ハーメルンの誘拐魔

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.51
  • (18)
  • (94)
  • (96)
  • (12)
  • (2)
本棚登録 : 458
レビュー : 110
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041032091

作品紹介・あらすじ

障害を抱える15歳の少女が誘拐された。現場には「ハーメルンの笛吹き男」を描いた絵はがきが残されていた……。警視庁捜査一課の犬養は相棒の高千穂と捜査に動くが、同一犯と思われる第二の誘拐事件が起こり……。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ★3.5

    病院からの帰り道、母親が目を離した隙に15歳の少女・香苗が消え、
    現場には中世の童話「ハーメルンの笛吹き男」の絵葉書が残されていた。
    香苗は子宮頸がんワクチン接種の副反応によって記憶障害に陥っていたことが判明する。
    警視庁捜査一課の犬養隼人は相棒の明日香と捜査に動きだしたが、
    数日後、今度は女子高生の亜美が下校途中に行方不明になり、
    同じく現場では「笛吹き男」の絵葉書が発見された。
    亜美の父親は子宮頸がんワクチン勧奨団体・日本産婦人科協会の会長だった。
    ワクチンに関わる加害者と被害者家族がそれぞれ行方不明に。
    犯人像と、その狙いが掴めないなかさらに第三の事件が発生。
    ワクチン被害を国に訴えるために集まった少女5人がマイクロバスごと消えてしまったのだ。
    その直後捜査本部に届いた「笛吹き男」からの声明は、70億円の身代金の要求だった…。


    重篤な副反応を知りつつも、自分の省益や既得権益を護るためなら、
    人命など路傍の石同然に思っている製薬会社や厚労省や産婦人科協会。
    この国の未来の子供を産み育てる女の子を何だと思っているのか怒りを感じた。
    だから、何度も何度も薬害を巡る悲劇が繰り返されるのだ。

    犬養隼人シリーズ初めて読みました。
    犬養の鋭い洞察力は凄く良いなぁって思ったけど、顔の表情やしぐさなどで相手の心理を
    見抜くのが得意なのが男性だけだっていう事を何度何度も言ってて鬱陶し過ぎた。
    そして相棒の明日香が何故か犬養を毛嫌いしてて、感情的になり過ぎて
    相手を傷付けたり、迷惑を掛ける事が多過ぎでイラッとした。
    二人の関係性が信頼で結ばれて好転していけば良かったのに…。
    ミステリーとしては、途中で犯人が予想できてしまったし、身代金の受け渡しのシーンは
    余りにもお粗末過ぎてやっぱり、突っ込み所満載だった。
    最後のどんでん返しも、そうだろうって思ってたので驚く事すら出来なかった。残念でした。
    でも、子宮頸がんワクチンの副反応という社会問題をエンターテイメントという形に変えて
    問題提起している著者の姿勢や気持ちが凄く良かったです。
    先日、集団訴訟がニュースになっていた。
    副反応に苦しむ多くの女性がいます。
    その研究を進めて、一刻も早くその苦しみから救ってあげて欲しいって思っています。

  • 金銭などの要求もなく、死体が見つかるわけでもなく。
    犯人像も目的もわからないまま、次々と起こる少女誘拐事件。
    興味をひかれる展開。
    後半、犯人の予想はついてくるが、それでも最後まで面白かった。
    子宮頸がんワクチンの問題を主眼とした、社会派小説といった感じ。

  • シリーズ第3弾。子宮頸がんワクチン禍にからみ、被害者側の少女と、加害者側の娘が次々に誘拐される。7人もの少女を拐った誘拐魔“ハーメルンの笛吹き男”を犬養が追う。

    薬害の被害少女やその家族の苦しみと、利己的な加害者側との埋まらない溝が読んでいて腹立たしくて切なくて、胸が痛む。
    今作は薬害問題を扱った社会派な作品に仕上げたためか、いつものグロさはなく、中弛みもあまりなかった。その分、ミステリーとしては先が読みやすかったけれど、薬害問題を一番に訴えたかったのだろう。最近少し作風が変わってきたのかな。
    今回の相棒・明日香のキャラに最後まで馴染むことができなかったのと、大阪府警のいかにもなコテコテの大阪弁が気になったので☆3つで。

