エミリの小さな包丁

著者 : 森沢明夫
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年4月27日発売)
4.26
  • (45)
  • (53)
  • (11)
  • (1)
  • (1)
  • 264人登録
  • 56レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041032084

作品紹介

信じていた恋人に振られ、職業もお金も、居場所さえも失った25歳のエミリ。藁をもすがる思いで10年以上連絡を取っていなかった祖父の家へ転がり込む。
心が荒みきっているエミリは、人からの親切を素直に受け入れられない。しかし、淡々と包丁を研ぎ、食事を仕度する祖父の姿を見ているうちに、小さな変化が起こり始める。食に対する姿勢、人との付き合い、もののとらえ方や考え方……。周囲の人たち、そして疎遠だった親との関係を一歩踏み出そうと思い始める――。「毎日をきちんと生きる」ことは、人生を大切に歩むこと。人間の限りない温かさと心の再生を描いた、癒しの物語。

エミリの小さな包丁の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 読み終わったとき、心の中にトパーズブルーの海の色が広がるような、やさしい爽快感が残る作品だった。
    夏の色がまだ残るこの時期に読めてよかった。

    大三おじいちゃんがとてもよい。
    おじいちゃんのエミリに対する行動・態度や言葉に、自分の身の回りの人との関わり方を振り返り、いろいろ考えさせられた。信じて見守ること、子育てでもなかなかできないのだけれど、やっぱり大切だよね。

    そして、傷ついた心に寄り添ってくれる、たくさんの言葉たち 

    「幸せになる事より、満足することの方が大事」

    「つらいときでも鼻歌を歌っていればさ、世界は変えられなくても、気分を変えることなら出来るから」

    エミリの別れの言葉
    「毎日ごちそうさまでしたーっ!」に感動

  • やっぱり良かった。森沢明夫。
    「毎日をきちんと生きる」ことは、人生を大切に歩むこと。と帯にあった通り、きちんと料理して食べる。そういう基本的な事が大切なんだろうな。そして出てくる料理が美味しそう。
    おじいちゃんの「幸せになることより、満足することのほうが大事だよ。」という言葉が素敵。

    エミリにはおじいちゃんの所にずっといて欲しかったなぁ。
    それとこの本は真夏に読んだ方が良かったかも。

    2017.3.15…7

  • リゾートとしての海ではなく、
    漁港
    生活者としての「海」
    食べ物の描写が上手なせいか
    におい、潮風のべたつき、日差しの強さ、
    五感で感じる物がひしひしと伝わってくる。

    ○幸せになるより満足することのほうが大事だよ
    ○自分の存在価値と、自分の人生の価値観は他人に判断さあせちゃダメだよ
    ○周りを変える必要なんてない。自分の「うら」を変えれば、それがそのまま自分の人生を変えるってことだからな

    2016年 角川書店 
    装画:小川かなこ
    装幀:坂詰佳苗

  • 「海のおじいちゃん」のところに
    身を寄せることになった孫娘。

    おじいちゃんの家で、
    エミリは自分の生まれる前、
    幼い頃のこと、
    大嫌いな母親のことをゆっくり知る。

    作中に出てくる
    「やさしさに包まれたなら」の歌詞が
    作品によく合っていて泣かされた。

    母親ももっとわかる方法で
    愛を伝えればよかったのにね、
    と思ったけど、
    エミリが愛されてることを知れて
    ほんと嬉しかった。

    森沢さん、やっぱり優しいです。

    心がとげとげしたときに読みたいなぁ。

  • 苦労した分だけ、心が磨かれる。だから、人は優しいのだー。

    都会で暮らしていたエミリ25歳。
    信じていた恋人に裏切られ、仕事もお金も居場所さえ失った。
    藁をもすがる思いで15年振りに連絡をとった「海のおじいちゃん」
    大三おじいちゃんの家に身を寄せた。
    お祖父ちゃんは銅を素材にした風鈴作りの職人。
    職人気質で無口だけど、温かく迎い入れてくれた。
    毎日淡々と包丁を研ぎ、丁寧に食事の仕度をする。
    そんなおじいちゃんと、早朝から犬のコロの散歩。
    一緒に釣りをして、一緒に食事を作る。
    豊かな自然の中で自然の恵みを感じながらおじいちゃんの姿を見ている内に、
    食に対する姿勢や、人との付き合い方…小さな変化が起こり始める…。
    しかし、元同僚の沙耶が遊びに来て毒をまき散らしてしまう。
    エミリがこの町に逃げて来た理由をばらしてしまった(*`Д´*)
    人の噂という毒は強靭で、しかもそれを打ち消す血清がない。
    尾ひれがついた噂に再び傷付くエミリだったが、
    以前と同じように接してくれる周囲の温かい人の心に支えられ、
    負けない〝武器〟を手に新しい一歩を踏み出していった…。

