暗手

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041032121

作品紹介・あらすじ

『不夜城』『夜光虫』の衝撃から20年
究極のクライムノベル誕生!

台湾のプロ野球で八百長に手を染め、罪から逃れるために次々と殺しを重ねた加倉昭彦。居場所を失い、顔も名前も変えて過去を抹消、逃れ着いたのはサッカーの地イタリアだった――。イタリアの黒社会では、殺し以外の仕事なら何でも請け負い、いつしか「暗手」――暗闇から伸びてくる手――と呼ばれるようになっていた。そんなある日、サッカー賭博の帝王・王天から、ロッコに所属する日本人ゴールキーパー・大森怜央に八百長をさせろとの依頼が舞い込む。計画実行に向けて着実に準備を進めていく加倉だったが、大森の姉の写真を目にしてから過去の記憶がよみがえり、計画の歯車が狂い始める……。

◆作家、書評家より、賞賛の声続々!!◆

言い訳はしない。赦しも求めない。ただ傷ついたまま、男はより深い闇へと分け入る。
破滅へと向かう独りよがりの自我を描かせたら、やはり馳星周はピカイチだ。
東山彰良(作家)

生への意味を、誰かの中に見出そうとする虚しさと渇き。決して実らない祈り。
桁違いの業深さ、ここにあり。
垣根涼介(作家)

初期への回帰!馳 星周節が戻ってきた!
謳いあげられる血まみれの絶望と孤独の何と甘美なことか。紛れもない今年の収穫だ。
池上冬樹(文芸評論家)

『夜光虫』から19年。主人公・加倉昭彦の復活は、馳 星周の新たな可能性を拓いた。
裏社会で蠢く、血に飢えた男たちの姿に胃の腑が抉られる。
弩級のエンターテインメントだ。
東 えりか(書評家)

人を守る気持ちが芽生えた時、その人のためにさらに冷酷非情になれる。
「暗手」こと加倉の、「人間味を帯びた殺人者」としての魅力に溢れた
ノワールの傑作である。
三島政幸(啓文社西条店店長)

一度地獄に堕ちた人間をさらに突き落とす。
これは馳 星周にしか書けない、もっとも危険で哀しいゲームだ。
杉江松恋(書評家)

最初の1ページで、一撃で、否応無しに物語世界に引きずり込まれる。
死なずに、生きる。それは大きな決断なのだと、この小説は言う。
死なずに、生きろ!この小説は、そう言う。
自己記録を更新し続ける馳 星周の、完全なる最高傑作。
吉田大助(書評家)

ラストまで手が止まらない。“いま”にふさわしい、新たなノワール小説の発火点。
まさにエポックメイキングな作品だ!
タカザワケンジ(書評家)

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    サッカー賭博なども本当はあって、泥々した世界なのだろうな、というのが率直な感想。我々はいつもスポーツの綺麗な面しか見ていないのかもしれない。

    暗い。暗い話で、主人公はどうしようもないどん底に落ちるのだが、読了後は話がスッと抜けていくような感じがあり、物足りなさは感じなかった。

    あらすじ
    暗手と呼ばれるヴィト・ルーは日本人で、元プロ野球選手。野球賭博に身を染め、暗殺者を経て、今はイタリアでサッカー賭博の片棒を担いでいる。

    中国人マフィアの王天から、ロッコという片田舎にあるセリエAのクラブチームにいた若手で有望株のゴールキーパーの大森レオを買収するように依頼される。

    暗手は、ミカという日本人の娼婦を使い、大森の恋人として当てがい、大森の弱点に仕立て上げる。

    いつも通りの仕事のはずが、大森の姉の綾に昔追い続けた女の影を見て、このまま賭博に身を染めるか、綾や大森たちを救うのか葛藤し始める。

    中国マフィア側には馬兵と呼ばれる伝説の殺し屋が雇われていた。馬兵は暗手に唯ならぬものを感じ、気にかける。

    暗手は大森たちを救うために、マフィアと対峙するのか、そのままサッカー賭博に手を染めるのか?

  • 「夜光虫」の続編。
    元プロ野球選手で、台湾にて野球賭博に手を出した加倉昭彦。過去を消し、逃げてきたイタリアでサッカー賭博に関わることに。標的は日本人ゴールキーパーの大森。彼の信頼を経て八百長に手を染めさせるが、その前に立ちはだかったのはかつて愛した女に瓜二つの大森の姉・綾だった。
    加倉は誰を欺き、そして誰を殺すのか。。。
    正直、夜光虫のことは覚えてなかったが、馳ワールド全開といった感じ。そんなに組織は甘くないといいつつも、大森姉弟の行く末やミカが簡単に逃げ切れたような。それともまた続編があるのか?

  • 馳ノワール炸裂!暗黒小説の真髄ここにあり!ただ綾にはガッカリした。自分で万が一人殺しでも構わないと言い、高中にも後悔するぞと言われた時に後悔しないと言ったのにあの憎しみようったらないね。まぁ気持ちが逆転するほどの仕打ちは受けているが、、、
    しかし夜光虫の続編とは巻末の既刊紹介読むまで全く気がつかなかった。時が経ちすぎてるよ。要再読か⁉︎

  • 久々に読んだ馳星周作品で読みごたえがあった。主人公のキャラクターもクールでよい。舞台がイタリアというのは馳星周さんがサッカー好きということもあると思うができればアジアにしてほしかった。

  • たまにはこういうハッピーエンドじゃないものもいいですね。

    それにしても、なんでいつも主人公って、女をすぐ抱けるんだろう

  • めちゃくちゃハードボイルド。男の人って女性のためならあそこまでできるのかな。なんかすごい…

  • 久しぶりの馳星周。難しいこと考えずに読めるので期待通り。

  • 2018.7.2

  •  ちょっとマイルドになってない?

  • 「夜光虫」の続編。
    巧い小説。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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