フルコースな女たち (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
2.93
  • (2)
  • (4)
  • (15)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 63
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041029794

作品紹介・あらすじ

微かに苦いその飲み物を口にした瞬間、わたしの脳裏に走馬燈のようにこれまでの人生が蘇った。ささやかな幸せを母親に邪魔され続けた、私の人生を――。コース仕立ての極上短篇小説を召し上がれ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • レビューに“ホラー”と書かれていたので覚悟して読んだが、想像していたよりはホラーではなかった。本のタイトルが過激な感じなので、もっとおどろおどろしいのかと思っていたのだが、そういうのがめっきり苦手な私でも、すんなり読めた方だと思う。
    「ゼンサイのような女ーー前菜」の読了感、余韻が好きだった。全体的にホラーっちゃホラーなんだが、食べ物の描写が上手く、「散骨ーースープ」では温かいスープが飲みたくなったし、「スイーツ・バイキングーーデザート」と「マタニティ・メニューーー特別料理」では超絶スイーツ(特に焼き菓子系)が食べたくなった。「あとがきーープチフール」ですら、美味しそうでお腹鳴りそう(笑)。
    匂い、香ばしさ、風味、食感……。内容はわりと気分が悪くなるものもあるのだが、それらの食べ物・飲み物・お菓子の描写に惹きつけられる部分が大きく、思わずホラーであることを忘れてしまいそうになる短編集だった。

  • 読んだことある気がするなー…と思いながら面白かったので最後まで読んだ。女は怖いわ、と思わされる話満載。

  • ホラーです!!

  • 前回新津さんの本を読み、ドロドロしているようで、さっぱりと味わうことができたので、第二弾として購入。
    短編で読みやすい。
    さっぱりしているが、女の本質というか性質がよく描かれている。

  • フレンチのフルコースを題材に、前菜からメインディッシュを経てデザートまで。様々な趣向の作品が味わえるホラーとミステリ集。

    楽しく読んだ。
    タイトルに偽りありで、男が主人公の物語も含まれているのだが、面白かったので許せてしまう。手を替え品を替え、とにかく飽きさせない。作家の守備範囲の広さと底力を感じさせる。

    水難の相が出ているという女性のミステリや、引きこもりの男が、食べたいデザートについて、あれこれ考える作品が印象的だ。

    新津きよみは、アンソロジーでは良くお目にかかる作家だが、始めてちゃんと読んだ。
    もっと読みたい作家だ。

  • 「食」と「女」をテーマとした短編集第三弾。
    前菜からデザートまで、フルコースに沿って展開される。
    今回はわりと普通なものが多かったが、面白かった。
    (図書館)

  • 食前酒、前菜、スープ、メインディッシュ、お口直し、デザート、プチフール。フルコースになぞらえた、男と女の絶品短編集。どの作品も、それぞれの素材を活かした味付けがなされていて、フルコースで味わってこその満足度の高さ。美味しゅうございました。

  • 教員である主人公が、理解できない母親の奇行によって精神的に追い詰められてやがて一線を越えてしまったのか…が描かれる「転落」。
    自分の生きてきた道に後悔を感じていた主人公が体験した、ちょっと不思議な話の「ゼンサイのような女」。
    早い段階でオチが読めてしまうが、ジワジワ怖い「散骨」。
    自殺するために死に場所を探しやってきた主人公の、これまでの不幸と、これからが少し見える「水難の相」。
    母と娘、育ててもらった愛と、介護する愛をさっぱり、でもしっとり描いた「薬」。
    ある一人の男に恨みを持つ3人の女性達が果たす恐ろしい復讐劇と、その後の女3人のむつかしさ、怖さが絶妙な「男狩り」。
    あぁ、きっとそういうことなんだろうなと序盤でわかりつつ、最後まで見守って読んでしまう「スイーツ・バイキング」。
    子宮を摘出して子供を産めなくなった主人公と、主人公を捨てた男の結婚相手(妊娠中)が、不幸なことに産婦人科で出会ってしまい、嫌な方向に話がすすんでしまう「マタニテイ・メニュー」。
    以上からなる短編集です。
    どれも新津きよみさんらしい、怖さが楽しめると思います。

