- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041030189
作品紹介・あらすじ
空港近くのホテル。人々の笑い声は、包丁を持った元ハウスキーパーの青年、香取純一の侵入で悲鳴に変わる。彼を凶行に駆り立てたものとは? 痛切な回想と現在の悪夢に圧倒される、怒濤のホラーサスペンス!
感想・レビュー・書評
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過去様々なタイプの殺人鬼にフィクションの中で出会ってきたけれど、この主人公はその中で動機その他があまりにもありがちすぎた。
でも実際殺人を犯す人の心理としてはこのパターンが多いんだろうかと思うとリアルっちゃリアルか。 しかし読み物としては面白みに欠ける印象。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これほどまでに面白くない大石本は初めて。今までが過激過ぎたのか?
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うーん、ありきたりな感じもしつつ、殺人者の心理としてはリアルなのかな?
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色々なことが積み重なって、壊れていく青年の話。
うーん。
単に運が悪いとか、環境が悪いとかで、片付けられない感じなのがなんとも後味が悪いのである。
まぁ、やってることはひたすらエグいんですけど。
でも、結局のところ閉塞された場所から抜け出せなかったのは、彼自身の視野の狭さ、というか、価値観の偏狭性のためのように感じる。
って、そういう人格に育ったのは、その環境故であるのは間違いないのだろう。
人は、神とか何かそういう大きなものの掌の中で、もてあそばれているだけなのかもしれないと、思った。 -
鬱々としたホラーサスペンス。不幸のどん底な主人公が自分よりも幸せな人間を妬み、殺戮を繰り広げる。ただそれだけの物語。……と言ってしまえれば簡単なのだけれど。
この程度の「不幸」って、まだまだそんなでもないんだよなあ。世の中もっと不幸な人はいくらでもいるはず。なのにこんな凶行に走ってしまう主人公に同情はできないのだけれど。哀れというかなんというか……ほんの小さな幸せでも見つけられれば救われていたのに、と思えてしまうところが何とも切なくって。
不幸のまったくない人間などいないのだし、逆にまったく幸せのない人間もいない。そう思いたいものです。 -
久しぶりにエロスよりもホラー色の強い大石圭の作品を読んだ。文庫書き下ろし。しかし、自分の勘違いかも知れないが、ストーリーは以前に読んだ事があるように感じた。
主人公の香取純一が空港近くのホテルで残虐な無差別殺人を繰り返す一夜が描かれる。そして、惨劇の進行とともに純一が無差別殺人を引き起こすに至る理由と過去、心理が少しずつ明かされていく。
ストーリーは至って単純なので、読みどころは主人公の過去と少しずつ壊れていく心理描写だろう。