聖の青春 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 940
レビュー : 122
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041030080

作品紹介・あらすじ

重い腎臓病を抱えつつ将棋界に入門、名人を目指し最高峰リーグ「A級」で奮闘のさなか生涯を終えた天才棋士、村山聖。名人への夢に手をかけ、果たせず倒れた“怪童”の生涯を描く。第13回新潮学芸賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 29歳でこの世を去った棋士、村山聖の生涯を描いたノンフィクション。そのまっすぐな生き方に感銘を受ける。腎臓病や膀胱癌、肝転移との闘病記も壮絶で、このようなハンデを抱えながらも果敢に夢への挑戦を繰り返す。森先生やライバルたちとの交流にも、彼の人柄が出ていて心地よい。生きる意味を考えさせられる一冊。

  • 命の期限がある中での壮絶な将棋人生。
    最後は涙で読んでる文字が滲みました。

  • 村山聖棋士の生涯について書かれたノンフィクション小説。
    将棋の世界に疎く、棋譜などを見てもそのすごさが分からないのがもったいない、と思いながら読みました。羽生善治さんや加藤一二三さんといった、私でも知っている著名な方も登場します。
    登場される方々は、「3月のライオン」のあの人のモデルかな?なんて想像しながら読みました。
    記録としての意味合いが強く、どこに焦点を当てているのかが分かりづらく、荒削りな文章という印象を受けます。ご両親の胸の内、そしてご兄妹の思いが気になりました。

  • あとがきにある、本人の言葉が人間性を表しているように思う。
    素人には凄さが分からないが、この人の思考が棋譜として再生できることに、なんとも言えない感覚を覚える。
    全力で生きられていない、自分が不甲斐ない。

  • 生きる姿勢のすごさ。

  • 平成10年8月8日、29歳の若さで将来を嘱望された若き棋士村山聖氏が無くなられました。棋士の最高峰A級に在籍したままの訃報でした。村山氏は5歳で腎臓の病気ネフローゼを発症。以来、そのハンデを抱えながら棋士としての生涯を生き抜いていきます。
    わずかな疲労でも体が全く動かなくなり、高熱を発する状況にもどかしさを感じながら、視線の先には当時名人として活躍していた谷川浩司氏を常に意識し、プロ棋士の登竜門となる奨励会入門、棋士デビューを果たし、B級、A級と昇段して行きます。1局の時間が10時間を優に超えることも珍しくないプロの世界で、体力にハンデを抱えつつも将棋にかける情熱で、羽生善治氏、佐藤康光氏といった当時の最強棋士と互角以上の戦いを繰り広げます。そして、ようやく名人挑戦が現実味を帯びた時、膀胱がんを発症。最後は癌との闘病と対局を並行するという凄まじい生き様が本書で紹介されています。
    普通の人なら自らの生死が係る状況となれば、それ以外の事はまず諦めて生きる事を最優先に考えるのが当たり前です。しかし、村山氏は将棋こそが自らの生きる証と考え「頭と将棋に悪影響を及ぼすことは一切しないでほしい。抗がん剤にしろ放射線にしろ延命的な治療は必要ない」という姿勢を最後まで貫きました。まさに、自らの命を削りつつ将棋に打ち込んでいた村山氏の生き様を描いています。もしも村山氏が生きていたら、将棋界の歴史が変わっていたかもしれません。それ程の才能を持った棋士の生涯を追うノンフィクションです。
    村山氏が入門した師匠、激しい戦いを繰り広げた棋士たちの村山氏との様々な交流やエピソードが村山氏の人間像を浮き上がらせ、私自身、本書を読むまでは全くその存在さえ知らなかった村山氏の姿が生き生きとイメージされました。将棋の知識が無くても全く問題なく読み通せます。

  • (紅白を聞き流しながら…)読み物としては淡々としすぎているのかも。そしてそれでも伝わる村山聖の人間的魅力と情熱。生きることの意味を考えさせられますね

  • 5歳で腎ネフローゼを発病。
    病室のベッドの上で出会った将棋。
    将棋が聖の人生を決定付ける。
    将棋のために生きる。
    生かされている。
    名人になるという決意が、病軀を支えていた。
    出会う人、全てを虜にしてしまう聖。
    本書を読んで、自分も村山聖という、ひとりの人間の虜になってしまった。

  • 勝負を生業とする事の厳しさに心が震える。
    文字通り命をかけて将棋に向かい続けた烈しさと、将棋をもって青春を取り戻していく爽やかさ。
    戦う男の美しさと儚い命の切なさに胸が締め付けられる作品でした。

  • 村山の死に、師匠である森が号泣したシーンはかなりぐっときた。師弟愛というと陳腐なものになるような気もするが、まさに師弟愛を感じたシーンであった。その直後の文章の綴り方も、それまでの師匠と弟子としての枠を超えた2人の暮らしを駆け巡り、非常に心に沁みわたった。

    自分も何かに集中して取り組みたいと思った。

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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