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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041031568
作品紹介・あらすじ
14歳のあすかのヴァイオリンに隠された数奇な運命。強制収容所の音楽隊員として生き抜いた少女・ハンナ。家族、仲間、音楽のすばらしさを高らかに歌い上げた感動の名作。第60回全国読書感想文コンクール課題図書
感想・レビュー・書評
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時代も距離も超えてヴァイオリンを通して不思議な縁で繋がった同い年のあすかとハンナ。
アウシュビッツで行われた非人道的な行い。
その対比として日本の徳島の板東収容所でのこと。
同じ人間なのにどうしてこんなにも違うのか?
音楽の素晴らしさは人種、国境を超える。
安心して音楽を堪能できる平和を祈らずにはいられない。 -
日本とドイツ、ヴァイオリンをつなげるのには少し強引な気もしましたが、アウシュヴィッツのことを知りたい方はその入門によいかもしれません。
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(内容)
14歳のあすかのヴァイオリンには数奇な物語が隠されていた...。強制収容所に入れられながらも囚人音楽隊員として生き抜いた少女・ハンナ。家族、仲間、そして音楽のすばらしさを高らかに歌い上げた感動の力作。
(感想)
100年に渡る3つの時代を繋げる主役が"アヴェマリアのヴァイオリン" は板東俘虜収容所で作られ、アウシュヴィッツ強制収容所の音楽隊にいたハンナが弾いていて、現在は徳島に住むあすかが弾いています。
話はあすかを通じてハンナのこと、ホロコーストのことがリアルに描かれています。また、音楽がその時代にどのように関わっていたのかも、この小説の特徴だと思います。
生きるために葛藤しながら弾いていた音楽隊と、板東俘虜収容所での楽園のような生活していた音楽隊との対照的な時代。ハンナが音楽を遠ざけてしまうのを見て、どんなに酷かったかが分かります。また、あすかが最後にアウシュヴィッツ強制収容所の跡地で弾くところも、ラストにふさわしい終わり方でした。 -
ほんの数十年前にこれほどまでに残酷で惨いことが
現実に行われていたことに、戦争の悲惨さと無意味さを
痛感しました。地球上では未だ戦争という犯罪が行われていますが、1日でも早く戦争皆無の世界になることを祈ります。 -
音楽が持つ力、そして、物語が持つ力を考える本。あるいは人間の愚かさや素晴らしさを考える本。考えた先に、何ができるだろうか。それを考える本。
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中2の少女あすかが、ある一本のバイオリンに出会うことで運命が変わって行く。1200万円もするバイオリンの音色に惚れ込んでしまったあすか。それは、昔、ユダヤ人の少女ハンナのものだった。
場面はユダヤ人虐殺が行われたドイツに切り替わり、ハンナとその家族たちの悲惨な運命に続いて行く。バイオリンの演奏の腕があったおかげで、ハンナはアウシュビッツで労働ブロックに送られることなく、楽団として生きることが許される。次々と死んで行く家族や仲間たちと、深く傷つくハンナの心の描写が悲しくて…。
バイオリンを自分も弾くため、興味本位で読んでみただけだったが、音楽の重要性、それと、命について深く考えさせる時間となった。 -
あらすじ(背表紙より)
14歳のあすかは楽器店で不思議な音色を奏でるヴァイオリンに出会う。それはアウシュヴィッツの強制収容所で音楽隊だったユダヤ人の少女・ハンナが持っていたものだった。どんなに過酷な状況下でも仲間を思いやり、音楽への情熱を忘れなかったハンナ。ハンナの思いは日本のあすかにも届き…。戦火をくぐり、数奇な運命に翻弄された一丁のヴァイオリンが生み出す感動の物語。第60回青少年読書感想文全国コンクール課題図書。
著者プロフィール
香川宜子の作品





