十津川警部 三河恋唄 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041031636

作品紹介・あらすじ

左腕を狙撃された衝撃で、記憶を失ってしまった吉良義久。自分の記憶を取り戻すために、以前自分が書きかけていた小説の舞台の三河に旅立つ。十津川警部も狙撃犯の手がかりを求め亀井とともに現地へ向かう。

感想・レビュー・書評

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  • 2021/03/31 44読了

  • ○「逆さ忠臣蔵」がむしろ興味深い。
    東京である男が腕を撃たれる。男の名は「吉良義久」。聞くと記憶喪失のようで、家を調べてみると忠臣蔵を吉良上野介の視点から描いた「逆さ忠臣蔵」とも言うべき小説を書いていることが分かった。
    腕を撃たれた事件に自分は関係ない、と言わんばかりに、記憶を取り戻すためにいろんな場所を巡る吉良。その過程で昔ここに来た、と証言する者あり、その事実と本人との関係も解き明かせないまま時間は過ぎていく。

    そのうち、弁護士の三木に話を聞き、裁判らしき何かに吉良がかけられたことを知る。調査していくと証言するものが現れ、実際にその裁判は(実際の裁判ではないが)開かれたことがわかる。さて、吉良を裁判にかけたいとまで思っていたほど憎かった人間は誰だったのか?十津川の推理が冴える。

    この物語の推移もそうだけれど、実際に「逆さ忠臣蔵」が描かれたとしたらどんな過程・結末になるのか、そっちの方が気になる一作。途中、西村氏が書いた一節があるがそれが一層想像力をかきたてる。
    書いてくれないかなw

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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