バケモノの子 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041030004

感想・レビュー・書評

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  • 素直ではない熊鉄と九太とのやり取りの中に、深い愛情を感じた。血は繋がっていなくても、自らの命を差し出してしまえるほどに、熊鉄は親として九太を大事に思っている。剣へと姿を変え、二度と九太に会えなくなるとしても、親としての務めを果たした熊鉄に涙した。この作品を見る、読むことで、誰でもが持つ胸の中のカタナの存在に気づけますように。

  • 映画がおもしろかったので読んでみました!
    映画のシーンを思い出しながら読むと、物語の世界に引きこまれて夢中になって…
    めずらしく一気に読みおわってしまいました

  • すごく胸がむず痒い気持ちになって、頑張ろうと思える作品だった。熱血感があった。
    熊徹と九太(蓮)の関係がめちゃくちゃ良かった。どちらも突っ張っていて、1人狼なところがあるけれど、愛を求めていて、お互いに師匠と弟子という関係でありつつも高め合っている、素晴らしい関係。
    最後に九太が渋天街ではなく、人間の世界で生きていくことを選んだのは少し意外だった。少し寂しかった。父親と楓と仲良く暮らし、チコというお母さんも多分近くにいて、そちらの道へ行くのか。と思った。いつの間にか私はバケモノの味方になっていた。でも胸の中にいる熊徹といつも一緒なら心強い。とても読んでいて気持ちの良い作品だった。

  • 映画を観た後で、本も読みました。

    この作品に触れて今までお世話になってきた人たちを思い出しました。
    大学生の頃、海外にいた頃。今現在。
    みんな親のように接してくれた人たち。作品の中でも熊徹は九太を最初から無条件に受け入れたわけではなくて、九太とぶつかって、食らいついてくる姿を見ながら親のような立場になった。それと同じように一人暮らしをしてから出会った人たちも、自分から頑張ろうと、何かを見つけようともがこうとする姿を見てくれている中で受け入れられたのかなと思った。失敗する中でも、自分のことを見捨てないでそばにいてくれる人の存在は大きい。

    九太は最初に熊徹が負ける姿を見て、孤独な姿を自分の姿に照らし合わせている。熊徹と九太の立場は周りに左右されるものではなくて、揺るぎのない絶対的なものなのだと感じた。師匠の弱い面まで含めて、この人についていこうとする姿勢が印象的。
    あと、九太の実の父親の姿を見ていて、生物的な親は無条件に親であり、後天的に出会って親のように自分を見てくれている人とは全く別の存在なのだと思った。

    九太の最後のセリフの「俺のやることを、そこで黙って見てろ」というのは決断・覚悟をした人の言う言葉で、今の自分に決定的に欠けた部分なのだと思う。
    相手のご機嫌を取ろうとするのではなくて、本気で自分がやりたいことをぶつけていく必要、覚悟が求められると感じた。

  • 最後の爽快感は忘れない

  • 私も時々 どうしようもなく苦しくなることがある
    どうにでもなれって
    何かが胸の中から噴き出してしまいそうになる
    きっとみんなそう だから大丈夫 だから大丈夫

    もし自分で危ないなって思ったり
    さっきみたいな気持ちになったら
    思い出して お守り

    一緒にいると 私も頑張ろうって勇気が出たんだよ
    だから今だって同じなんだ

    忘れないで 私たちいつだって
    たった一人で戦っているわけじゃないんだよ

  • 映画も小説もどっちも面白い

  • 人間は心に闇を宿す
    それは人と自分とを比べてしまう劣等感を具現化しているのだと思った
    なんで自分はこんなにも不幸なんだ。苦しいんだ。なんで自分ばかり…。
    そんな途方も無いような感情をこの作品では闇という名の自分の影として表現していた
    バケモノである熊徹は不器用ながらまっすぐに少しひねくれた幼い少年を育て上げる。
    名前も名乗らない少年に熊徹は「九太」と名付け、自分の弟子にする。
    反発し合い、お互いに成長していく、お互いに逃げることなくぶつかり合う相手がいることで九太と熊徹の絆は強くなっていく
    本来混じり合うことのないバケモノと人間が心で繋がってまっすぐに成長していく
    ラスト15ページ、熊徹の愛情の全てが九太に力を与える
    素敵な作品でした。

  • ■ 1687.
    <読破期間>
    2016/11/4~2016/11/9

  • すごいなー。細田守監督は。
    おおかみこどももそうですけれど、人間と、そうじゃない世界に両足を踏み入れた存在のジレンマや孤独と闇、
    それを支えてくれる人の存在というあたたかさをしっかり書いてくれている。

著者プロフィール

1967年富山県生まれ。91年東映動画(現・東映アニメーション)入社。アニメーターおよび演出として活躍後、フリーに。『時をかける少女』(2006年)、『サマーウォーズ』(09年)を監督し、国内外で注目を集める。11年には自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。監督・脚本・原作を務めた『おおかみこどもの雨と雪』(12年)、『バケモノの子』(15年)はいずれも大ヒットとなり、『未来のミライ』(18年)ではアニー賞を受賞、米国アカデミー賞長編アニメーション部門にもノミネートされ世界中で注目を集めた

「2021年 『角川アニメ絵本 竜とそばかすの姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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