和解 (角川文庫)

著者 : 志賀直哉
  • 角川書店 (1997年6月発売)
3.24
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  • 本棚登録 :85
  • レビュー :14
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041030028

和解 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 和解は子供ができたらわかる作品とか言われているので比較のために今のうちに読んでおくかと思って読んでみたが、元々あんまり根に持たない性格なので確執自体そもそも理解できなかった。

    とはいえ自分の母方の家庭内もこんな確執がある。病床の祖父にまで迷惑をかけて、本当に年だけ食ってこいつら馬鹿なんだなと思った。
    素直にならないからこうやってこじれていく。怒るだけで、落ち着いて自分の気持ちを語り合わないからさらに頑固になっていく。
    本人たちにしか分からない確執もあるのかもしれないけれど、感情だけに任せず考えに考え続ければ、仮に殺されかけた相手でさえ許すことができると思う。意固地になっていることは、結局は自分も苦しいだけである。

    家族は赤の他人ではないからこそ分かりあわなきゃという焦りもあるのかもしれないが、血が繋がってるというだけで、単なる人と人でもある。
    だからこそ簡単に縁を切ることもできないため余計に思い悩むのかもしれないが、そんな時こそ感情をまじえないほうが相手を理解することができると思う。

    あと、何かとすぐ泣く妻がうざい。
    しかし醜い筈の出産シーンが、全てにおいて美しいと感じるという描写。
    これは男性にしか味わえない感覚なのだと思うとうらやましくてたまらない。

    2016.12.3

  •  小説の神様の、小説の神様たるゆえんの小説。
     むずかしいことはさておいて、なんで志賀直哉が神様なのか、という点だけピックアップすると、主人公順吉と作者志賀直哉が完全にシンクロできるからで、普通の作者(人間)であれば躊躇するであろう"同一感"が、やはり人間離れしていると思った。

     この話、なんでか父親と仲たがいしている主人公(順吉)が、順吉の娘の死によってなんとなく心境の変化があって父親と和解したら親族がみんなして喜んだ、という手合いの話なのですが、この、娘が死ぬまでの順吉の肉眼は、平成の世の中ででも十分に通用するスリリングと悲壮感を兼ね備えております。
     これで実際にちいさな娘さんのあるかたならば、よりもっと気が気ではないことでしょう。逆を言えばこの「すごさ」を超えないからこそ、まだ志賀直哉がもてはやされたりするということなんですが。
     一度は読んでおいていいです。比較的短いものですから。

  • 日常の些事が、あたかも意味深げなものに思えてくるのは、志賀の文章の巧さなのでしょう。

    あまり巧さについてどう巧いかを説明できないのだが、読んでいて不快感や違和感や読みづらさを感じさせないという点では、ずば抜けていると思う。
    よく言われる「無駄のない文章」のおかげで、すらすらと読んでいける。

    それから、「和解」の中で武者小路実篤が志賀の作品を評する件があって、そのときの武者小路(友人M)の発言がいかにも武者小路が言いそうなことで面白い。

  • 「死」の扱い方にすごく惹かれる。
    志賀氏、結構好きです。
    まだ暗夜行路読んでないからはよ読みたい。

  • 「如是我聞」を読んだら、志賀直哉を読んでみたくなるのは当然で。いくつかの短編は読んだことあるけれど、そしてそれはそれで良い味わいだと思っていたけれど、この「和解」はどうも。気付いたら和解してた、というか。そのわりに勿体振りすぎじゃないか、と思うのです。…というのは「和解」しか読んでないからで、「暗夜行路」とか読めば、また感想も変わるんだろう。
    …たぶん太宰の影響だろうと。

  • あらすじを読むと絶対にストレスが溜まりそうな話だが、自分でも驚くほどすんなり引き込まれた。

  • 「われわれは簡単に調和して差し支えないことを妙にヒネクレることから起こさずにすむ悲劇を起こして苦しむ」
    この作品は私小説である。志賀直哉と父親の仲の悪さを描いているのがリアルである。

  • 形は違えどどの時代にもあるだろう父と息子の微妙な関係と距離感、ここで描かれている作者とその父もまたしかり

  • ふんふん。

  • やはり志賀直哉の小説には人を惹きつける力があると、この作品を読んで改めて感じた。この作品のハイライトは一番目の子どもが亡くなる場面と、父親との和解が行われる場面であると思うが、その光景は自分の目の前で展開されているかのような臨場感がある。またこの父子の和解が「暗夜行路」の構想に変化を与えたということもあとがきから知った。その「暗夜行路」をいつか読みたいと思う。2008-2-14

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