きのうの影踏み (幽BOOKS)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.25
  • (22)
  • (109)
  • (210)
  • (45)
  • (5)
  • 本棚登録 :989
  • レビュー :191
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041032077

作品紹介・あらすじ

どうか女の子の霊が現れますように。おばさんとその子が、会えますように。交通事故で亡くした子を待ちわびる母の願いは祈りになった――。辻村深月が”怖くて好きなものを全部入れて書いた”という本格怪談集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 私たちが存在を確認できるものなんて、
    この空間のほんの一部なんだろうとずっと思っている。

    視覚だって聴覚だって嗅覚だって、
    人間の感じる範囲はちっぽけなものだもの。

    「異界」とは私たちの日常の中に当然のごとくあり
    私たちに見つからないように
    人間の脳の動作は大きな力に制限されている…。

    その「異界」に近付きすぎた者だけが
    研ぎ澄まされる感覚から何かを体感してしまう。

    なあんて、私の持論を「ね、そう思うでしょ?」と
    この本を読んだ人と語りたくなる
    日常の中にあるホラー短編集。

    日頃、相棒猫が何もない空間を
    食い入るように見つめていると、
    あ、何かいるのか、そこがあっちへの入り口なのかと
    受け流している私。

    この生活する空間が、現在生きている者だけの
    独占された場所の訳がない。
    (不思議なものは全部存在しうるのではないかと
    思っている割に、何かを見たことはないのですが…)

    辻村深月さん的ホラーも
    怖いのは怖いのですが…日常からかけ離れていないので
    そういうことって、あるよと納得してしまうんです。

    変ですが…親近感のわく、すごく好きなホラーでした。

    『ツナグ』といい、この作品といい、
    ものすごい引きで私はくっつきっぱなしになりました。

    これからも辻村さんの不思議系物語は
    注目だ!!と勝手に思う一冊です。

  • 辻村さんの作品は本当にハズレがありません!
    今回は怪談短編集。
    ゾクッとしたり、物悲しくなったり...
    夏に読めたら良かったかも!?
    でもやっぱり、なんとなく感じる淋しさが、秋の夜長の読書にピッタリかもしれません。

  •  辻村深月さんの新刊は、怪談の短編集だという。この難しいジャンルを、辻村流にどう料理するのか? 結論から言うと、本作は傑作怪談集だ。

     「十円参り」。団地の子供たちの間で流行っていたというおまじない。こういう心理には、男性の僕にも思い当たるふしがある…。「手紙の主」。作家仲間に届く、奇妙な手紙。これ以上深入りは危険だ。それなのに…。徐々に近づいてくる演出がうまい。

     極めて短い「丘の上」。ええと…よかったですね。続けて短い「殺したもの」。ええと…忘れましょう。忘れられれば…。「スイッチ」。混み合う山手線内での、奇妙な出会い。電車内で音楽を聴かない僕は、押されることはないかな…。

     「私の町の占い師」。うーむ、星占い程度は多少気にするが…。またまた短い「やみあかご」。ま、まさか我が家は…。「だまだまマーク」。ぐるぐるマークの謎は解けたが、だまだまマークとは…。そこで何があったのか、漠然と想像するしかない。

     「マルとバツ」。またまた短いのに嫌な余韻が…。本作の一押し「ナマハゲと私」。怪談というより、本格ホラーだろこれはっ! ナマハゲ業界から抗議が来るんじゃないか。「タイムリミット」。何だか聞いたことがあるような設定だが…これで終わりかっ!

     現代社会を鋭く斬る「噂地図」。その境遇は安らぎか、それとも孤独か。ネタの料理が本当にうまい。「七つのカップ」。最後に、怖いながらも切ない、いかにも辻村さんらしい1編で幕を閉じる。終わりのない苦しみに、救いの手はあるか。

     掌編からやや長いものまで色々だが、感服させられた。掌編はいずれも切れ味抜群だし、長めの作品は余韻が残る。懐かしいかと思えば牙を剥き、また心をぎゅっと掴む。割り切れない謎を残してこその怪談だが、ミステリーばかり読んでいると、オチがないと感じがちである。そんな僕でも、本作には脱帽だ。読んでよかった。

  • 子どもの頃、流行っていたおまじないは、嫌いな人、消したい人の名前を書いた紙を十円玉と一緒に十日間続けて賽銭箱に投げ込むことだった。
    ある日、子どもたちは消えた子どもについて相談していて……(「十円参り」)。
    あるホラー作家が語る謎のファンレターの話を聞きぞっとした。
    私のところにも少し違う同じような怪しい手紙が届いていたからだ。
    その手紙の主を追及するうちに次々と怪しいことが連続し……(「手紙の主」)。
    出産のため里帰りしていた町で聞いた怪しい占い師の噂。
    ある日、スーパーで見知らぬ老女を見かけた瞬間、その人だと直感し……(「私の町の占い師」)。
    怪談専門誌『Mei(冥)』に連載した作品ほか、書き下ろしを収録した全13篇。

  • ゾクっとするような話を集めた短編集です。フィクションなのかノンフィクションなのか。といった不思議な話なので、どちらかを想像しながら読むと、より楽しめました。特に手紙の話がゾクっとしました。あれって本当の話なのでしょうか・・・?聞かない方が良いですね。真実を知りたいような知らない方が良いようなそんな絶妙なゾクゾクする話が13話入っています。ホラーが苦手な方は夜に読んだらダメですよ!!!

  • はじめの2篇がたまらなくぞっとした。
    神社の賽銭箱に消したい人の名前書いて10日連続で見つからないように入れるやつと、近づいてくる正体不明のファンレターの。
    あと噂の地図も。
    他にもまあまあな感じもいくつかあったけどよくわかんないぷっつり終わるのもあって短編集というほどのものでもないような印象。
    やっぱり長編の方がいいなぁ。

  • あまりに普通っぽくて
    背筋がぎょっと
    逆に怖かった

  • 日常に潜む怪談。
    中には「…で?」な作品もあり。
    「手紙の主」「だまだまマーク」「ナマハゲと私」「七つのカップ」が良かった。

    【図書館・初読・6月24日読了】

  • ちょっぴり不思議な話がいっぱいっ

    遠い日の心にさざ波ができた思いがリンクするような

  • 最初の『十円参り』は予想外の展開で面白かったが、消化不良でモヤモヤしたり、抽象的でさっと読んだだけでは意味が汲み取れないお話が多め。『世にも奇妙な物語』みたい。

全191件中 1 - 10件を表示

きのうの影踏み (幽BOOKS)のその他の作品

辻村深月の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
辻村 深月
西 加奈子
辻村 深月
宮下 奈都
辻村 深月
米澤 穂信
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印

きのうの影踏み (幽BOOKS)を本棚に登録しているひと

ツイートする