  • 切り裂きジャック、七色の毒に続く、犬養隼人シリーズ3作目。

    真相にうーんと唸りました。
    目的を果たせたらどちらになろうともよかったのでしょう。

    そうだからといって、彼女たちの今後が解決する訳でないのが辛い。

    事実に基づいたフィクションだから、事件の成り行きを追いながら同時にいろんなことを考えました。
    わたしは、きっと、娘にはワクチンは打たせないです。

  • ひとり、またひとりと少女が忽然と姿を消した。そのあとに「ハーメルンの笛吹男」の絵葉書を残して…。
    その正体をつかめずにいた警察だったが、さらに子宮頸がんワクチンの副反応の被害者少女たち5人が一度にさらわれてしまうという事態をも招いてしまい…。

    ストレートに誘拐事件を警察目線で追った、作者的にはとてもシンプルな筋立ての物語でした。だからか、すごく短かったような感じも?

    物語中には子宮頸がんワクチンの副反応を巡る製薬会社や厚労省、医師たちの闇深い絆だったり、被害をこうむった少女たちの哀れさを強調して描き、ミステリとしてのフィクション性より、リアルに存在するこの問題への訴求のための物語という印象を受けました。利権の絡んだ欲の醜さはひたすらにおぞましいばかりです。嘆かわしい…。

    わりと「そうなのかな」と思った通りの黒幕ではあったので意外性はさほどではないかもしれませんが、それでもさくっと読ませるリーダビリティは抜群だなと感じました。

  •  記憶障害のある少女・月島佳苗が白昼堂々行方不明となり、彼女が最後にいたと思われる場所にはハーメルンの笛吹き男の絵が描かれたカードが残されていた。一報を聞いた犬養は、捜査一課の紅一点・高千穂明日香と組んで事件を追う。そして「ハーメルンの誘拐魔」はそんな警察をあざ笑うかのように、次々と誘拐を重ねていく。やがて被害者たちは皆、子宮頸がんワクチンの関係者であることがわかってくるが…。

     「刑事犬養隼人」シリーズ第3弾。今回は、子宮頸がんワクチン接種の副作用についての問題提起作といった趣が強く、事件自体はそんなに凝ったものでも、あっと言わされるようなものでもない。身代金が奪われたのは完全に警察側の読み不足だと思うしなぁ。しかし高千穂が女だとは思ってなかった(^^;やたらと犬養のことを嫌っている高千穂。このコンビ、続くのか?

  • あまり意外性がなかったかな。

    薬害問題の被害者である少女と、問題の産婦人科学会会長の娘が誘拐される。
    犯人は誰で、なんの目的で誘拐したのか…。

    薬害問題に焦点を当てたのは評価出来ますが、真相が早々に読めてしまった。

    どんでん返しの中山七里にしては、ヒネリが足りなかったような…

    ただ、それなりに面白く、肩の凝らない小説です。

    まぁまぁオススメかな。

  • 犬養シリーズ。作者は絶対に、関西以外の出身だろう。

  • 中盤までは最高に面白かった

  • 一気読み。
    犯人に肩入れしたくなる事件でしたね。
    とはいえ、警察の立場からしたら1日も早い解決を目指すのは当然で。なので、明日香の正義感がいちいち目に付いた。この事件はともかくとしてもそんな簡単に警察が犯人の側に立ってしまったら救われない人も出てくるだろ〜と思いながら読んでいました。

    2018.2.17

全110件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

中山 七里 (なかやま しちり)
1961年生まれ、岐阜県出身。男性。幼少の頃から読書が趣味で、高校時代から執筆を開始。花園大学文学部国文学科在学中に江戸川乱歩賞に応募したこともあった。
就職後は執筆から離れていたが、島田荘司を生で見た体験から執筆活動を再開。2009年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞で『さよならドビュッシー』と『災厄の季節』の2作が最終選考にダブルエントリーされ、前者で大賞を獲得して48歳で小説家デビュー。後者も、「読みたい!」との声が続出したため、『連続殺人鬼カエル男』と改題し、2011年に文庫本として出版される事となった。
代表作に『さよならドビュッシー』などの「岬洋介シリーズ」、『贖罪の奏鳴曲』にはじまる「御子柴礼司シリーズ」。多くの作品が映画・テレビドラマ化されている。

中山七里の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ハーメルンの誘拐魔を本棚に登録しているひと

ツイートする