしたが,海の家に帰ってきて,自分は僧侶と海蛇の間に生まれたガイラボーシだと言う。目は母から貰ったモノだと,外して洗い始める。「サトシおらんか」和歌山の祖母の家に突然やって来た老女は,サトシおらんかーと叫んで自分の息子を捜している様子だ。みつけたサトシを家に連れて行くと,老女の悲しい物語を聞かされる。早くに母を失って,断れば良かったのを面倒に思って父と情を交わして娘を産んだが,それも7日で失って,鉈で父の頭を薪のように割り,ぶつ切りにして煮込んで食べたら,腹の中で父と娘が一緒になって,こっちへ来るなと言うので,140歳になってもまだ生きているという。「あやっぺのために」夫を15年前に失った老女は2歳の等身大の人形にあやっぺと名を付けて可愛がり,周囲から疎まれていることも承知している~歌人なのかぁ…。和歌山の昔話を下敷きにした怪談短篇集

  • 幽BOOKSのホラーテイスト、紀州を舞台にした怪しくも微笑ましい物語。古い因縁が残る地方、そこに紛れ込んだ人たちは、知らず知らず怪しい世界へと踏み込んでいく。禍々しい怪談ではなく、どこかほのぼのとした雰囲気が漂います。東さんの即興朗読ライブを観たことがありますが、周りの空気から言葉の分子を集め、繋ぎ合わせ、語る聞かせるようです。この小説も口伝の昔話のようです。

  • 民話調の怪談。
    紀伊半島辺りの話が多い。
    カンタンに読めるがジワジワ怖い。

  • 著者の出自でもある和歌山県紀州の深い森を舞台に広がる怪談短編集。不条理な因習や非業の死。過酷な運命に翻弄されても、百歳を越えてなお生きる女たちがユーモラスな関西弁で語る、哀しくも不思議な美しい命の物語

  • 7編の怖いお話短編集。
    異世界の生き物や業によって人でないものになってしまったものたちが出てくる。
    単純に怖がらせるお話と言うより生きるものの哀しみ切なさが迫ってくる描き方。

    歌人ならでは文節やリズムと後味が悪くないラスト。心地よい本だった。

  • 7編の短編を集めた短編集。過酷な人生を生き抜く女たちの怪奇短編集とでもいえる作品。柳田國男の「遠野物語」の臭いがする。ひとむかし前の閉鎖社会であった田舎を舞台にした民話のような物語。

  • 不思議な読み心地のホラー短編集。方言による語り口が非常に穏やかで、ゆったりほんわかとした印象です。
    でもその雰囲気に騙されてはいけません……物語そのものはけっこう怖くもあります。とりわけ登場する不思議な存在たちの過去の物語が恐ろしいやら悲しいやら。ああでも確かに昔はこういうことはありそうでしたよねえ。
    お気に入りは「サトシおらんか」。間違いなくこれが一番怖かったなあ。

  • 怖い・・・。晴れ女の耳は良かった。最後のふたつはどうかなぁ、後味がちと悪い。

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