- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041030035
感想・レビュー・書評
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いやぁ、すごいね。志賀直哉は。言葉の感覚が特に。「小説」らしい小説だね。場面場面がぞくりとします。すっごい臨場感です。
人間を掘り下げた「白樺派」の大御所らしく、人物のこまやかな感情表現が素晴らしいです。もっと読んでいきたいです。暗夜行路とかね。
お寿司が食べたい小僧さんの「小僧の神様」、城崎に行ったことがあるので「城の崎にて」、妻が不倫を?というゾクゾク感のある「雨蛙」、おバカな妻の話「転生」などが印象的でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
志賀直哉氏の短編集。
「城の崎にて」「小僧の神様」「清兵衛と瓢箪」の3作品がすごい。
特に、「城の崎にて」は今年読んだ短編の中で心に残るという部門では最優秀ではないかとすら思う。人間という生き物は死というものを意識しているが、実際それに面した時に他の生き物とどれほどの違いがあるのか。列車事故により、負傷した志賀氏が、生かされたという幸運と、生かされたということに対する自分への使命感の中で、偶然ではなく必然的に見つめることになった城の崎での様々な命。
本当にすごい作品ですわ。
個人的には「清兵衛と瓢箪」のユーモアが久しぶりにオツボに入りました。 -
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図書館・請求記号 913.6/Sh27/7 -
短篇集。どれも不穏な感じがある。物語は物語として収まってるけど、その裏に、ざわざわする心がある感じ。好きか嫌いかで言うとあまり好きではないのだが、読み応えがあるので、つい読んでしまう。ここの登場人物が、その時代の人たちを正しく写しているのであれば、現代に比べてかなり赤裸々でよくも悪くも「人間くさい」と思った。世間に深く根を張っている感じで。それゆえの生きづらさがあるのか。
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「城の崎にて」を読みたくてこの短編集を読んだが、こんなに短い短編だとは思わなかった。
確かに城の崎にてのは話だがほぼ蜂や鼠の話メインで城崎の風景や温泉街のくだりはほとんどなし。
それはなんか残念。
ほか「母の死と新しい母」「小僧の神様」読 -
名作『城之崎にて』を含む短編集。読み易い。
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短編の要点は価値観の共有