- 本 ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041031612
作品紹介・あらすじ
リラ荘を七人の芸大生が訪れた翌日から、殺人鬼の活動は始まった。老人が殺され、死体の横には学生のコートと、スペードのAが。それを機に別荘で次々と起こる殺人、凶悪無残な殺人鬼の正体とは?
感想・レビュー・書評
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ずいぶん古い本なんだな。最初は登場人物の話し言葉が少し読みづらいがだんだんに慣れてくる。その頃には次の展開が気になって先へ先へと読み進めてしまう。読み応えがあった。
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恥ずかしながらの初・鮎川哲也
感想はというと残念ながら個人的にはあまり良い関係を築けなかったかな。
昔の作品ということで文体に馴染めないということもあったのだが、
言い回しが少し長広舌に感じられてしまうのは時代的なものだから仕方ないのだが、
その割に登場人物の書き分けが曖昧に感じてしまい、
途中誰がしゃべっているかわからなくなったりした。
この辺りが読んでいて辛かった。
そしてあまりに気になるのが、突っ込みどころ満載の剣持警部と由木刑事のポンコツぶり。
探偵役を引き立てるためにそうなっているのかもしれないが、
証言の裏取りができていなかったり、
「もう大丈夫です」といった後に何件も殺人が起こったり。
あまりにも不手際が目立つが、当の本人たちはそれを棚に上げる始末・・・
この辺りが読んでいてモヤモヤした大きな原因なんだろうな。
しかしながら伏線の収束やトリックなどのミステリーの構成はとても素晴らしく、
名作として語り継がれるだけあると感じる。 -
おすすめミステリー小説系のサイトで紹介されてたので買った一冊。
初版発行が昭和51年
44年前に発行した小説
そんな古い小説とは知らず買い読んでみたが、やはり所々に表現が古いなと感じる部分があり、ちょっと読みにくい話だなと感じてしまった。
事件のトリックは凄かった。
読んでて疑問に思った所がだいたい回収されて謎が解明されたし、スッキリして終わった感じでした。
古さを感じる所があるが、今読んでも楽しめる小説でした。 -
四十年目の昭和五十一年復刊本だけれど文章も展開も全く古びていない。確立している。一部登場人物達の覚束ない丁寧語だけ気になったけれど時代柄?元別荘の寮を訪れた芸大生達とトランプの残された連続殺人。終盤で登場する探偵星影が有能すぎて際立つ警察との対比が清々しい。沢山の伏線からなる謎解きにわくわくした。
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ザ・昭和な本格推理小説。
嵐の山荘的な設定だけど、登場人物が出入り自由という。
そのうえ、探偵が最後の最後まで登場しないというのも面白い。
色々伏線はあるのに、トリックには全然気付けなかった。
(私にはいつものことだけど(笑))
個性的な人物ばかりで、どの学生にも感情移入できないから、かえって誰が犯人か分かりづらかったので、最後まで気をそらさずに読めてよかった。
最近の小説も好きだけど、こういうまさしく昭和な作品も色あせないのが素晴らしい。 -
ミステリー界の巨匠と言われる鮎川哲也さんのリラ荘殺人事件(りら荘事件)。東西ミステリー国内版33位の本書を読了。
、、、なのですが、僕には合いませんでした。物語の起伏感/盛り上がりが無くテキスト重視な感じで、描写の途中で突如場面転換したり、会話文の誰が話してるのか分からなくなったり、物語の中盤で出て来た人物が出ては早速退場したり不親切な設計に感じました。
そんなテンションで読んだので、解決パートもイマイチのめり込めませんでした。
本格ミステリは"丁寧に記述を読んで行けば、ここにしかたどり着けいないようにする造り"と聞いた事が有ります。その法則を重視する余りエンタメ要素が薄くなった印象です。
自分は本格ミステリ好きなのかと思ったけど、それより前にエンタメとして成り立っていないとダメなんだな、と痛感した1冊(本格ミステリと銘打ってあれば何でも読む訳では無い)。
多くの読者もミステリ文壇(?)のウケとか作家のポジションがどう、とかじゃ無くて単に"十角館の殺人みたいな衝撃を味わいたい!"ってのが根っこにある気がします。 -
60年以上前の作品ということもあって、表現に違和感を覚える部分もあったが、逆に言えば気になるのはそのくらいで内容はサクサク読めた。
思った以上に人が死にまくるのと、リラ荘主人の今後を思うと少し哀しくなる。
著者プロフィール
鮎川哲也の作品





