孤狼の血

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 989
レビュー : 194
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041032138

作品紹介・あらすじ

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員失踪事件を追う。心を揺さぶる、警察vs極道のプライドを賭けた闘い。

感想・レビュー・書評

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  • 大卒の警官が刑事となり異動した先で型破りなベテランまる暴刑事とコンビを組むことになり、いきなり修羅場に投げ込まれる冒頭から息も付かせない展開。彼のやり方には付いていけず反発するばかりの数ヶ月、一触即発の暴力団抗争が一体どんな結末になるのか興味津々の終盤に 見事にやられてしまいました 笑。
    柚月作品は「盤上のひまわり」「慈雨」に続く3冊目だったけど これも面白かったです♪

  • こんな骨太な作品を、女性作家が書いたとは。でも、さすが「佐方検事」シリーズの柚月裕子と、納得。
    一般の刑事の常識からは、大分すれているが、大上刑事の何と魅力的なことか。
    予想されたこととはいえ、362頁は、さすがに”そんな!”と・・・
    一筋縄ではいかない最後の展開に、思わず意表を突かれた。各章の冒頭に記される捜査日誌にこういう意味があったのかと。
    エピローグでの、期待通りの日岡の行動に、次の作品での活躍を望みたいが・・・

  • 最後の証人みたいに、冒頭の話は話は固有名詞が出ず誰の話か分からないまま、物語の最後でつながる繋がる…う~ん、面白かった!(●´ω`●)
    他にも、え?!主人公はそういう立場だったの?的な話の裏があったりと、飽きることなく一気に読破。

    それにしても一気に大ファンですわ~この作者さんの小説は面白いわ~

  • ハードボイルドとしても、ミステリとしても文句なし。
    昭和63年、広島。呉原東署の捜査二課に配属された日岡秀一(25)は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上章吾(44)のもとで、暴力団系列の金融会社社員・上早稲(うえさわ)二郎(33)が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく…。
    抑制の利いた端正な文章で緻密なプロットが紡がれていく。淡々としているのかと思いきや、驚異のラストでした。やられました。

  • 昭和六十三年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく―。
    (「BOOK」データベースより)

    1月に柚月さんの本と出会い、柚月さんの本ならなんでも読んでみよう!と手にした本でしたが…
    私にはハードすぎた…

  • 広島は呉原市(呉ですな)を舞台にした暴力団、そこに深く食い込む刑事・大上は、ある経理屋の失踪事件が暴力団抗争の導火線になりかねない事を知り、抗争をおさえつつ捜査に動く。
    そこに配属された主人公・日岡は大上に気に入られ、彼の手練手管を学びとって行く。
    かたや、マスコミに癒着を指摘された警察上層部は内偵を始める。
    捜査は進展するが、大上は謹慎を命じられる。
    事件は解決するのか?
    抗争は防げるのか?

    というような、今野敏とか佐々木譲っぽい話。
    柚月裕子、文体も落ち着いている。

    いち刑事が板挟みの事情の中で、何もかもを背負って踏ん張る、というのは よくあるパターンかな。
    最後のシカケはもろ任侠ロマン。

  • 登場人物と、その関係性をつかむまでスピードに乗れなかったが、後半は一気読み。
    表立って激しく争う暴力団が、昭和らしい。
    刑事のルールを逸脱しながらも、大上には否定しきれない魅力がある。
    大上と、やくざの付き合い方。
    少しずつきずなを深めていく、日岡と大上の変化。
    ハードボイルドな警察小説であり、任侠小説。
    『このミステリーがすごい! 2016年版』第3位。

  • 2018年8月18日読了。大上さぁーん!もう涙涙やったです。極悪警察小説とはよく言ったよねぇ。大上さんみたいな人、現実におるわけないけど、大上さんみたいな正義感ある人も、この世にはもう居ないような気がします。昔はおったような気もするけど。ヤクザと警察ものと言えば、呉ですね。広島弁がよかったです。あと、ヤクザ言葉も物語を締めてましたね。気味悪いシーンも出てくるし、気をつけて読んでほしい話だと思いました。

  • 役所広司、松坂桃李等で映画化されて「新たな東映やくざ映画の金字塔」と言われシリーズ化が決定しているとか。

    原作は直木賞の候補になったし、「このミス」2016年3位、「本の雑誌」2015年2位と評価が高い。

    《仁義なき戦い》を彷彿とさせるヤクザの対立構図や生態がリアルに描かれているし、警察の内部の様子も丁寧に描写されている。出てくる登場人物が熱い。ミステリとしての意外性もあり、読み応え十分の傑作だ。

    役所広司が演じた大上刑事はビートたけしの《アウトレイジ》の中で言うと小日向文世が演じた片岡に近い。暴力団と癒着し、賄賂を受け取っている悪徳刑事というのはよくあるキャラだろうが熱量の点で圧倒的だ。片岡がクールな感じなのと対象的だ。

    面白いのは著者の柚月裕子は写真(下)などではお嬢様タイプに見え(差別発言かな?)、とても暴力団小説を書きそうに見えないこと。読みながらこれを柚月裕子が書いているのかと感心ばかりしていた。極道の言葉遣いもさることながら腐乱死体のこれでもかという描写など唸ってしまう。

    昨年「慈雨」は読んだけど、定年退職した刑事がお遍路参りするという人情話のような内容だった。この作品は「慈雨」の前の作品でこんな暴力団小説を真正面から書いていることに驚く。

    先月の「ダ・ヴィンチ」にインタビューが載っていて、その冒頭が面白かったのでメモのため勝手に引用する。

    『ヤクザ映画の金字塔《仁義ない戦い》を観て、”ああ、こんな熱い小説を書きたい”と。そこから構想を練っていたとき、「野性時代」で連載のお話をいただいたんです。”実は、書きたいものがあります。暴力団を題材とした話で”とお伝えしたら、当時の編集さんが”まず私のお薦めする本を読んでみましょうか”と、極道を描いた名作を送ってくださったんです。それはおそらく”難しいですよ”ということを伝えるためであったと思うんです。

    ”お送りした本、読みましたか?” 

    ”読みました。素晴らしかったです。私も書きたい”

    「実は、今だから申し上げるのですが、お送りいただいた本を読んだのは連載がはじまってからなんです。当時、冒頭を読んですぐに『これはすごい!今読んだら、怯んで書けなくなる!』とわかったからです。だから、読んだふりをして、自分の”やりたい、書きたい”を通したんです」』

    止めたくなる編集さんの気持ち分かりますね。それが「仁義なき戦い」の再来と言われるような新しい鉱脈発見になった。



    柚月さんは将棋ミステリも書いてる。守備範囲の広いこと。過去の遡りつつ、これから出る本はフォローしていきたいですね。

  • 刑事も参加の仁義なき戦い。
    アウトローな刑事モノといってしまえばありがちに聞こえるけど、最後まで息もつけない展開で楽しめました。

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著者プロフィール

柚月 裕子(ゆづき ゆうこ)
1968年生まれ。岩手県出身、山形県在住の小説家。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー。2013年同作で第15回大藪春彦賞、2016年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、同年『慈雨』で「本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10」第1位をそれぞれ受賞。2017年、『盤上の向日葵』で第7回山田風太郎賞候補、2018年本屋大賞ノミネート。
代表作として、テレビドラマ化された『最後の証人』『検事の本懐』を含む「佐方貞人シリーズ」。また、2018年に映画化される『孤狼の血』。

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