    大三おじいちゃんの強さと優しさがとっても良かったなぁ(*´˘`*)♡
    文中に本当に沢山お魚料理が登場した。
    もーそれがとっても美味しそうで、新鮮なお魚料理を凄く食べたくなった。
    そして、いつものように心の琴線に響く素敵な言葉が散りばめられてた。
    〝辛い時は身の回りの小さな幸せを眺めて良い気分を味わっていればいい〟
    〝いい気分でいるためには心をきれいにしておく〟
    〝自分の存在価値と自分の人生の価値は他人に判断させちゃ駄目〟
    公園での心平とのシーンは一番印象的でした。
    軽くてオチャラケてる心平…とっても良い奴だったぁ♪
    文中に登場する作家の鉄平さんは森沢さん自身なのかなぁって…(๑´ლ`๑)フフ♡
    プロローグを読んでエピローグが理解出来たのですが、
    大三さん目線の気持ち…切なくてホロッとしました。

    風鈴の〝凛〟って音色が聞こえるような爽やかで、温かくて優しいお話でした。

  • 料理の本・・・じゃなくって(笑)、最近の森沢さんの本の中では、一番宗教観が感じられるような気のする本でした。ちょうど山岳宗教に関する本を読んでいるせいもありますが、一つ一つのフレーズに、宗教的な感覚を持ちながら読むという、変わった感じのするひと時でした。といっても、かたっ苦しい本ではないので、気軽に読んでくださいね>みなさん。

  • サスペンス風のプロローグがまさかこんなに胸熱くなる結末につながるとは。終盤は大号泣。
    すごく心温まる物語で、人生で壁にぶち当たった時に読み返したい作品。自分の気持ちをコントロールできるのは自分だけだし、人の行動には表に見えない裏=美しいものがある場合もあるということを教えられた。出てくる料理もすごく美味しそうで、無性に魚料理が食べたくなる。

  • 心が暖まる作品ですね。
    もっと早く出会いたかったです。
    ラストにはホノボノとしたドンデン返しもありました。
    何度も読み返してみたくなる本です。

  • 魚料理の美味しそうなことったらなかった!

    おじいちゃんとエミリの関係も料理を通じてどんどん深まって、最後のお別れのシーンは本当にぐっときてしまった。

    心温まるほんわかした気分になれるほんでした。

    2017.11.22 読了

  • もう泣けてしまった。1日で一気に読んでしまった。こんなおじいちゃん…たくさんの愛情と知的さで羨まし過ぎて、こんなの物語でしかいないよと(笑)おじいちゃんが好きという感覚が今世では持たなかったのでこの本は憧れであり…。泣けた。
    ・自分の存在価値と、自分の人生の価値は、他人に判断させちゃだめだよ。判断は必ず自分で下すことだ。他人の意見は参考程度にしておけばいい。
    ・私は失恋を受け入れた。そういうことに、した。これから、新しい人生をスタートさせるのだ。
    ・なるべくいい気分で過ごして、笑顔がふつうの顔になるようにする。そしていつかは直斗さんよりもいい男をつかまえる。あるいはつかまえてもらう。
    ・エミリを思いのままに動かせる万能な存在は唯一エミリ自身だろう。エミリの人生を自由自在に創造していけるのもエミリ本人しかいないんだ。
    ・火で熱せられ、水で冷まされ、しかも金槌で叩かれる。そんな辛い工程を経るからこそ、完成した風鈴は見た目も音色も美しくなる。
    ・スーツケースを握り、再び歩き出す。
    振り返らない。もう、絶対にー。
    私は胸を張り、歩幅を大きくした。

全56件中 1 - 10件を表示

エミリの小さな包丁のその他の作品

森沢明夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

エミリの小さな包丁を本棚に登録しているひと

ツイートする