  • 転落――食前酒
    母親の奇行のせいで、うずらの卵が食べられなくなった小学校の女性教師。その次は桜エビが食べられなくなった。給食でいつも生徒たちに残さず食べる事を言っているので自分は食べられないとは言えない辛い立場。
    気持はとても分かるけど、この終わり方って、結局はよくタイムトラベルである例のアレに似ている。そう、夢オチ。

    ゼンサイのような女――前菜
    一言で言うと、浦島太郎のようなお話。
    そこに、ちょっとリアルなお話を混ぜた感じでしょうか?
    この主人公の男の人にも同情する点はちょーっとだけあるけど、男って、見栄っ張りですね。

    散骨――スープ
    フルコースというタイトルで、絶対にあるんだろうな~と思った内容。でもそれだけでは男にはならんだろう。
    全部散骨っていうのは日本では許されていないと聞きましたが、いいんですかね?

    水難の相――魚料理(メインディッシュその1)
    作家さんの文章に騙された!
    いつも男の人に苦労している女の人の話。あまりにも世間離れしているような気がする。けど、若いとそういうものなのだろうか?
    救われてよかったね。

    薬――お口直し
    思い出のような、母と娘のお話。
    そして、思い出が今では逆転した立場のお話。
    誰にでも訪れる時はある話。

    男狩り――肉料理(メインディッシュその2)
    これこそフルコースというか、食事に出てくると予想していたようなお話だった。
    あまり味には言及していなかったのだけれど、共食いって一番おいしいっていうお話を噂で聞いたことがある。

    スイーツ・バイキング――デザート
    熟年離婚されたさみしい男の人の話だと思ったのだけれど、そこの場所がキーワードだった。ひょっとしたらそうではないか?という思いはあった。

    マタニティ・メニュー――特別料理
    これもまた、食べ物の話で恨み辛みが、とくに男女間でのそれはこういう話になるのだろうな~と思った。
    でも、結局、疑われるのは美亜子???よしみ???

    あとがき――プチフール
    ―――こんな美味しいものが世の中にあったのか。
    と、思った料理はこの作者は「マカロニグラタン」だったそうだ。
    このあとがきを読んでみて、自分の事を省みてみる。
    私も実は5年生の時に母が作ってくれたグラタンだった。
    (今考えるとたいして美味しくないものだったのだけど料理下手な母はよく頑張って作ったなと思う)
    その後は…なんだろう?ナタデココだっただろうか?それともしゃぶしゃぶだっただろうか???
    なんにでも美味しく食べられる私は、これといって、突出した食べ物って思い当たらないな。


    総評すると、食べ物のお話って、こういうものなんだろうな~と、想像できてしまう本だった。



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    小学校教師の水川には給食で食べられなくなった物がある。それはうずらの卵。その理由には、彼女の母親のある「奇行」にまつわる、強烈なストレスが関係していて……(「転落――食前酒」)。智恵子、敦子、真由子の三人は、ある男への復讐を意外な形で遂げようとしていた。彼女らの絶妙なバランスが織りなした、世にも恐ろしい完全犯罪の末路とは……(「男狩り――肉料理」)。男と女と食をテーマに、コース仕立てでお届けする絶品短篇集。

  • (収録作品)転落ー食前酒/ゼンサイのような女ー前菜/散骨ースープ/水難の相ー魚料理(メインディッシュその1)/薬ーお口直し/男狩りー肉料理(メインディッシュその2)/スイーツ・バイキングーデザート/マタニティ・メニューー特別料理/あとがきープチフール

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

長野県生まれ。青山学院大学卒。1988年作家デビュー。以来、女性心理を追及したサスペンスなどに定評がある。『二重証言』『女友達』『トライアングル』『ふたたびの加奈子』など多くの作品が映像化されている。近著は『夫以外』『神様からの手紙喫茶ポスト』など。

「2017年 『二年半待て』 で使われていた紹介文から引用しています。」

フルコースな女たち (角川ホラー文庫)のその他の作品

新津きよみの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする