美しい果実 (幽BOOKS)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 39
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041030363

作品紹介・あらすじ

結婚して間もなく新種の難病にかかり妻が倒れた。昏睡状態に陥った妻を連れだした俺は、とある農園に愛する妻を埋めた。それが彼女の遺言だった――。選考委員が驚愕した第9回『幽』文学賞短篇部門大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 期待していなかったけど結構わたし好みで思いのほか面白かった。表紙(←「ミツハの一族」と絵が似ていた)、冒頭の文章と「幽」文学賞と岩井志麻子さんの帯の言葉で何気なく借りたのに、じわじわと先が気になりついつい読んでしまった。

    「美しい果実」・「ヘスぺリスの園」・「ポム・ダムール」・「ファニー・タンの幸せな老後」・「ボタニカルガーデンに埋める」・「your heart is mine」


    植物性皮膚硬化症候群になると皮膚が硬くなりめまいも起こり、意識がなくなり昏倒する。発症して入院し寝たきりになった妻を妻を連れ出し、とある農園に埋める、と発芽する。


    はじめは少し気色悪いと思ったし歩きはじめるとか、あり得ない…とか思ったけど、そっちよりもある人物に焦点があたっていくあたりが面白くて、読み終えて「なるほど、へぇー」と思った。

    「ヘスペリスの園」オイルマッサージの話、「ポム・ダムール」アップルパイの話、「ボタニカルガーデンに埋める」勝手に栽培しちゃったお話…あたり好き。気持ちのいい話ではないけれどフルーツが食べたくなる……ような気がする。


    「かつて観葉植物が植わっていた鉢」(156ページ)とあったので、「植わっていた?」と不思議に思い調べたりしながら読み終えました。勝手にイメージしたものはなぜか槐(エンジュ)。動く女人型の中に果実がぎっしりでそれを育てて食べる…なんて男の願望だよね~…と思いながら読了。男型の果物が出てきたらどうしよう…とハラハラ。フルーツ式カニバリズム。

    第9回『幽』短篇部門大賞受賞作品 『美しい果実』のみ受賞、他の5篇は書き下ろし作品。なんと言うか一度読めば忘れられない作品でした。

  • 作者の頭の中だけで作られたであろう不思議で不気味な話。理性も吹っ飛ぶかぐわしき匂い
    果実を貪り喰う獣…。その描写に魅力を感じて引き込まれもしたが、ちょっと悪趣味かな。
    幻想的、官能的、耽美的。当てはまるものを考えたが結局「ちょっと悪趣味」に落ち着く。

  • いい加減にしてほしい現実ばなれ、白けた

  • 「幽」文学賞受賞作品。不思議で幻想的な連作短編。ジャンルとしてはホラーと言ってもいいかもしれないし、怖いと思える部分はたしかにあるのですが。怖いとか綺麗とか不思議とかいうよりもまず出てしまう感想は……「美味しそう」なのかもしれません。
    一歩間違えればグロテスクになってしまいそうな描写がとても美麗。そして香り立つような雰囲気に満ち溢れていて、こんな果実があるのなら口にしてみたい、と思わざるを得ません。でも果実になりたいかどうかと聞かれたら……それはちょっと悩むな。

  • 読んでいてプランツドールを思い出しました。
    淡々と進んでいく文章のおかげか、果実を食する場面でも思ったほど抵抗は感じませんでした。
    どころかとても綺麗だとも。
    読み進める毎に、甘い果実の香りさえ感じられるような。そんな魅力的な本でした。無性に桃が食べたくなったのを覚えています。
    アップルパイの話がとても好きでした。

  • 怪談が取れた『幽』文学賞短編部門大賞作品集。
    カニバリズムにうっとり出来ないので、終始気持ち悪かった。たとえ果実でも。うええ。
    長編部門の大賞が出るのがますます楽しみ。怪談ってなんだ。

  • 女性からなる果実。食べたいかどうか。

  • 果実のどこかしらねっとりとした蜜の甘さ。それが詰まった女の四肢。手掴みで嘗める様にゆっくりと味わいたい。
    美味しゅうございました。
    「ポム・ダール」「ボタニカルガーデンに埋める」が特にお気に入り。

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