かにみそ (角川ホラー文庫)

著者 :
制作 : 西島 大介 
  • KADOKAWA/角川書店
3.48
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本棚登録 : 231
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041030134

作品紹介・あらすじ

全てに無気力な私が拾った小さな蟹。何でも食べるそれは、頭が良く、人語も解する。食事を与え、蟹と喋る日常。そんなある日、私は恋人の女を殺してしまうが……。私と不思議な蟹との、奇妙で切ない泣けるホラー。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本を購入。切ないホラーファンタジーのジャンルになるかな。海辺で拾った蟹を育てるうちに喋り出す。しかも賢い。生物原理に基づいて生きるために肉も食うようになり人間も食べ始めるのだが…最後は切ない展開で感傷に浸る余韻が残る。百合の火葬の話も切ない。百合の花が意思を持っていて、人間の記憶など吸い取り老化させてしまう不気味な話だが最後は自己解決で終わる。人間模様は切ない話である。

  • 表題作のかにみそより百合の火葬の方が好きです。

  • 匂い系と聞いて。確かに妖しい関係ではあるけど、蟹は“蟹”であり、時折少女に比喩されているからか、男同士のあれこれを想像する余地もなかった。お互いが食べられても良いなんて究極の何かであるのは確かなのだが。
    ちょっと残念なのは色々と説明不足で雰囲気で押し進めているような。サイコパスも人の子でしたか…

  • 「かにみそ」「百合の火葬」の二篇。
    カニや百合の花が人を襲うという、モンスターパニック映画じみた設定。しかし、読み手を怖がらせるのではなく、心の交流を描いている内容に驚いた。

    「かにみそ」では、友達(カニ)と悪事に興じるうちに、感受性に乏しい主人公が共感能力を取り戻し、悪友と決別しようとする過程が描かれている。
    「百合の火葬」では、母親を知らない主人公・母親になりたい女性・子供のように無邪気な百合(ただし人を襲う)を通して、親子の情愛を描いている。

    話の外見はホラーだけれども、内容を読むと異種生物を通した人と人との心の交流という部分に注力されているのが分かり、そうした部分をホラーというジャンルで描こうとしていることに驚いた。罪もない人が犠牲者になっていく部分は大変ホラーっぽかったけど。

  • 自分を誰よりわかってくれる大切な存在が、許されない性を持っているとき、どうするのか――せつなく苦いホラーです。

  • 表題作、無邪気な蟹がどんどん怪物化してゆく不気味さがとてもよい。イノセントさが他者にとっての脅威になってゆくというのが、すごく皮肉で好き。そしてラスト、ずっと不気味だった蟹のイノセンスが涙を誘う。別に悪意があったわけではなくて、心のままに無邪気に生きたというだけだった。そしてそれが心底邪悪な行動だったんだよなー。
    食べることと殺すことって美談みたいになりやすいけど、すごくグロテスクに書いていて、うまいなーと。
    表題作でないほうの百合の花の話は今ひとつよくわからない。確かに百合ってグロいなーと思うことはあるけど、そこだけで話を膨らませるのはさすがに無理でないか?

  • 無職の青年が海辺でカニを見つけて持ち帰り飼育。食欲旺盛のカニの為に彼は職につき、カニとの交流を深める描写が微笑ましくて面白い!!それがだんだん笑えなくなり。(இдஇ; )カニっていい奴だなぁ~!!カニとのやり取りをもっと読んでいたかった!!カニとの友情を描いた泣けるホラー(※ややグロあり)*「かにみそ」「百合の火葬」2篇物語収録。

  • 「生きることは食べること」
    蟹に愛着がわいた。

  • カニのキャラクターの存在感勝ちのような気がする。一寸先がどうなるか分からないドキドキの緊張感が面白いです。何故か滋味のある結末になり、青春ホラー小説のような印象が残りました。
    同収録の短編は百合の花の正体をもっと毒々しいものではないかと勝手に妄想してしまい期待した分、肩透かしに……。
    雨にけぶる庭の描写が強烈に頭に浮かんできて、少しくらっとしました。

  • かにが結構エロチックだったりして。

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