城の崎にて (角川文庫 緑 30-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041030035

感想・レビュー・書評

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  • いやぁ、すごいね。志賀直哉は。言葉の感覚が特に。「小説」らしい小説だね。場面場面がぞくりとします。すっごい臨場感です。
    人間を掘り下げた「白樺派」の大御所らしく、人物のこまやかな感情表現が素晴らしいです。もっと読んでいきたいです。暗夜行路とかね。

    お寿司が食べたい小僧さんの「小僧の神様」、城崎に行ったことがあるので「城の崎にて」、妻が不倫を?というゾクゾク感のある「雨蛙」、おバカな妻の話「転生」などが印象的でした。

  • 志賀直哉氏の短編集。

    「城の崎にて」「小僧の神様」「清兵衛と瓢箪」の3作品がすごい。
    特に、「城の崎にて」は今年読んだ短編の中で心に残るという部門では最優秀ではないかとすら思う。人間という生き物は死というものを意識しているが、実際それに面した時に他の生き物とどれほどの違いがあるのか。列車事故により、負傷した志賀氏が、生かされたという幸運と、生かされたということに対する自分への使命感の中で、偶然ではなく必然的に見つめることになった城の崎での様々な命。

    本当にすごい作品ですわ。

    個人的には「清兵衛と瓢箪」のユーモアが久しぶりにオツボに入りました。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/
    図書館・請求記号 913.6/Sh27/7

  • 短篇集。どれも不穏な感じがある。物語は物語として収まってるけど、その裏に、ざわざわする心がある感じ。好きか嫌いかで言うとあまり好きではないのだが、読み応えがあるので、つい読んでしまう。ここの登場人物が、その時代の人たちを正しく写しているのであれば、現代に比べてかなり赤裸々でよくも悪くも「人間くさい」と思った。世間に深く根を張っている感じで。それゆえの生きづらさがあるのか。

  • 「城の崎にて」を読みたくてこの短編集を読んだが、こんなに短い短編だとは思わなかった。
    確かに城の崎にてのは話だがほぼ蜂や鼠の話メインで城崎の風景や温泉街のくだりはほとんどなし。
    それはなんか残念。













    ほか「母の死と新しい母」「小僧の神様」読

  • 名作『城之崎にて』を含む短編集。読み易い。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/404103003X
    ── 志賀 直哉《城の崎にて 19170500 白樺 195403‥ 角川文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BA%EA%A4%CB%A4%C6
     
     号泣議員 ~ 豊岡温泉 城崎にて 裏は花色木綿かな ~
     
     野々村 竜太郎 兵庫県会議員 19660729 大阪 /20140701 釈明会見
    /2013年度、日帰り出張費195回で約300万円(訪問先は明かさない)
    /関西大学法学部卒業/前川西市役所職員
     
    https://twitter.com/awalibrary/status/484165034159796224
     
    (20140702)
       
    ── 志賀 直哉《小僧の神様 19200100 白樺 19210200 荒絹》
    …… この作品がきっかけで志賀は「小説の神様」と呼ばれた(略)。
    結末を「書かないことにした」と読者に示す(Wikipedia)。
     
     関西では「主人から託りました」と金を渡すと、5パーセントくらい
    使者に戻すことはある。本来は旦那の使いできた丁稚に対する「駄賃」、
    または親の使いできた子供であって「おひねり」やチップの原型である。
     
     与太郎の父も“丁稚あがり”で、しばしば“でっちこぞう”と呼んだ。
    それぞれ家庭の事情による“丁稚”だから、差別されることもあるが、
    娘婿になったり、いっぱしの“小旦那”になる可能性もあった。
     
     与太郎の年代では、すでに死語だったが、集金に来た店員に、さらに
    「駄賃」をくれる旦那衆も、わずかながら生存していた。しかし店主の
    息子で、りゅうとした背広に新車で集金に行けば、誰もひねらない。
     
     与太郎自身、中年になって“贈収賄”の実態に身を染める頃合には、
    ここで亡父の言っていた“鼻ぐすり”のタイミングかな、と思いあたる
    瞬間が何度かあった。
     
     いちばん安上がりだったのは、下請けの印刷会社社長が集金に来ると、
    かならず“お茶”に誘われた。近くの喫茶店まで歩いて、レモンティを
    振舞われるのだが、これしきのことに目くじら立てるわけにはいかない。
     
     それまでは、むしろ下請業者を呼ぶたびに、かならずビルの喫茶店で
    コーヒーを振舞うことにしていた。なかには歳暮を贈りたいという業者
    もいたが、あらゆる接待を拒否した。
     
     これを「二君にまみえず」と称して、アシスタントにも継承された。
     しかし広告代理店が出入りする業界になると、このような士気は影も
    形もなくなって、あきらかに身を持ちくずす者が多かった。
     
     与太郎が、もうひとつ気づいたのは、ときに地方政治家ごときに金を
    受取る場合、たとえ相手が“旦那づら”をしていても、さりげなく一部
    その場で握らせる手法が、もっとも効果的だったと思える。
     
     さすがに与太郎には出来なかったが、いまここで“鼻ぐすり”を嗅が
    せれば、迷わず“ポッポ”する人たちは、かなり多いはずだ。いわゆる
    テレビ・コメンテーターは、貰った経験がないから、無邪気なだけだ。
     
    http://q.hatena.ne.jp/1216198728(20080716 17:58:50)
    …… 合格点を取って合格したが、本人は(ワイロを)知っていた。
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C2%A3%BC%FD%CF%C5
     
    (20170324)
     

  • 短編の要点は価値観の共有

  • この時代の小説ってどの作品にも少なからず私小説の要素があると思う。
    さすが文豪だけあって文章のリズムが良い。

  • 城の崎にてが印象的

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著者プロフィール

志賀直哉

一八八三(明治一六)- 一九七一(昭和四六)年。学習院高等科卒業、東京帝国大学国文科中退。白樺派を代表する作家。「小説の神様」と称され多くの作家に影響を与えた。四九(昭和二四)年、文化勲章受章。主な作品に『暗夜行路』『城の崎にて』『和解』ほか。

「2021年 『日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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